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Akashic Records~Edgar~  作者: 誠
◆煙の塔〜少年と泉〜
50/156

49.声は目程にものを言う

「それ僕の!」


 無邪気な幼い少女の声。


「駄目ー! 僕のだよ!」


 ムキになる少年の声。


「僕の!」

「僕の!」

「僕の!」

「僕の……!げほぁ……」

「さっきから僕僕うるっせーんだよお前ら! 吐血するまで騒いでんじゃねぇ!」


 すっかりご立腹のダンテとベッドの上で血を吐くシド。怒鳴りながらその頭を叩くクリストフ。隣のベッドで呆れながら三人を見つめるカイザ。シドのベッドの近くにはテーブルがあり、湯気が立つカップが一つ置いてある。そして、シドも同じカップを手にしている。どうやら、子供達はどちらが自分のカップかで言い争っていたらしい。


「ガキは元気だなー」


 カイザのさらに隣のベッドには、もさもさとパンを頬張るフィオールがいた。


「もう! 誰のおかげで生き延びれたと思ってるの! 君達のせいで僕もルージュもオズマも、魔力カラッカラだったんだからね!」

「…ぷはー、おいしい……」

「ちょっと聞いてる?!」


 クリストフが眉を顰めながらシドの血を拭いているとシドの胸倉をダンテが掴んだ。シドはココアを派手に零してダンテとクリストフの手をココアまみれにした。熱いと騒ぐダンテに、さらに怒りだすクリストフ。シドはへらへらと笑っている。すると、フィオールが空の皿をダンテに向かって差し出した。


「おい、魔女っ子。おかわり」

「はぁ?! ……っ! オズマ!? ルージュちゃん!」


 ダンテが半ギレで叫ぶと、部屋の扉が開いた。


「お呼びですか? お薬でしたらまだですが」


 扉から顔を出したのはルージュだった。タキシードを脱いでオズマの服を着ている。


「違う! あの穀潰しにおかわり用意して!」

「ごっ、穀潰しってなんだよ!」

「だから、お前らうるせーって言ってんだろ!」


 ぎゃーぎゃーと言いあう三人に挟まれるカイザとシド。シドは気にせずココアを飲んでいたが、カイザは疲れたような顔をしている。ルージュはくすくすと笑いながら部屋を出て行った。


「…この配置嫌だ」

「僕はカイザの隣でよかったー」


 カップを両手で大事そうに持ちながらシドは微笑む。包帯を巻いた目が痛々しい笑顔。カイザは少し悲しげな表情をしながらも、それはよかったけど、と、明るめな声色で言った。


「ダンテさーん、呼びましたー?」

「遅いよオズマ! 何してたの!」


 突然怒鳴られ、オズマは一瞬扉を閉めた。そして、再びゆっくりと開く。


「いや、ダンテさんの部屋の掃除してたんですけど……あのゴミ屋敷みたいな部屋」

「うるさい! ルージュちゃんキッチンにいるからお手伝いして!」

「はいはい……」


 オズマは困ったように笑って部屋から出て行った。


「フィオール、子供相手に大人げないぞ」


 カイザが煙草に火をつけながら横目にフィオールを見る。


「何言ってんだ、あいつもクリストフと同じババアだぞ!」

「ババア言うな!」

「ババアじゃないよ!」


 再び口論が始まった。カイザは煙を吐き出しながらぼんやりと天井を見つめる。この部屋で目が覚めてから2日。まだ身体もろくに動かず、ルージュやオズマも看病のために働き詰めだ。普段ならソファーで煙管を咥え酒を飲みながらぐだぐだしているクリストフでさえ、付きっきりで3人の看病をしている。カイザは目の前の椅子に腰掛けているミハエルを見た。死装束ではなく、黒いサテンのワンピースを着ている。トウコツの部屋や、夢の中ではあんなにも優しく微笑むのに……目が覚めるとやはり、その顔は眠ったままなのだ。







------------------------------







 クロムウェル家で行われる革命派の集会。それに来ないかとダンテに言われて少し躊躇っているカイザ。


「嫌ならいいけど。たぶんクリストフはついてくるだろうし」


 ダンテは瓶の蓋を閉めて、壺の中を棒でぐるぐると掻き混ぜる。


「クロムウェル家が鍵戦争と関係があるとしたら、僕も対応を改めなくちゃならない。カイザが来ようが来まいがシドって子の件はグレンに話しておいてあげるよ」

「…いや、俺も確かめたいことが山ほどあるんだ。行くよ」

「怖いんじゃないの?」


 ダンテが上目遣いにカイザを見る。カイザは、俯き加減で言った。


「怖くない……わけじゃない。いや、なんというか……わからない。目的もはっきりしているのに、いざあの屋敷に行こうと思うと」


 心の何処かで、躊躇っている。拒んでいる。あの家と関わることを。真実を知ることを恐れているのか。それとも、懐かしいと感じてしまうことを恐れているのか。行きたいのに、行きたくない。漠然とした、複雑な気持ちだった。すると、見兼ねたオズマが言った。


「…まだ集会までは時間がある。それまでゆっくり考えたらいいよ。今はまだ混沌にいたのもあって頭がごちゃごちゃしてるんだから」


 カイザは、ああ、とだけ言って小さく頷いた。その時、部屋の扉が開いた。


「フィオール!」

「カイザ……目、覚めてたのか。よかったよかった。」


 クリストフに支えられながら、苦しげにも笑うフィオール。クリストフはフィオールを隣のベッドに寝かせた。


「大丈夫? まだ変な感じでしょ。」


 ダンテの横でテーブルに手をつき、オズマが言った。フィオールはふうと息をつく。


「ああ、サイに刺されたような気もしたんだけど、無傷だ。よく覚えてないんだ。夢でも見ていたような感覚で……」


 フィオールは顔を顰めて身を捩り、枕に頬杖をついた。


「俺もだ。感情が突っ走って、何がなんだか」


 カイザがそう言うと、壺をオズマに手渡してダンテが言った。


「そりゃあそうだよ。そういうところだもの」

「で? そのチビっ子は?」


 フィオールがそう言うと、ダンテはムッとした。部屋から出ようとしていたオズマが口に手を当てて笑いを堪えている。


「そこ !笑わない!」

「失礼しましたー」


 オズマは振り返らずもせずに、部屋から颯爽と出て行く。クリストフはフィオールの近くに椅子を寄せて、それに座りながら言った。


「そいつがダンテだ」

「ダンテ……ダンテ?! このチビっ子がクリストフと同じ伝説のババア?!」


 フィオールが大声を上げて驚くと、扉の向こうから遠い笑い声が聞こえた。ダンテは扉の方を睨んで叫ぶ。


「笑うなオズマー!!」


 うるさいのが増えた……そう思いながら振り返ると、フィオールの首を締めるクリストフがいた。顔面蒼白にしてクリストフの腕を叩くフィオール。それを見てカイザは胸ではなく、胃が痛くなった。


「もう!」


 ダンテは腕いっぱいに瓶を持って棚に歩み寄り、それを棚に戻してゆく。


「とにかく、君達はそういう強制的に夢を見せられるような場所にいたの! そこでとんでもないことが起きてこんな面倒なことに……」


 カイザがフィオールに目配せすると、フィオールは首を抑えて咳き込みながら首を傾げた。椅子にどっかりと座り込み、クリストフが言った。


「この奇妙奇天烈な塔は、あまりに規模が大きいが故に下層に混沌を作ってしまうんだ。そこに、お前らは落ちたんだよ」


 瓶を戻し終えたダンテはカイザに薬を飲めと急かす。カイザは慌てて先程渡された紙に口を当て、液体を流し込んだ。


「とんでもないことが起きたって……そういえば、サイはどうなったんだ」


 フィオールが聞くと、クリストフは眉を顰めて視線をそらした。カイザはゴクリと薬を飲み込み真っ白な紙を見つめる。クリストフは、はあ、と言って静かに口を開いた。そして、混沌で起きたことを全て話した。突如混沌が拓かれたこと。それを閉じるのには生贄が必要だったにも関わらず術が成功したこと。サイは世界が閉じる直前に光の中に消えたこと。世界が閉じようとしている時に、塔ごと壊れるような落雷が落ちたこと。


「それが……なんだ?」


 フィオールが聞くと、いつもなら面倒臭がるクリストフが嫌そうな顔をして言った。


「混沌を拓いたり世界を閉じたりなんて、神くらいしかできない」

「来てたってのか、神が」

「知るか」


 不機嫌そうにそっぽを向くクリストフ。


「それなら神様の存在一つで説明がつく。原因のわからないことがまだ幾つかあるんだ」


 ダンテはそう言いながらテーブルの上の本を開き、おもむろに割いた。


「君達三人のことだよ」


 カイザとフィオールは目を点にしてダンテを見た。ダンテは割いた紙に袋に入った粉をサラサラと出した。


「君達、何者なの」


 フィオールは無表情でスパッと言い放つ。


「…情報屋」

「盗賊と血の気の多い盗賊見習い」


 フィオールに続くカイザ。ダンテは粉をふっと二人に吹きかけた。


「ふざけないでよ」

「ふ、ふざけてなんか……」


 粉を手で払いながらフィオールが言うと、同じように手をパタパタさせていたカイザが言った。


「俺達は最近一緒に行動し始めたばかりだし、元々稼業もバラバラなんだ。何者かと聞かれても困る」


 ダンテはカイザを睨んだ。青い粉が舞う、黒い部屋。粉は光が当たると赤く煌めく。


「…僕はずっと下の様子を見てた。呪文を唱える前は出口の近くでぶっ倒れてたはずの男が呪文を唱え終わったらクリストフを抱いて祭壇にいた。まるで、瞬間移動だ」


 フィオールの表情が、固まった。


「見事に邪魔をされたよ。失敗したと思った。でも、成功してた。後から聞いたら術の犠牲……もとい、生贄になったのは子供の片目一つだったという」


 クリストフは眉を顰める。


「そして極めつけは君だよカイザ」


 ダンテの銀色の瞳が、カイザを捕らえる。


「トウコツの部屋から自力で出たばかりか雷を操り……党の軸となった光と一つになっていた」

「……」

「なんなの。君達は」


 カイザもフィオールも黙り込んでしまう。フィオールはその時のことを殆ど覚えていなかった。ダンテの問いはカイザが追い求めていたものであって、カイザ自身知るはずもなかった。答えようが、なかった。


「それに、業輪を追ってるらしいじゃないか。カイザは蘭丸とかいうヤヒコの手先にも追われてるんでしょ」

「蘭丸を知ってるのか」


 カイザが聞くと、ダンテは首を横に振って左手の甲を見せてきた。その小さな手には宝石や何やらが散りばめられた指輪が沢山はめられている。その中に、フィオールや蘭丸と同じ指輪があった。


「僕の指輪はちゃんとここにある。つまり、存在しないはずの3つ目の指輪を、蘭丸は持っていることになる」


 カイザがフィオールの手を見ると、小指にはめられていたはずの指輪は何時の間にか薬指にはめられていた。カイザの視線に気付き、フィオールは慌てて手を隠す。カイザは一瞬、ぽかんとしてしまう。


「鍵戦争が始まって早々、こんな不可解なことが幾つも起こるなんて……やっぱり、伝説の通りに世界は動いているのかもしれない」


 ダンテの呟きに、カイザは少女を見た。舞っていた粉はすっかり床に落ち、ダンテは悲しげに俯く。そして、部屋は静まり返る。答えようもないことばかりなうえ、それが自分自身に関することなのだ。二人はただ己を省みる。それで、わかるはずもないのだが。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー








「くっそー! 取れねぇ!」


 ダンテの手を拭いていたクリストフが布巾を床に叩きつけた。


「おい! 風呂入るぞ! 風呂!」


 クリストフはダンテの手を引っ張った。


「僕一人で入れない」

「あたしが入ってやる! 行くぞ!」

「え! ちょっと!」


 ばたばたと部屋を出て行く二人。それとすれ違いに、ルージュとオズマが料理を持って部屋に入って来た。


「賑やかですね。お二人はどちらへ?」

「風呂だってよ。ありがとなー」


 皿を受け取り、がっつくフィオール。オズマもカップを手に椅子に腰掛ける。その角隣にルージュも腰掛け、魔術書を開いた。カイザは煙草を捻じ消し、新しい煙草を咥える。


「……」

「……」


 気まずい。重たい空気が部屋いっぱいに広がる。料理を頬張りながら、フィオールは考えていた。







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー







「…フィオール」


 クリストフに優しく名を呼ばれ、フィオールは息を整えながらゆっくりと身体を離す。すると、クリストフが金の指輪を差し出した。


「これは、ルージュの……」

「サイズが大きいんだ。交換、してくれないか」


 照れ臭そうに笑いながら、クリストフが言った。フィオールは少し固まってしまったが、慌てて小指の指輪を外した。そして、クリストフの左手を取る。褐色の艶やかな手。スラリと伸びた指の先は、それはまた艶やかな爪が覆っている。フィオールはその薬指に、指輪をはめた。


「…あの蜥蜴……本当に、殴り倒したい……」


 恐ろしいことを言いながら、涙ぐむクリストフ。フィオールは抱きしめたい気持ちでいっぱいだったが、クリストフがそうはさせなかった。少女はフィオールの左手を取り、薬指に指輪をはめたのだ。それをぐずりながら見つめるクリストフ。


「お前が生きててよかった。あたしも死なずに済んで……よかった」


 限界だった。フィオールはクリストフを抱きしめた。


「クリストフ、好きだ」

「…何を、今更」


 二人は少し身体を離して、互いの目を見つめ合う。フィオールは少女の頬を伝う涙を、その指でなぞる。


「あたしも、お前が好きだよ。涙が出る程」


 そして二人は唇を重ね合う。互いの顔を寄せ付け合う激しくも傷だらけの、血の匂いがする口づけ。吐息と涙が混じり合う中で、二人は再び互いの顔を確認し合う。


「全て終わったら、一緒に暮らそう」

「……」

「まだ、悩んでるのか?」


 フィオールが切ない表情で問いかけると、クリストフは首を横に振って、微笑んだ。


「いや、山賊はガトーに任せてあたしは隠居する」

「この年で俺も御隠居か」


 フィオールも小さく笑った。少女はフィオールの手を撫でながら、呟く。


「お前がいれば、何でもいいさ」

「それ、俺の台詞だ」


 フィオールはクリストフの頭を引き寄せ、再びその唇に唇を重ねる。勢いでしかないのかと、不安に思うこともあった。それでも時折激しく熱くなる思いを胸に、ノーラクラウン以来の口づけで二人は確信する。これが、最後の恋になると。数々の女と関係を持ってきたフィオール。神以外に関係を持ったことのないクリストフ。これが最初で、最期の……恋になると。








ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー










 なんてことがあったなど、恥ずかしくて言えない。フィオールは料理を平らげ、顔を真っ赤にして黙り込んでいた。カイザには指輪を見られ、ルージュとオズマにもからかわれ。そろそろ自分から言わなくてはならないとわかっているのだが……恥ずかしい。

 などとフィオールが考えているのを他所に、ルージュはルージュで魔術書を読みながら気まずさを感じていた。原因はすぐ隣のオズマ。毛嫌いしているような態度を取ったがそれなりに和解したのでいい気分のまま潔く死ぬつもりだった……が。ちゃっかり生き残ってしまった。ここまで来てオズマに対し敵対心も何もないが、混沌での自分の態度を振り返ると……気まずい。

 などとルージュが考えている隣でオズマはコーヒーを飲みながら考えていた。ベリオットやリバーカインドで非協力的かつ挑発的な事を言っておきながら、彼らを救うためにこんな傷だらけになってしまった。ダンテが打ち解けているのに乗じてこのまま流れに身を任せようにも……混沌での必死感が漂う身体の傷が照れ臭過ぎる。

 などとオズマがカップに顔まで隠して眼鏡を曇らせている最中、カイザも阿保みたいな顔して煙草をばっかばっか吸っていた。いつもなら勝手にうるさいこの三人が何やら静かだったからだ。話しかけようにも、普段カイザは絡まれるばかりで特に話題を振ったことはない。そんなカイザはこの重たい空気に手をつけられずにいた。


「…誰か、いる?」


 フィオールは皿を落としそうになり、ルージュは捲っていたページを無表情で破いた。カップに鼻まで突っ込んでいたオズマはそのままコーヒーを吹き出し、眼鏡から黒い雫を滴らせている。カイザはシドの頭を撫で、言った。


「いるぞ。フィオールも、ルージュも、オズマも」

「そっか。話し声がしないから、僕置いていかれちゃったのかと思った」


 安心したかのようにホッと胸を撫で下ろし、微笑むシド。それを見たカイザ以外の三人は目配せをした。


「…オズマ、偏見でものを言ってすみませんでした」


 破れたページを撫でつけながら、淡々とルージュが言った。


「そうくるんだ。じゃあ……俺も謝らせてもらうよ。悪かった。みんなのこと見くびってたからね」


 眼鏡を拭きながらオズマが淡々と言った。すると、流れが読めたのかフィオールは皿を両手で持ったまま固まった。そして、言った。


「俺、クリストフと恋仲なんだ」


 フィオールがそう言うと、ルージュとオズマ、カイザの三人が呆れたようにフィオールを見た。


「知ってます」

「知ってるよ」

「最初からそうなると思ってた」

「嘘?! カイザは気付いてなかったんじゃ……!」


 カイザは眉を顰めて言った。


「だってお前、照れて本当のこと言う雰囲気じゃなかったじゃないか」

「ででっ、でも!」

「僕も知ってたよー」


 シドの笑顔に、フィオールは撃沈した。枕に顔を埋めてどんよりしている。


「情報屋の俺が自分自身のネタを勘付かれるなんて……しかもシドに」


 ルージュがクスクスと笑っている。オズマも笑いながら言った。


「シド君はこう見えて勘がいいからねー」

「こう見えてって、僕が馬鹿にでも見えるの?」


 シドはニコニコしながらオズマの方を向いた。オズマはへらへらと笑ってはぐらかした。

 一人先程よりも落ち込んでいる者がいるが、あの重たい雰囲気はシドが解いてくれた。いや、そこにいた全員が目の見えないシドを気遣ったのだ。自分達は言葉がなくとも互いの姿を目で確認できるが、今のシドは、それができない。シドの近くにいることを、一人ではないことを、声一つで表した。


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