表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終焉の光  作者: Ryou
3/7

快適で危ない生活2

・・・・・・が、一向に返信が来ない。ちょっとイライラしてきたので、自分のケータイで確認することにした。充電を最近していなかったので、バッテリーが、ヤバイ。出来る限り使わないようにして、バッテリーを保たせようとしていたのに、あのアホのせいで。

落ちる前に調べきれるか、厳しいところだ。

あいつ、ガセネタだったら、朝一番で微笑みながら殴ってやる。ケータイの仇討ちだー、とか言いながらボコボコにしてやる。そんな事を考えていたが、結局は無駄な思考になった。明久が騒ぐ訳だ。新聞なら大見出しだろう。

サイト内を埋め尽くす感じで、緊急ニュースと書かれていた。

(な、なんだよ。そんなに、大変なことが起きていたのかよ〜、全然知らなかったし)

サイトには、「人気月刊誌社、全焼事件!?」と書かれていた。

朝は、月刊誌のことで頭がいっぱいだったからな。でも、ニュースぐらい見とけばよかった。そすれば、恥かかずにすんだかも、と過ぎたことを、無駄に反省しながら詳細を見始めた。


「・・・・・・・おいおい、細かいこと書いてねぇぞ。なんで全焼したんだよ!!!

こちとら楽しみにしていたのだぞ!!!・・・・・・」


虚しい。怒りに任せて言葉が出たものの、誰もいない教室を反響するだけだ。めっちゃ、悲しい。悲しすぎる。月刊誌を買えない上に、恥をかき、言葉が空をきる・・・・・・。

そんな時、ふとケータイを見たら、いつの間にかニュースが更新されていた。

「な・・原因特定できたのか!原因は・・・・”光子“の漏れ!?整備不慮による疑い・・」


そう、”光子“の問題点とは、エネルギーの量が巨大すぎるのだ。従来の発電所の五倍・・・

いや十倍もの発電力をもっている。その分、扱いが難しく、また安定態ではなく不安定態なので制御が利かなくなるときがあり、出力を微量でも間違えれば大惨事にもなる。しかも、有害な放射線も放射される。この放射線は、γ線やβ線などよりも、強力だ。

なんせ、この放射線は・・・・・・・「・・・・・・っぅぅ 」

急に吐き気に襲われた。自分が記憶の奥深くにしまいこんだ事を思い出してしまった。

蒼真は、その実例を見たことが・・・・・あった。

今でも鮮明に思い出させる。まるで、頭の中で、蜘蛛の巣が張っているみたいに、どうしても忘れることが、出来ない。いや・・・・・忘れてはいけない事だ。


「ぅぅぅぅ・・・・・」


いよいよ、本格的に吐き気がこみ上げてきた。ついには、座り込んでしまった。

それから、30分は、ずっと吐き気に襲われ続けた・・・・・・・・・・・・・・。






〜一時間後〜

 「おはよ〜」「うぃっす」「ちょ、ニュース見た!?」「みたよ、物騒だよね」

「うん。マジか!!って、感じだったよ」「へー、つうか俺は、もっと重大な問題に直面している」「えっ、何々!?」「生物のレポート書いてない〔涙〕今日までなのに・・・」

「・・・・・・それ、重要?」「俺から見れば・・・視野が狭くてゴメンね」

などと、クラスメートのたわいない朝の会話が、聞こえる。レポートを書いていない一部の生徒以外はニュースの話で持ちきりだ。まぁ、予想はついていた。あれだけの事件だから当然といえば当然だろう。むしろ予想の範囲を出なかったから、つまらない。

「ねぇ、ちゃんと餌・・・・わっ、どうしたの!?」多分、クラスの女子だろう。こんな、状態の俺に話しかけてくるとは・・度胸があるのか、ただ単に空気が読めないだけなのか。

月刊誌が読めず、恥をかき、吐き気に襲われ、それを見つけた友達が執拗に保健室へ行け、

と言って断るのにどれだけ、苦労したか。親切心なのだろうが、ありがた迷惑だ。今、俺は世界に絶望しました、見たいな顔をしているだろう。俺の気分は、今年最悪の模様だった。会社が全焼したということは、読めるまで何ヵ月かかることだろう?いや、何年かな。

そんな俺の心境を知ってか、さっき登校してきた明久が、声をかけてきた。


「そんなに落ち込むなよ〜。まぁ、朝早く起きて無駄だった上に、いつ発売するか分からないってのは、愛読者にとっては悲しいよな。気持ちは分からなくも無いよ」


まぁ、お前は落ち込みすぎだけどな、と言って前の席に座った。明久〜それだけじゃないのだ。そして、事情を説明すると・・・・この野郎、笑いを噛み殺している感じの顔になりやがった。「まじかよ、それはへこむな」と同情したりも、するが。

こいつの名前は草柳 明久といって、中学時代からの親友だ。同じ高校に入学した位の仲だ。ちなみに、明久も、あの月刊誌を読んでいる。


「哀れむな!悲しくなるだろう!!くらえ、見様見真似、腕緘!!」


「はは、怒るなよー。て、うわ!や、やめろ痛たぁったた!!」


「ふははははははは!折れちゃいぁ!・・・舌かんひゃ・・・」


「へ、ざまーねぇな!って、痛たたたた!!」


ふざけていたら、気分がすっきりした。俺の心境を知って、悪ノリして来てくれたのだろう。

だが、楽しい気分は、横から入った冷ややかな一言によって脆く崩れさった。


「なにやってんだよ、馬鹿二人組。友達として恥ずかしいからやめろ。」


この一言を言った人物は、北狩 葉。友達のひとりだ。高校入ってすぐに意気投合した。

面白くて、いい奴なのだが、少し真面目君で手厳しい所をついてくる。


「馬鹿とはなんだ、馬鹿とは。ふざけていただけだぜ!」


「それは自分で決めるものじゃないだろう。周りが判断するものだ。実際ハタからみて、

すっごい馬鹿っぽくみえたぞ。」


ぐわッ、人の視線とか使うなよ・・・。そうゆうのに弱いんだよ、俺は。俺がおとなしくなったのを見た、明久と葉が吹き出しやがった。俺は、ますます不機嫌になった。


「ははは、悪い。と、話そうとしていたことから、ずれちまったな。明日は創立記念で休みだろう?遊ばないか?」


「おっ、ナイス提案!てか、明日休みだったのか。事件のことで忘れてたよ。」


そういえば、と俺も思い出した。休みなのは、有難いし、葉の提案も良い。

お前らが休みの日を忘れるなんて、よっぽど気が動転していたんだな、という葉の悪口は無視して、俺は現在の状態を説明した。


「でもな〜、何するよ?映画とかなら、俺はあらかた見終わっているし、ゲーセン行くにしたって・・・・俺、今月ピンチ」


それが、現状だった。仕方無いだろう、金はあるだけ使ってしまう性分なのだ。金は天下の回り物というだろう。・・・ポジティブすぎる考えだという事は自覚している。ついでに、使ってしまう性分だということも、分かっている。だが、気がつかない内になくなってし

まうのだ。「嘘だ、そんなに使ってないぞ!」とか思っても現実だから受け入れなければならない。バイトとか、しようと思うのだがコレといって興味を引くものが無い。楽して儲からないかな〜、みたいなのを探しているのだが。・・当たり前か。

だからといっても、親にねだる訳にはいかないし。なにより十六歳にもなって親に頼むのは気が引ける。だが葉は、金は問題じゃないな、と苦笑した。

マジで?一番の難題を軽く解決しちゃったな。


「金が問題じゃないのか?てか、どこ行くの?」


当然の疑問だ。「映画のタダ券とか持ってんの?」明久も答えを要求した。


「いやいや、映画とかじゃなくて、将来ためになる所に行くんだよ。」


と、区切った。つまり、考えろということだ。だが考えても考えても分からない。

“GIVE UP”とうとう二人とも屈服した。


「種明かし・・・ずばり勉強しにゆく!」





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ