28 「三つ巴の遊戯」
繁華街の中、賑わう人の間を器用に縫いながら先導する少年―-フェイの赤いダウンジャケットの背中を芳月柄支は見ていた。
友人の古宮麻希に背負われているため、自分の足を動かして付いて行っているわけではない。
だからだろうか、身体を動かしていないがために柄支の気持ちは周りよりも冷静になるのが早かった。
……は、恥ずかしい!
そんな牧歌的な感情を抱いている場合ではないのは重々承知なのだが、どう見ても悪目立ちしている。先頭を走る真っ白な髪と黒い肌の少年がいるのだから、なおのことであった。
柄支は振り落とされないよう顔をうずめる形で麻希の背中にしがみつくのだが、それは顔を隠したいという彼女の気持ちの表れでもあった。
少年は時折こちらを気遣うように振り返りつつ、焦れた顔を見せながらも走る速度を調整しているようだった。
それでも、麻希の息が若干上がりつつあることが、彼女の上昇する体温から伝わって来る。最後尾についている後輩の新堂進も、そろそろ限界が近いのではないだろうか。
そう心配して柄支が首を振り向かせると、進と目が合う。彼は息を切らせながらも笑みを浮かべ、「大丈夫です」と言外に訴えてきた。
「そこの路地に入るぞ!」
不意にフェイが叫び、急に進路を左に取る。その先は人一人分くらいの横幅しかない、ビルとビルの間にある薄暗い路地だった。
「追い詰められやしないか?」
「アンタら、そろそろ限界だろ。一応現場からはそれなりに距離は取った。来るなら来やがれってな」
暗い路地をしばらく進むと開けた場所に出た。ビルの裏口らしく、コンクリートで造られた短いステップの先にはスチール製の扉があるが、カードリーダーらしき設備があるため中には入れそうにない。
そして、先に続く道はもうなかった。
「おい……本当に袋小路だぞ」
「あー、心配すんなって。一本道の方が迎え撃ち易いって言うだろ」
麻希に低い声で見下ろされるも、フェイは意に介さず肩を竦める。彼は先頭から最後尾に入れ替わるように移動し、今しがた通って来た路地を塞ぐように仁王立ちした。
「とりあえず、アンタらはその辺の隅にでも隠れてな。終わったら言ってやるからよ」
「……麻希ちゃん、そろそろ下ろして。たぶん、もう大丈夫だから」
麻希はまだ胡乱げにフェイを見ていたが、柄支に声を掛けられて彼から視線を外した。
「無理はするなよ」
「うん。よい、しょっと」
片膝をついて降ろされた柄支はスニーカーの爪先で地面を軽く叩き、ちゃんと身体を支えられていることを確かめる。
「じゃあ……一応、彼の言う通り隠れますか?」
そして、息の乱れを整えた進にそう訊ねられ、三人は顔を見合わせた。
完全に勢いに流されるままにここまで来たが、改めて冷静になるとあの少年も相当に怪しい部類であることに違いはない。
しかし、助けられたこともまた事実であるため、悪戯に疑うような真似はしたくないという思いはあった。
「そうせざるを得ない……な」
「そうだね。わたしたちは、なるべく邪魔にならないようにしようよ」
下手に抵抗をしてこじれるよりかは、成り行きに任せた方がまだいいと麻希も腹を括る。
三人は身を寄せ合うように、隅に置かれた室外機の側に集まった。しかし、当然身体を隠すには足りず、気休めにもなりはしない。
「そういえば、新堂くん。お父さんからは何だったの? 連絡しなくて大丈夫?」
「え? ああ……そのことですか」
まだ追手がやってくる気配はなかったため、柄支は気になっていたことを進に訊ねた。思い返せば事の発端は、ある意味彼の電話だったのだ。
進は彼女の質問に、少し驚いた顔をしていた。どうやら、今の今まで忘れていたようである。そして、視線を僅かに宙にさ迷わせたあと、口を開いた。
「今は大丈夫ですよ。この状況と、そう無関係とも思えないので……」
「……? どういうこと?」
「要領を得ない話なんですが、父の所に匿名の電話があったみたいなんです。『お前の息子が、今によからぬ輩に狙われるぞ』って」
「何だそれは。脅迫か?」
「わかりません……」
話の内容に麻希が眉を顰める。進も理解しがたいといった顔で、首を横に振るばかりだった。
「だから、急いで僕に連絡をしてきての電話だったんですが……どうも、一足遅かったようで」
「えっと……じゃあ、あの人たちは新堂くんを狙ってたってこと?」
「いえ、これは推測ですけど、僕というよりも、僕たちと言った方が正確なのではないかと思います」
進は自分の胸を指し、続けて柄支と麻希の顔を見た。
「あの少年は、芳月先輩を守る役目を負っているみたいなことを言っていましたよね。先輩の方こそ、何か心当たりはないんですか?」
「な、ないない! そんなの、わかんないよ!」
柄支は無罪を主張するように、ぶんぶんと顔の前で手を振る。少年とは初対面であることは間違いないし、いきなり守るなんて言われても困惑以外に感情が浮かばない。
「――悪いが質問は一切受け付けねーぜ? 守秘義務ってのがあるからな」
三人が言葉を交わす中にフェイの声が飛び込んで来る。彼は路地を注視しながらも、しっかりと話を聞いていたようだった。
「と、そろそろ黙っといた方がいーぜ。来やがった」
路地を睨むフェイの眼光が鋭くなり、声から気軽さが消える。彼は暗い路地を通ってくる人影を油断なく見据え、浅く腰を落として構えを取った。
視界に映るのは、ファーストフード店で柄支を襲おうとした長身の男だった。フードを被った顔は影になり、身長差からフェイは彼を見上げる形となる。
「はあ、まったく――使えませんね」
当然無言で男が襲ってくるのだろうと思っていたのだが、フェイの予想に反して声が響いた。
しかもそれは、生気を感じさせない男から発せられるものではなく、苛立ちを含んだ女性のものだった。
「なんだ……!?」
そして、男の上体が傾いだかと思った瞬間、フェイに向けて突っ込んできた。
フェイは咄嗟に後ろに飛んで避ける。が、そこまでが狙いだったのだろう。男の背後から黒い影が弾丸の如き勢いで彼目がけて飛び込んでいた。
布を引き裂く歪な音が響き、羽毛がパッと宙に舞う。
「テ……メエェッ!!」
胸の前で両手を交差させたフェイは殴られた勢いのままに胸倉を掴まれ、一気に路地の壁に背中を押し付けられていた。
「なめた真似してくれんじゃねーかッ!」
「そう言われましてもね。どう考えても、油断する方が悪いでしょう」
フェイの眼前でくすりと嘲笑を浮かべるのは、黒いロングコートを全身に纏わせた女性だった。
短い金色の髪に色素の薄い肌。フェイを睨み据える濃い褐色の瞳は、彼に劣らぬ獰猛な獣の如き意志を宿している。
「あ、あなた……!」
その女性に、柄支は見覚えがあった。
顔を合わせたのは一度きり。交わした言葉はそれほど多くもない。
しかし、忘れようもなかった。
「やあ、お久し振りですね。芳月柄支さん。こんな形で再会するとは思いもしませんでしたよ」
フェイの胸倉を締め上げながら、咲野寺現は柄支へ目だけを向けて横顔に浮かべる笑みを深くした。
「あいつは……前に神社を襲いにきたやつか!」
「ん? そちらのお嬢さんは知りませんね」
柄支に続けて麻希が口を開いたが、現は彼女の顔を知らなかった。そのとき、珊瑚にやられた彼女は気を失ってしまっていたためである。それは、進も同様だった。
「ちっ……あぁ、そうか。テメエ、封魔省かよ……」
柄支たちの反応を見たフェイが奥歯を噛んで現を睨む。彼は現の手を解くべく両手を伸ばそうとしたが、その前に床に引き倒された。
「んがッ……!」
二回も続けて背中を盛大にコンクリートへと打ち付けられ、喉から苦悶の声が漏れる。
「そういうあなたは、滅魔省の坊やですね。降参しますか?」
現は左手でフェイの胸倉を掴んだまま、片膝立ちで馬乗りになる。右手は振りかざされており、彼の返答によって彼女がどのような行動に移るかは明らかだった。
「あー……チクショウ、だせぇ……誰がするかよ、クソがッ!」
フェイが目を見開いた瞬間、にわかに彼の短髪は逆立ち全身が光を帯びる。その変化を見るや現は彼から手を離して即座に飛びずさった。
目を眩ませる閃光が迸り視界を焼く。間一髪で現は霊気の放射による熱を避けることに成功した。
「ま、そうですよね。そんなに簡単にいけば苦労はしませんか」
立ち上がるフェイと改めて対峙した現がやれやれと息を吐く。彼女の余裕ぶった態度に苛立ち、フェイは舌打ちをした。
「テメエかよ、こいつらをけしかけたのは」
そして、彼は倒れて動かなくなった長身の男を見やり訊ねた。
「返答に困るところですね。本当なら、彼らをけしかけるまでが私の役目だったはずなんですが……」
「なんだ、やっぱりお仲間なんじゃねーか」
今一つ煮え切らない返事に、フェイは苛立ちを募らせる。扱いからして完全に下っ端のそれなのだろうが、捨て駒にされる様は見ていて気分の良いものではなかった。
「仲間ではありませんよ。彼らは封魔省の駒には違いないですが、霊気で操っているだけの一般人です」
が、現はフェイの言葉を否定した。彼女は自身の感情をひけらかすように両手を広げ、首を横に振る。
「それがまあ、お恥ずかしい話ですが逆手に取られてしまったみたいでして」
「あん?」
「ですから……何者かに逆に操られてしまったということなんです。なので、彼らがあなたたちを襲撃したのは、私とは別の意志が働いた結果です。それで、こうして追って来たというわけでしてね」
「は! 手駒を奪われて逆に利用されたってことかよ。ずいぶん間抜けな話じゃねーか」
「そうなんですよね。まあ、人形は代替えがきくので問題はないのですけど。それに……」
馬鹿にされた台詞にも動じず、現はむしろ幸運だと言わんばかりに笑っていた。フェイはその笑みに好戦的な、ある種の歪みを感じる。
「やっぱり、私は現場で戦うのが一番ですから」
「第二ラウンド開始ってか。一応訊いとくが、アンタの目的はそこの姉ちゃんたちを掻っ攫うことなのかよ?」
「ずいぶんと人聞きが悪いですね。保護と言ってください」
「保護ねー……それならこっちでやってやるから間に合ってんだよ。帰ってくれねーか?」
「そうはいきませんよ。これも仕事ですから。そっちこそ、退くなら今の内ですよ?」
「ふざけんなよ。そんなことしたら、それこそオレの命がねーってんだよ!」
怒鳴り声を上げたフェイが、今度は先手を取るべく地面を蹴る。それに合わせた現もまた飛び出し、両者は激突した。
「どど、どうしよう! えらいことになってきたんですけど!?」
「先輩落ち着いてください。あの女の人は、知り合いなんですか?」
泡を食って叫ぶ柄支に進が努めて冷静な声で言う。彼も心中穏やかではなかったが、柄支の慌てようには冷静にならざるを得ないところだった。
「前に浅霧くんが戦った封魔省の人だよ。もう一人、紺乃って男の人の部下みたいだけど……」
「一人のようだが、油断はできないな」
麻希が引き寄せるように柄支の肩を抱く。柄支はちょっと驚いた風に友人の顔を見上げたが、当の本人は難しい顔をして周りを警戒しているようだった。
「今は、あの子が勝ってくれることを祈るばかりですね」
「でも、ちょっと押されてない……?」
戦いに関して何がどうと言えるような観察眼を柄支は持っているわけではなかったが、彼女の目にはフェイが劣勢であるように映っていた。
そして、それは間違いではなかった。
フェイは柄支たちを巻き込まぬよう、現の周囲を小刻みに移動して翻弄しようとしていた。しかし、彼の動きはどこか精細さを欠いたものだったのである。
「どうしました? 勢いがないですよ!」
「うるせーよ! 調子に乗るんじゃねーッ!」
最初の不意打ちによるダメージが尾を引いていたのだ。二人の体格差からしても、単純に小柄なフェイに不利がある。
加えて、彼は柄支たちを傷つけないように守ろうと気を張っている部分があるが、現にはそれがない。彼女は保護などと言ったが、多少の被害は度外視している。遠慮のない動きから、彼にはそれが分かっていた。
そして、そのような彼の気持ちの隙を、現が突かない手はなかった。
このまま戯れて消耗させてもよいとも思えたが、そんな消極的な手はつまらない。勝つのであれば、完膚なきまでに思い知らさなければ気が済まない。
相手が敵対組織である滅魔省であるのなら、なおさらだ。
現の口角が陰惨に吊り上がる。彼女の両手に影の如き暗い霊気が集まったかと思うと、それは手の平全体を覆う鉤爪のような形へと変わった。
「さあ、勢いを上げていきますよ!」
「ちっ……! こんなところで使うのかよッ!」
霊気に覆われ肥大した両手を現は容赦なく振りかざした。
フェイは忌々し気に舌打ちをし、背後の柄支たちを気にしながらその攻撃を受け流す。空ぶった現の爪がコンクリートの壁を抉り、それが凶悪な暴力であることを証明していた。
こうなると、迎え撃つつもりでやってきた路地裏が、逆に追い詰められる結果を生んでしまっている。
まだ辛うじて柄支たちに被害はないが、この空間はそこまで広くはない。守ろうと意識すればするほどに、フェイの動きには制限がかけられるようになっていた。
その結果、爪に気を取られるフェイの脇腹に、現が回し蹴りを直撃させる。彼女の足にも霊気による強化が施されており、ボールのように彼の身体はあっけなく吹っ飛び壁に激突した。
「中々やるみたいですが、戦う相手の想定が甘かったんじゃないですかね?」
崩れ落ちるフェイに現は言い捨て、唖然とする柄支たちの方へと向き直る。そして、一歩近づくその靴音に、三人は正気を取り戻したように彼女を見た。
広げられた両手からは霊気は消えており攻撃するつもりはないと意思表示しているようだが、顔に貼り付けられた笑みは決して友好的なものではない。
それくらいは、もはや誰が言うまでもなく分かりきっていることだった。
「さて、邪魔が片付いたのでご同行願えませんかね? できれば皆さんお揃いの方が良いのですが」
彼女の問いかけには誰も答えられなかった。柄支と進は非日常からの脅威を目の当たりにし、喉を震わせるばかりで声が出せずにいる。
「ふざけないでもらおうか」
だが、三人の中で唯一、麻希が声を発した。彼女は長身の影に二人を隠すように前に進み、真正面から現と対峙する。
現は目の前の少女を値踏みするように見た。そして、すぐに脅威にはなり得ないと判断する。
この少女はただの一般人だ。自分に抵抗する力など何一つ持っていない。
「では、あなたは要りません。最低条件として、柄支さんさえ渡してもらえれば十分なので」
声に僅かな脅しとなる力を込めて、現は麻希の瞳を見据えた。
「どいてください。できれば傷つけたくはありません」
「麻希ちゃん! ダメだよ!」
現が言葉に潜ませた迫力に、たまらず柄支が声を上げる。彼女は麻希のコートの裾を縋るように引っ張ったが、この偏屈な友人は振り返ろうとせず、むしろ拒絶するように背筋を固く伸ばした。
「黙っていろ芳月。お前が私に指図をするな」
「そ、そんな言い方ないでしょ!」
「先輩、落ち着いて!」
むきになって更に追い縋ろうとする柄支を進が宥める。麻希は内心やれやれと溜息を吐きながら、そんな感情をおくびにも出さずに敵の瞳を堂々と睨み返した。
「こいつを連れて行きたいのなら、私をどうにかしてからにするんだな」
「どうにか……ですか。それは、ちゃんと覚悟して言っていますか?」
現の両手に再び暗い輝きが滲み出す。嘲るように燃えるその霊気は、確かな殺意を持って麻希の頬を焦がした。
「こっちも遊びじゃないんです。死にますよ、あなた」
「……そんなことは百も承知だ。そこまで私は馬鹿ではない」
「麻希ちゃんッ!」
柄支の声はもう悲鳴になっていたが、麻希は頑なに振り返らなかった。
目を逸らせば、その瞬間に自分の命は刈り取られる予感がある。身体は立ち竦み、両足は地面に縫い付けられてとてもではないが動かせそうにない。
しかし、それでも立っていられるだけ僥倖だ。
以前に神社を襲撃されたとき、自分はただ繰り広げられる異常な光景に臆するだけで、何もすることができなかった。
目の前で行われる不条理に力なきものは抗う事さえ許されない。大きな波にちっぽけな自分の意志は翻弄されるばかりで、容易く藻屑となって消えてしまう。
この相手は異常だ。勝つ見込みなど微塵もない。形勢が不利などという次元で語れるものではなく、両者の実力はそれほどまでに隔絶している。
挑めば死ぬ。それは確実だ。
「だが、それがどうした」
口を引き結び、麻希は瞳を燃やした。
「来るなら来い……その程度の理由で、私が退く道理はないッ!!」
「――ああ、よく言ったな。少女よ」
そして、彼女の宣戦布告に気前よく応じるような声が、遥か頭上――空から落ちた。
そう、その人物はまさに、文字通り空から落ちて来たのである。
「な――ッ!?」
少なくとも五階以上はあるビルの屋上から飛来した影は、着地と同時に耳をつんざく轟音をもって周りを圧倒した。
現は瞬時に後ろに逃れようと跳んだが、前面に放射された霊気の余波にバランスを崩し、後転しながら片膝をつく。
「……ッ、誰ですかあなた!?」
目を見張り現が声を荒げる。コンクリートの地面には縦横に亀裂が走っており、その先に悠然と立ち構える人物は彼女の問いを受けると、口端を軽く持ち上げた。
「なに……ただの通りすがりだよ。いたいけな子供たちを傷つけようとする輩が見えたもので、ついつい介入したくなったのだ」
濃い灰色のコートに、履き古したジーンズとスニーカー。片足を前に広げると、項に纏めた焦げ茶の髪がゆらりと揺れる。
「と、言うのはもちろん冗談だがな。私は、この子たちの友人の姉だよ」
彫りの深い顔に鷹の目をぎらつかせ、隙のない笑みが浮かべられる。その威圧に、現の本能が震えた。
「あなたは……」
「浅霧くんのお姉さん!?」
見紛うはずもない終業式で出会ったその人の姿に、麻希と進が呆然と立ち尽くし、柄支が驚愕の声を出す。
「ああ、そうとも。遅くなってすまなかったな。お姉さんが助けに来たぞ」
そうして、弟の友人たちを振り返った浅霧静は不敵な微笑みを作り、片目をつむって見せた。
「気概があるならよく見ておくといい。君たちは、私が守る」




