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終焉の光  作者: Ryou
2/7

快適で危ない生活1

「っっっっっっっっ、寒ぅぅぅ!」


家を出て最初に飛び出た言葉だった。

(・・・・・・昨日もそんなこと言った気がするな)

と、思いつつも言わなければ気がすまなかった。今は冬の二月。寒くて当然だ。しかも日本という国は位置的に季節の移り変わりが、はっきりしてしまう。


「もう少し南側にあれば・・・・・・」


と馬鹿な事を考えながら、自転車に乗り、学校を目指した。

早朝の為か、いつも出勤していくサラリーマン風の人たちを見かけない。そのため、通りは、がらんとしており、なんか道を独り占めしたような感じで気分がいい。

そこに、ちゅん、ちゅん、という雀の鳴き声が聞こえてくる。なんていうか、もの凄い清々しさだ。朝早く起きることはとても辛いが、こういうことがあると「起きてよかったな」と思える。

(これで森などに囲まれてると、清々しさ倍増なんだが、それはちょっと欲張りすぎだな)

その通りを自転車で進んで行っているうちに、見慣れた冷蔵庫ほどもある半透明のガラスケースがある。その中には、光り輝く球体がある。

これこそが、日本の切り札、新エネルギー”光子“である。

新エネルギーといって元々これは、人類に多大なエネルギーを放出してくれている。

まず、植物が育ち、光合成をして酸素を作ってくれて人類が生きていられるし、熱なんかも放出してくれて人が体温を保角もこれのおかげだ。もっと細かく言えば、目で物や周りを見れるのもこれのおかげだ。

だが、“光子”を実用化しようという考えは世界中にあった。最初に太陽光発電の技術を二十世紀に発明したのも、その考えがあったからだ。しかし、ただ放射されているだけの

“光子”をどうエネルギーに変換するか、という問題点を誰も解決できなかった。

ただ、一人を除いて。・・・・・・なんて名前だっけ?学校で習ったはずなんだけどな。

まぁともかく IQ200以上の天才科学者らしい。その人は光に微量ながら質量があることを発見して、放射されているだけの光を、安定した個体にしようと考え、それをするすべを立案した。あとほかにも色々権威があることをしたとか。

あとは、・・・・・・勉強不足だからわからないけど、日本の科学技術が他国より高かったというしかない。こうして、“光子”は生まれた。だが、ちゃんとした固体にはならなかったらしい。固体と液体の間のようなドロドロ状態で、当初予測していた安定態ではなく不安定態になってしまった。まぁ、十分実用化できるレベルだったので事実上成功だった。しかし、後から問題点が浮上してきた。

と、そんなことしているうちに目的地が見えてきた。

俺が通っている城南帝薗私立高校だ。まず、校門が特徴的だ。体をうねらせた二頭の中華的な龍が、彫られている。神社で見かける狛犬のような役割をしていてくれているらしいが、本当に役に立つのかどうか怪しいもんだ。一説には校長の趣味だといわれている。

むしろ防犯カメラのほうが役に立つんじゃないか、とも思うが本当に設置されたら俺たちが悪さできなくなるから、生徒は皆この龍を絶賛している。

校舎は一年おきに壁を塗りなおすから、塗り途中のときは臭くて仕方ない。新入生に見えを良くしたいのだろうが、こっちにとってはいい迷惑だ。

・・・・・・もしかしたら、俺たちが汚しているからなのだろうか?まぁ、いいや。

校庭はそんなに広くない。狭くも無いが。だが、土じゃなくて、ゴムなのがむかつく。

校舎内は、きれい好きな先生達のおかげで限りなくきれいだ。なんたって、俺たちが掃除したあとも掃除しているくらいだからな。普段は俺たちがやっているから、見ていて面白い。だが、あんまりみすぎると、手伝え、といわれるからそんなに見られないが。そんな学校の俺の教室は1―Bだ。

なんてことのない普通の教室だ。ちゃんと教卓、教段、机、椅子がある。

変わっているといえば、私立校にしては珍しく、金魚を飼っている。勿論のこと世話係もあり、その係員が俺だ。本来なら、こんな早朝ではなく、普通の皆が来る時間帯にくるのだが、今日は特別だ。

金魚が、俺のことを確認したのか、せわしなく動き始めた。これは、見慣れない巨大な生物と勘違いしているのか、それとも単に俺だと認識して餌をよこせと言っているのか。

生物学者の人達なら前者を指すだろう。だが、おれは後者を指すね。俺が餌をやらずに教室を出ようとすると、水槽に体当たりを始めるからだ。ふてぶてしい奴め、と思いながら餌をやり終えると、俺はバックの中身を出して空になったバックをもち、そのまま学校をでた。俺がこんな早朝にきたのは、ある目的があったからだ。

俺は当初の目的のものを手に入れる為、気分よく校門を出て近くのコンビニに入った。

そして、目的の物を・・・・・・・・・うん?あれ・・・・・・

な、無い―――――――!バカな!もう完売したのか!?

仕方なく、店員に聞いてみる。


「あの、すみません。今日発売されたハズの・・・・・・」


聞いている途中に、何度か聞かれたかの様にうんざりした顔になった。


「あぁ。あの月刊誌は、販売中止になったそうですよ」


「えぇ!販売中止!?」


少し声が大きかったのかもしれない。店員の人が、ちょっと驚いている。

周りから見られている気がする。


「す、すいません。」


店員の人にも気を使わせてしまっている。なんだか無性に恥ずかしくなってきたので、

「いや、大丈夫です!」と言って急いで外に出た。

外にでて、朝の新鮮な空気をすっていたら気分が落ち着いてきた。


「あー、くそ。楽しみにしていたのになぁ。」

      

と愚痴をこぼしながら、学校にとぼとぼと、戻り始めた。

月の初めは、毎朝早く来て発売される月刊誌を買って、学校で読んでいた。この月刊誌は

とてつもなく人気で、昼ごろになると全部売り切れている具合だ。

だからといって、朝の普通の時間帯にきても先生に見つかって取り上げられてしまう。

(先生たちも生徒が買ったりしているのを知っているらしく、校門で荷物検査されるため)

だから、その日は、先生たちが来ていない早い時間にきていたのだ。

なのに、売ってないやら、恥ずかしい思いやらで、踏んだりけったりだ。

(はぁ〜、学校でする楽しみがへったよ。皆が来るまで何してよう)

現時刻は七時と、ちょっと。友達が来るまで一時間はある。

しばらくボーっと、したりしていたが、俺は待つのが苦手で五分と持たない。

ケータイでモーニングコールでもしてやろうか、等と考えていたときに、一通のメールが届いた。(ケータイサイトからのメールかな?)と思って見たら違った。

親友の明久からだ。(なんだ、アイツ。こんな朝早くにメールって。珍しいな)

まぁ、どうせ暇だったからな。と暇つぶしにメールを読んだ。

≪お前、ニュース見た!?怖ぇよな(T_T)。お前家も気をつけろよ(^.^)/~~~≫

(ニュースなんか見てねぇよ。何のこと言ってんのか、わかんねぇって。てか、メール寄越しといて自己完結ってなんだよ)と愚痴をこぼしながらも、気になったので、

≪ニュース?ゴメン、見てないから。内容を教えてくんない?≫と、送った。



ご意見ご感想お待ちしてま〜す(≧∀≦)

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