38、俺の隣
サツキ視点となります。
「・・・・皆様、本日のメインイベントッ!婚約者発表でございます。」
(ざわっ・・・・)
妙にハイテンションの司会が告げる・・・。ついにこの時が来た。
『誰が選ばれるのか』
『次期正妃は誰か』
会場の空気はそんなので満たされている。特に婚約者候補の姫たちは気になるだろう。
この日のために、レオに選ばれるために来たのだから。
「・・・今日は集まってくれたことに感謝する。さまざまな国から・・・・」
レオのお決まりの演説が始まった。
そしてあたしは、期待に目を輝かせる姫たち、不安に目をつぶる姫たちを見ながら少々胸を痛めていた。
『選ばれる可能性がある地位に居れるなんてずるい』
暗い感情が芽生える。
こんなこと思っても仕方がない。頭でわかっても心は正直だ・・・つか、正直すぎるくらいに、嫉妬心が溢れ心が埋め尽くされる。
「サツキ。」
「・・・・・リラ。」
「泣いちゃだめですよ。」
「サラ。」
「せっかく綺麗なのに、お化粧が崩れてしまいますわ。」
「ごめん。」
「「それに」」
「サツキちゃんに涙は似合わないしね☆」
「・・・・・・」
このシリアス&感動のシーンに不釣り合いなほど軽い声がした。
そして、その気障なセリフは
「アイム様・・・貴方って人はっ・・・・」
「空気ってものを読んでいただきたいですわっ!!」
二人を怒らせてしまったらしい・・・。
・・・ただいまコテンパンにやられています。
「・・・・アハハ・・・ハハハハハハハ!!」
「「「?」」」
「いやー、悩んでるのがばからしくなってくるね。」
「そうですよ。第一サツキが悩む必要などないんです。」
「ええ、だって「ハイ。ストーップ。」ムグッ!」
「そこからは、言わなきゃいけない人がいるでしょ?」
「そうですよ、リランキルト様。」
「まったくもう。さっきも止めたでしょ。ちょっと黙ってなさい。」
「アイム・・・リラが窒息死するまに手を放してあげて・・・・。」
「あ、ごめん!」
「ぷっはーーーーーーーーーーーーー!何しやがるん(ry」
・・・・・・・・・・・・・・・・。
「今まで俺は」
あれ?さっきまで一人称「私」だったのに。
「正妃を選ぶとか、面倒でずっと避けてきた。まだ若いし、いつか選べばいいと思ってた。でも、今回は違った。」
「俺の隣にいてほしい・・・本当に愛しい女性が見つかった。」
会場が一気に騒がしくなった。
でも、あたしはそんなの気にしていられなかった。
「大事にしたいと初めて思った女性が見つかった。」
レオと目があってしまった。
まさか・・・・・ね?
「これから先・・・ずっと・・・。俺の隣にいてくれないか?」
「サツキ―――――――――――」
読んでいただきありがとうございます。
ついに、告った!レオ、えらい!
次話もよろしくお願いします。
アイム:「もーさぁ・・・じれったかったんだけど。真面目に。」
ライラス:「ホントだよな~。二人とも明らかに両思いなのにさ・・・。」
アイム、ライラス:「ま、面白いからよかったけど~。」
アイム:「つか、あの鬼ごっこのコトの顛末どーなった?」
ライラス:「気になるよな。・・ってことでおそらく本編後の番外編でやるかも!」
アイム:「お楽しみに~」