『バカ』って言った方が馬鹿なんだよ!って、もしかして本当かも!?
子どもの頃に口喧嘩で一度は言った思い出も多い。『「バカ」って言った方が馬鹿なんだよ』。便利な返しだなと思っていました。ちゃんと裏付けがある言葉みたいです。
「『バカ』って言った方が馬鹿なんだよ!」
これを真剣に検討してみようというエッセイです。
そもそもバカとはなんでしょう?
とりあえず、頭の良い人の反対と定義します。
それでは頭の良い人とは?
行動遺伝学の研究者、安藤寿康氏の説です。
「今まで、自分が経験したことのない状況でも、情報だけで解決策を思いつく人」
そういったシュミレーション能力が高い人を安藤寿康氏は『知的推論能力が高い』と評し、頭が良い人と定義しています。
私は名探偵シャーロック・ホームズが浮かびました。
また解剖学者の養老孟司氏の書かれた平成のベストセラー『バカの壁』。作中で他人の立場を理解できる人の事を「教養がある人」だとしています。
同じく脳科学者の中野信子氏も著書で、「他人や未来のことまで見通せる人は成功する」といった内容を書かれています。
また、ビックファイブ理論と言う説でも同様です。他人の気持ちを推し量れる人(共感力)や計画的に物事を勧める能力(誠実性)が高い人。そういった人は生まれつきの能力である知能指数が高くなくても、成功者になりやすいと研究結果が出ているそうです。
『知的推論能力』が、キーポイントなのは間違いないようです。
さて一番最初に戻ります。
「バカっていうやつが馬鹿なんだよ」
他人をバカだと思ってしまう瞬間。それは、相手の行動原理がわからない時ではないでしょうか?
イソップ物語のアリとキリギリスに例えます。
夏の間、アリが餌をせっせと巣に運び込むのをみてキリギリスが一言。
「バカだな。周囲に餌があるのに、わざわざ運んで巣に保管するなんて」
これはキリギリスが、数か月後の先を見ていないからです。
(先見性)
冬になり、食べるものが無くて困っているキリギリスを見てアリが一言。
「バカだな。夏の間に歌ってばかりいるから」
これはアリが、キリギリスが歌っているときにどれだけ幸せだったか。自分を表現できる喜びに打ち震えているか気持ちを理解できないからです。
(共感力)
自分が経験したことのない状況でも、情報だけで解決策を思いつく人。
未来を見通し、他人の気持ちがわかる『知的推論能力』が高い人は他人をバカにしません。
だからこそ、「バカっていう方が、馬鹿なんだよ」という言葉に真実味が出てきます。
ちなみにこの知的推論能力は、後天的に伸びやすい能力だそうです。
知的能力を測定できると有名な知能検査。いわゆるIQテスト。このIQは遺伝の影響が大きいそうです。
しかしノーベル賞受賞者を受賞する科学者でさえ、IQが全員ずば抜けて高いわけではありません。
例えば量子力学の専門家でノーベル物理学賞受賞者のリチャード・ファインマン氏のIQは125です。
IQが平均以下の私からすると、125でも凄いと感じます。
しかし割合的には公立中学校で、学年に2人か3人はいる計算になります。
トランジスタを発明した物理学賞受賞者のウィリアム・ショックレー氏も125~129です。
なろう界隈なら、もっとIQが高い人がゴロゴロいるのではないでしょうか?
ちなみにノーベル賞受賞者への調査の統計。家庭環境が複雑だったり貧しくて、苦学した人物が多いと結果があります。
困難を乗り越える中で、知的推論能力は上がっていきます。
知識や経験が増えれば、先を見通す計画性が生まれます。他人を気遣っていくと共感能力も高くなります。
実績を積み、経験を重ね、社会的に能力を認められていく。
その過程で「あの人は頭が良い」と言われるようになっていくのでは?
という訳で、「あいつバカだな」と言いたい人を見かけたら深呼吸。
『もしかして、俺らにはわからない理由があるかも』
と様子を見るのはどうでしょう?
おまけ
本エッセイを書いた理由
幼少期から人に笑われ続けて、もうすぐ半世紀。
そろそろ……もうアラフィフだし……(そっと、ため息をつきながら)
という訳で、自分を変えずに世の風潮を変える作戦に出ました~!
※現実から目をそらす作戦とも言えます。
100%個人的な動機で書いたエッセイにお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
参考にした書籍。
生まれが9割の世界をどう生きるか 著 安藤寿康氏
科学がつきとめた「運のいい人」 著 中野信子氏
バカの壁 著 養老孟司氏




