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終焉の光  作者: Ryou
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快適で危ない生活3

硬直した。は?と言ったかもかもしれない。葉の奴は、お構いなしに喋り続ける。


「勉強しに行くっていっても、場所がすごい場所だ。東京大学、“光子解明兼電子光学科研究所”だぞ。いやぁ〜、マジで間が良かった。創立記念の日に中を公開してくれるなんて。あそこって、滅多に中を公開してくれないんだぞ。しかも、中で実験を見せてくれるんだぞ。」


いやいや、知らねぇよ。しかも東京大学って、行くまでにかなり金がかかるじゃん。という、ツッコミをあえて入れなかったが、同時に言った。


「なんで、勉強―――――――!?」


これには葉も、多少驚いたらしい。だが、構ってられるか!


「いやいや、明日休みだぞ!?休みの日まで勉強はねぇだろ!」


「そ、そこまで、言わなくてもいいだろ。つーか、ビックイベントだぞ。将来の役にもたつ」


「お〜い救急車―!ここに真面目馬鹿がいます!!」


「今のうちから、勉強しておいて損は無いし、面接とかで役にも立つ。大学受験とかのな。」


俺たちの、疑わしい眼差しを受けても微動だにしない。


「嘘じゃないって。それ程、影響力があるんだぞ。」


「俺ら、文系なんだけどな・・」


「人の考えは変わるかもしれないだろ?二年生になったら文系と理系に分かれるだろ?人生一度しかない。理系に行っとけば、なんて後悔するかもしれないだろう。勉強しといて損は無い。ていうか、見学だよ、見学。軽い気持ちで来て気付くかもしれないだろう?ほかにも・・・・・・・・」


ここから、力説が始まりそうだったので反論を開始した。


「いやいや、休みの日まで勉強したくないんだけれど?」


「家で昼まで寝たい気分だしな・・」


だが結局、俺たちがいくら行きたくないって言っても、説得しても葉の考えは揺るがず、ついに葉の力説の前に屈服してしまった。




〜自宅〜


だが、行くとなると電車に乗る為の運賃が必要だ。だが、運賃がまた馬鹿高い。現在、手持ちの金は千六百円。行って帰ってくるには、倍ぐらい必要だ。

こんなとき(勉強のときとか)頼りになるのが親だ。普通なら出してくれないのに勉強となるとすぐに出すのだ。ていうか、母親情報網はすごいな。帰ってくるなり、俺が行く場所をいきなりあてやがったんだよ。絶望したね。

なんで、俺が、明日行く場所しってんだよ、と最初は思ったが、なるほど母親たちのネットワークなら納得できる。・・・そんなネットワークは崩壊しちまえ!と内心激怒しているが・・・・・。だから俺は、明日、絶対行かなければならない。まったくもって、迷惑なネットワークだ。

このネットワークが無かったらな、と考えても見たが・・・・・・

葉の奴が、電話で根回ししそうだな。どうやっても避けては通れぬ道か・・。

まぁ、母親から金を貰うというのは、遊び目的なら気が引けるが、勉強なら引く気も無い。とれるだけとってやれ、だ。

等と、ぐたぐた考えながらリビングへ降りていく。オレンジ光の照明器具がリビングを照らしているので上を見ると眩しい。リビングは十四畳半ぐらいで、結構大きい。そこには、白と青のウェーブラグが敷いてあって、安物のソファベットが置いてあり・・そこに寝そべってテレビを見ているのが、母親の香奈美だ。

結構な若づくりだ。だから大体は鯖を読む。だが、鯖読んで働いているんだから、すごいもんだ。たしか二十何歳とか言って働いてんだったな。ばれたら首なんじゃないか、と言った事があるが「そのスリルがいいのよ!」なんて言われた。

もう今年で四十ピー歳なんだからはっちゃけるのは止めて欲しい。

言い忘れていたが、親は健在だ。兄もいる。だが、親父は今九州に出張中だ。兄も大学に通っている為一人暮らしをしている。兄貴は、ちょくちょく遊びにくるが。

そんなことを思っていたら年甲斐もなくはしゃいでいる母親がコチラに気付いた。


「あら、蒼真。あなたが勉強に目覚めてくれるなんて母さん嬉しいわ〜。やっと将来の事を考えてくれたのね。」


「体をくねらせんなよ。気持ち悪い。つか、飯出来たんなら呼べよな・・」


俺のそっけない態度にムッとしたらしい。「親に気持ち悪いってなによ。可愛げないわね」

等と文句をいっているが、無視した。おばさんが若いように振舞ってんのは、実際キモイ。

・・・・・歳を知っている奴だけが言えることだが。

気を取り直して、夕食をとることにした。今日のメニューは・・・・昨日の残りのカレーだ。まだ残ってたのか、とため息をもらし、食べ始める。母さんは、洗濯物を取りに行ったようだ。一人で食事していると、さっき母親が言った事が頭の中を走っていた。

確かにそろそろ本格的に勉強したほうが良いのかな、と思い始めていた頃だ。

蒼真は、今、高校一年。三月に始業式だから、もうすぐ二年だ。勉強しなくては、と思うのは、別に成績が悪いからだけでは、無い。

(実際、成績は良くない。百五十人中、百三位と、自分ではあまり悪くないと、気にしてないが教師に悪いと判断されている。クソッ)

成績なんてちょいちょい本気でやれば、ついてくる。だが問題は、母さんが言ったように、将来、つまり高校の後だ。就職か大学へ行くか、だ。普通の奴なら、後者をとる。大学へ行ったほうが就職選びや、就職出来る確率が大幅に上がる。だが、当然のことで行くならば試験に受からなければならない。どうしても学が必要だ。

有名な大学へ行く奴らは、一年の初めから熱心に勉強している。頑張るな〜、と静観していたが、もう高二への進級の時期だ。

本当に勉強しなければ大学への切符を取り損ねてしまう。それで就職出来ずに、フリーター生活なんてのは、まっぴらゴメンだ。まさかとは思うが、いや俺に限ってニートなんて間違ってもなりはしないと思うが、絶対なりたくない!

テレビで見ていてよく分かるあれは、完璧なまでの負け組みだ。俺は絶対、勝ち組に入ってやる。――と考えていた所で手が止まって、食事が中断していることに気がついた。

どうも、物思いにふけり過ぎることがあるようだ。これでは、また「まだ、食べてないの!」

と怒られて愚痴を言われてしまう。急いで食べようとしたら、階段から声がした。


「食事中に悪いんだけど、窓しめてシャッター降ろしてくれる?」


と言われた。

仕方無いな、と思いつつシャッターを降ろそうとしたら・・ビリッ。

反射で手を引っ込めた。冬に、お馴染みの静電気が・・走った?


「・・・・?あれ?」


おかしな出来事だった。静電気は起こったハズなのだが、痛くないのだ。


「おかしいな・・。まっいいか。」


そう思い、食事に集中した。蒼真は気付かなかった。体が、これから始まる闘いの為に、少しずつ変化していることに・・・・。




これでこの章は終わりです(≧∀≦) 次の章から物語が結構進み始めます!

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