45.生と死の葛藤は己を見つめねば乗り越えられない
白い壁一面に重苦しい剣や斧が飾られ、黒い格子の天井には鉄の燭台がぶら下がる一室。その奥、少し段差になっている上座にどっかりと座る男。その目の前に、少年が一人無表情で立っていた。
「御苦労だったな。お前は本当に腕がいい。切り口を見ればお前がやったとすぐわかる程だ」
男はテーブルに置かれた生首を満足げに眺め、言った。少年はそれを黙って見つめる。
「幹部でも話してお前にはそろそろ役職についてもらうことにした。昇格だ」
「ありがとうございます、マスター」
少年は軽く頭を下げた。
「昇格と言えば、シドも昇格させた」
マスターと呼ぶ男の言葉に、少年の眉がぴくりと動く。
「今だから言えるが、最初お前が拾って来た時は本当の弟かどうか疑っていたんだ」
「……」
「だが、年々顔も似てきた。殺しのセンスもある。間違いなくお前の弟だと認めた証に、若衆副団長に昇格させた」
「しかし、弟はまだ7歳。一団の中でも最年少で……しかも副団長なんて」
頭を上げて少年が言うと、マスターは笑いながら言った。
「お前が団長になるんだ。シドが副団長になるのが自然だろう」
「俺が?」
「そうだ。明日からお前は若衆団長。シドとお前で、若い奴らを引っ張ってくんだ」
「…でも、若衆じゃ俺とシドは一番年下で」
「歳なんか関係ない。実力がある者が上に立つのは当然のことだろう」
マスターは眉を顰めて少年を見下ろした。
「若衆団長のウィルは25。乙衆に混じって第四士団団長をやってるディーダの歳、知ってるか」
「…22です」
「総団長の俺は」
「……」
少年は黙って見つめる。
「…28です」
「悲しいことにな、世の中実力なんだよ。実力のある者が勝ち登り、弱い者は落ちる」
「……」
「実力だけで言えば、お前とシドならすぐにでも乙衆に加えてもいいんだがな。大事に育てるという意味でも早いうちに団員を率いる役目を学んでもらうことにした。遠くない未来、段階を踏んだらお前達には乙衆団長の座をやる」
少年はただ、真っ直ぐに見つめる。権力を目の前に差し出されても、その表情は全く変化を見せない。
「その次は幹部、その次は副総団長、そして最後は、この俺が座る椅子だ」
使い古された大きな鉄の椅子。重苦しく、暗い。
「お前達は昇り詰める。絶対にだ」
「……」
少年は深々と頭を下げ、踵を翻す。
「ああ、そうだ」
マスターの声に、少年は振り返る。マスターはひじ掛けに頬杖をついて壁の剣に視線を流す。
「言うのを忘れていたんだがな、ホワイトジャックには昇格に関して破っちゃならない掟がある」
「…掟、ですか」
「その座を譲る者、屍となりて異議を唱えるべからず」
少年は、立ち尽くした。
「つまり昇格をするにはその役職の奴が生きてちゃ駄目って事だ」
「ディーダさんが昇格した時には、何も」
「あいつの場合は前の第四士団団長だったケイトが幹部になったから、その穴を埋める形になっただけだ。ケイトはちゃんと掟を守ってその時の幹部を一人殺したぞ。上に上がるか、死ぬか。ホワイトジャックはそういう組織だ。ウィルみたいにいつまでも乙衆に加わることなく若衆でぴーちくぱーちくやってる奴は、下の者にその座を奪われる」
少年は俯き、黙り込む。
「やれないか?」
マスターは俯く少年の前に立ち、冷たく見下ろす。
「やれないからと言って、お前を殺したりはしない。そんな掟もないからな」
少年が顔を上げると、マスターは壁に飾られた剣を手にしていた。
「殺し屋稼業はいつ死んでもおかしくない。ウィルが死ぬのを待つのも手だ」
マスターは剣を持って椅子に戻り、剣を眺める。
「…全然違う話になるけどな、シドの最近の働きを教えてやろうか」
ちらっと少年を見ると、少年はまだ、無表情のまま。
「まず、一昨日はラート一味を皆殺し、昨日はジェノア社会長の暗殺。それと今日は…ホワイトジャック若衆副団長の暗殺と、若衆の口減らし。」
少年の目が、大きく見開かれた。その焦点はしだいに震え始め、瞳孔が開いてゆく。
「あいつは本当に使える。弟を拾って来た兄貴のお前には感謝しているぞ?」
マスターはニッコリと笑い、少年に向かって剣を放った。少年はそれを受け取り、一歩、後ずさる。
「お前らのどちらかがこの椅子に座ることになるだろうが……シドの方が、一歩近いようだな」
少年は後ずさる足を止めた。マスターは面白そうに笑って少年を見ている。少年は、ぺこりと頭を下げて部屋から飛び出して行った。廊下を駆ける少年の心臓は、その冷めた表情とは裏腹に張り裂けそうな程に鼓動していた。少年は荒い息を止めて、ある扉の前に立った。そして、ゆっくりとその扉を開く。そこは、若衆がざわざわと集まり食事をする広間。煙草と酒の匂いが充満している。少年はつかつかと中央の大きなテーブルに歩み寄る。そこに座っていた男が少年に気付いて振り返る。
「おう、仕事終わり。」
その瞬間。少年は男に持っていた剣を振りかざした。パンに染みつき、テーブルに飛び散り、透明なグラスに紅を刺す血しぶき。右肩から左脇腹までざっくりと切られた男。下半身は椅子に腰かけたまま、上半身だけがずるずると滑って床に落ちた。辺りは鎮まり返り、皆立ち上がる。そして、各々武器を抜いた。少年は殺気立つ若衆を見渡す。その視界に、一人、席に座ったままの人影が飛び込んできた。パンと咥えたままぽかんと少年を見つめていたのは、弟のシドだった。少年は剣を握りしめ、言った。
「死にたくなければ、俺についてこい」
若衆は顔を見合わせる。少年は、シドの方を向いた。
「マスターの命により、今日からはこの俺が若衆団長だ」
少年がそう言うと、シドはパンを落として嬉しそうに笑った。
「あいつが?」
「嘘だろ」
「でも、さっきシドも昇格したって聞いたぞ」
「あの兄弟はマスターに見込まれてるし……」
「ウィルよりいいだろ」
ざわざわと話し始める若衆。少年は、静かに言った。
「ついてくるのか、こないのか」
すると、一瞬静まり返って今度は新団長を称える声が響いた。酒の栓を次々と開ける音が飛び交い、足元の死体を見下ろす少年を囲んで歓喜の宴が始まった。シドはと言うと、楽しそうにその輪に加わっていた。少年はふと視線をあげ、扉の方を見た。そこには、笑いながら様子を眺めるマスターがいた。少年と目が合うと、マスターは小さく笑った。
「…明日からって言っただろうに」
そう呟いて、無言の少年と視線を交わす。その目は鋭く、冷たい。自分の椅子を狙っているのは確かだが、死線から発せられる殺意は明らかに屈折していた。マスターは鼻で笑い、無邪気に騒ぐシドを見た。
「どちらが俺の首をとりにくるのか、楽しみでならないよ。せいぜい弟に先を越されないよう努めることだな、サイ」
マスターは扉に背を向け、暗い廊下の向こうへと去って行った。
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クラクラする。顔を歪ませながらゆっくりと目を開くと、目の前に見知らぬ男が立っていた。しだいに、話し声も耳に入ってきた。
「シド!」
カイザの叫び声に、ゆっくりとサイは顔を上げた。
「フィオール……」
クリストフの力無い呟き。サイが男を見つめると、男の両脇には十字架に掛けられたシドとフィオールがいた。
「お前……!」
カイザが槍を強く握って前に身を乗り出すと、男はカイザに掌を向けて止まるよう促した。
「落ち着いてくれ。じゃないと、俺もこの人達に何しでかすか……わからないじゃないか」
ふっと笑う男。その周りに、黒い木片が浮かび上がった。その先端は、二人を向いている。カイザは踏み出そうとする足を止め、固まった。
「条件は一つだ」
男は空を見上げた。
「あの柱が消えたら、ここは新世界となる。そこに、君だけ残ってくれたらいいんだ、カイザ」
カイザは眉を顰めて男を見つめる。柱は最初より細くなっており、空の波紋は大きくなっている。クリストフは、鋭く目を吊り上げて男を睨む。
「そんな条件、飲めるか」
「だったら、この二人には死んでもらう他ない」
木片がシドとフィオールに勢いよく向かう。クリストフは二人の元へ駆けだした。
「残る」
木片の動きが、止まった。クリストフが振り返ると、俯くカイザが手を震わせていた。
「…俺が、ここにいればいいんだな」
「そうだ」
男は穏やかに笑う。少女は立ち尽くし、震える声で言った。
「馬鹿か……お前は。エドガーはどうするんだよ!」
「……」
「目覚めさせるって言ってただろ!」
カイザは顔を顰めて、俯く顔を上げた。
「…誰にも、死んで欲しくないんだ」
「だったらこいつをぶん殴って……!」
「あいつは人間じゃない! シドとフィオールに何かあったら……俺は、」
辛そうにクリストフを見るカイザ。そんな二人を、男は満足げに見つめる。
「カイザは利口だね。そこのうるさい女とは違って」
男がそう言うと、クリストフは振り返って男を睨む。男は、ふっと鼻で笑った。
「俺は彼が欲しいだけだ。こんな寂しい世界で死ぬ前に、カイザと僕らの愛を見つめたい。それだけなんだ。死してゆく者にせめてもの慈悲を与えるつもりで、早急に君達はこの部屋から出て行ってくれないか」
クリストフは黙り込む。しかし、その足は動こうとしない。
「言うことが聞けないのか? それは、条件を飲めないと判断していいのかな。」
木片が再び動き出し、一本がシドの腕に刺さった。クリストフは動けず、立ち尽くしてしまう。その重心は、少し下がっていた。少年は痛みに目が覚めたのか、顔を引き攣らせながら前を向いた。
「シド!」
「…カイザ……いるの?」
シドは消えそうな声で問いかける。
「ごめん僕、役立たずで……」
少年の窪んだ眼から、涙が溢れる。血で汚れた顔を伝い、白い地面に落ちてゆく涙。カイザはそれを見て、震える手を口に当てた。
「僕、生贄になるから……それで、許して」
「シド、何を言って」
カイザは小さく首を横に振る。
「お前は死ねない! そう、前にも話したじゃないか!」
「…そうだ」
カイザの叫びに同調する低い声がした瞬間、男の胸に大きな白い羽が突き刺さった。
「そいつらは……俺の獲物だ」
血まみれの腕をだらんと垂らして、左手に羽の刃を握るサイ。それを引きぬくと、サイはよろよろと立ちあがった。その髪はもう殆どが真っ黒で、背中の片翼も煙を吐き出しながら小さくなってきていた。
「…生きてたんだ。てっきり死んだものかと」
男は首だけで振り返り、サイを見る。サイが羽を振り上げると、男は木の上に飛び上がった。シドとフィオールもそれに合わせて宙に浮く。
「いいのか? 二人を殺しても」
「俺は全く構わない。それより獲物に手を出さないでもらおうか」
カイザは槍をサイに突きつけた。サイはそれを羽で受け止める。
「お前は大人しく寝てろ」
「そうもいかないんだよ。こうなってしまったからには」
槍と羽の間に、開いた鉄扇が下から割り込んできた。カイザの槍は弾き飛ばされ、サイの羽は散り散りになって消える。鉄扇を構えたクリストフが、サイの前に立ち塞がった。
「カイザ、お前はシドとフィオールを」
「だが、」
「こいつはあたしがやる」
カイザは少し黙って、小さく頷く。そして、木の上に飛び上がった。
「またお前か」
「また、あたしだよ」
クリストフはにやりと笑って鉄扇を振り回す。サイは羽を握り、後退りしながらやり過ごす。しかし、明らかに疲弊しているサイの足取りは、重い。
「どうした、力が無ければこんなものか!」
クリストフの鉄扇が、サイの傷ついた右肩を思いきり突いた。よろめいて、サイはその場に尻もちをついた。肩を抑え、荒い息をする。サイを見下ろし、クリストフはふん、と鼻を鳴らして言った。
「たまたまシドの力が切れて優位になったからって調子に乗るなよ。あいつの方が、お前よりはるかに強い」
少女の言葉に、サイの唇が震えた。
「シドの方が、天使の子を名乗るに相応しい」
「…俺が、シドに劣る?」
サイはゆっくりと立ち上がろうとした。しかし、少女は彼の右肩を容赦なく踏みつける。
「劣るどころじゃない。お前はあいつと同じ土俵にも上がってないんだ。周りばかり責めて被害妄想に浸って、格好つけて己が目的のためにシドやカイザを相手にしているつもりだろうが、違う。相手も何も見えてない、完全な独り相撲なんだよ! 気持ち悪ぃ!」
少女は、肩を踏む足に力を込める。サイは顔を歪めて、少女を睨む。
「思春期も抜け出せてないクソガキが、鍵戦争に首突っ込むな!」
少女が鉄扇を畳み、その先端をサイの鳩尾目掛けて振り下ろした。
「死んで、たまるか!」
サイが叫ぶと、その瞳が青く光った。そして、背中から溢れる煙が少女ごと包み込もうとする。クリストフは大きく飛び上がり、距離を取った。そして、飛び交う羽を鉄扇で弾き飛ばす。宙返りをして身軽に着地し、前を向く。白い煙に包まれ、青い目を鋭く光らせるサイが、そこにいた。
「俺は生きるために人を殺してるんだよ。シドを殺した時、やっと俺は……俺でいられる。」
「弟に存在を危ぶまられるような兄貴は、死んだ方がマシじゃないか?」
「生きたいんだよ、俺は。何に追い詰められることなく、心の安まるところで」
サイの背中から、白い翼が生えた。
「シドをこの手で殺した時、俺は辿りつくんだ……運命の至るべき場所に。」
クリストフが驚いた顔をしていると、サイの背後から羽が舞い散り、クリストフに襲いかかってきた。少女はそれを避けつつ、サイの懐目掛けて駆け抜ける。
「頭の悪いお前に、そこがどこか教えてやるよ!」
少女は飛び上がり、サイの顔面目掛けて足を振り下ろす。
「命あるものが最終的に至る場所……それは、墓場だ!」
轟音と共に、クリストフとサイは煙に撒かれた。ピシピシと罅が入る音が響き、光で溢れる辺りは少し陰る。白い煙は、空に向かって薄く伸び、雲になった。
木の上に飛び上がり、男を追うカイザ。木の天辺で、男は足を止めた。そして、ゆっくりと振り返り、カイザを見る。
「君の返事をもう一度聞こうかな」
男はにやりと笑い、掌を上にして手を前に出した。すると、シドとフィオールが男の前に並んだ。
「…カイザ」
シドが弱弱しく口を開く。カイザはじっと、向こうの男を見つめる。
「僕のことは、いいから。使い物にもならない僕なんか……だから、早く」
「シド、俺はお前の保護者だ。目を抉られようが、四肢を切り落とされようが、俺はお前の側にいる」
男の笑顔が、ふっと消えた。カイザは槍を自分の首に向け、言った。
「そいつらが死ぬなら、俺も死ぬ!」
男は溜息をついた。
「できれば話し合いで解決したかったんだが……」
「力づくでなら解決できると思っているなら、それは勘違いだぞ」
「深傷の君に、何ができる」
男がそう言うと、木の枝がざわざわと伸び始めた。
「交渉、決裂だね」
枝の先がカイザに向かって降り注ぐ矢のように伸びてきた。耳を突くざわめきに、シドが不安気な顔をする。
「カイザ……カイザ!」
カイザは枝を避け、槍で払う。しかし、あまりの数の多さに足を貫かれた。
「捕まえたよ、カイザ」
よろめくカイザに向かって一斉に枝が伸びる。カイザが眉を顰めた、その時。黒い煙が枝を包み込み、爆発した。その煙の先は、シドの背中に繋がっていた。カイザは構えていた槍を引っ込め、苦しげに息をするシドを見た。男も眉を顰めてシドを睨んでいる。
「…君、見えてないんじゃないの?」
男がそう言うと、シドは小さく笑った。
「勘だよ」
男はシドから視線を外し、無表情で人差し指を立ててふいっと横に振った。すると、枝が二人の十字架に絡みつき、二人を吹き抜けの天井から外へ放った。
「シド!」
カイザが飛び上がり、二人に手を伸ばした。
「…ありがとう」
穏やかな声。血に塗れた顔で、安らかな笑みを浮かべるシド。天井はみるみる狭くなり、ついには、シドとカイザを隔てた。緩やかな円を描く天井に手をつき、カイザは黙り込む。
「あの子凄いねぇ、死にかけだってのに力振り絞って君を助けるなんて。涙が出そうだ」
男は鼻で笑い、カイザを見た。少し上方で、男に背を向けたまま立ち尽くすカイザ。槍を握るその手は、震えている。
「…もういいだろ。先の見えない未来より、幸福な死に身を委ねようじゃないか。二人で、愛しい人を抱き締めながら」
木の枝が緩くうねりながらカイザに近付く。
「俺はもう自分の未来を卑下しないと決めたんだ。あいつらが生きている限り」
カイザが目の色を変えて振り返った。その瞬間、どこからともなく雷が落ちて木の枝を焼き尽くしてゆく。カイザの髪が逆立ち、音をたてる電気が彼を包むように走る。
「それを、お前が!」
「俺が? どうしたのさ」
男が手を交差させると、木の枝が縦横無尽に空を裂き、カイザを捕らえようとした。すると、カイザの姿がふっと消えた。男は驚いて辺りを見るが、彼の姿は見当たらない。
「お前が、ぶち壊したんだよ!」
男が振り返ると、目の前に電気が集まり、カイザが現れた。カイザは槍に力を込め、男の胸を突き上げた。男は槍を握り、血を吐く。それはカイザの顔に滴った。
「…壊れたのなら、諦めればいいだろ」
「諦めない。そして、許さない」
冷たいカイザの視線。その目が、青く光った。それを見て、男の表情が固まる。カイザが槍を強く握ると、カイザの手元から大きな雷が上に向かって放たれた。それは天井を突き破り、男を飲み込んでゆく。焦げ炭のように散ってゆく男は、カイザを見下ろしていた。
「…そうか、彼が。いや、あの人達……か?」
男は諦めたように笑うと、さらさらと、空に散った。天井に出来た穴から罅が広がり、光の壁が割れる。すると、粉々になった壁が光の粒となって柱を螺旋状に駆け上る。それと共に、柱も下から消えて、波紋の中へ飲み込まれていった。カイザはそれを見つめながらゆっくりと木の上から落ちてゆく。何に逆らうこともなく、ただ、ゆっくりと。