クリムゾン・ソウル(18+)ワンショットライトノベル
タイトル:クリムゾン・ソウル(18禁)ワンショットライトノベル
あらすじ:
18禁
家族に裏切られ、愛した人に拷問され、人間ではない何かに変えられた。
イスタマ・ユウタは神になることを望んでいなかった――だが、今や彼は神となり、この世界を焼き尽くす。
これは、痛み・力・不死、そして「感じる」という意味を思い出すことの残酷な代償を描いた、歪んだ物語。
【ホラー・SF・グロ・18禁】
「ねえねえ、総理大臣!あなたの物語——禁止されましたよ。人々は激怒してます!あなたのことをサイコパスだって叫んでる!」
「精神的・肉体的な拷問だらけで…何考えてたんですか!?」
男は椅子にもたれながら、落ち着いていた。
「ふん…こうなることは分かってた。俺は本当の物語を出版しただけだ。みんなそれで発狂した。」
彼は助手に視線を向けた。
「さて、聞け。」
「はい、総理?」
「記者会見を準備しろ。」
「えっ?でも…人々はまだ怒ってます。落ち込んでる人も…あなたの本を読んで…」
「準備しろと言ったんだ。わかったか?」
「…承知しました。」
数時間後——
フラッシュが光る中、彼は群衆の前に立っていた。すでに怒りの声が飛び交っていた。
「さて、地獄に落ちる準備はできたな。」彼は微笑しながらつぶやいた。
そして、群衆に向かって話し始めた。
「やあ、元気か?俺の物語、楽しんでもらえたか?」
「黙れ!お前何を書いたんだよ!?」
「うちの子はあれを読んで正気を失ったぞ!それでも満足か!?」
「家に帰って首でも吊れ、この変態野郎!」
「そうだ!お前なんか最低だ!」
彼は手を上げて声を張った。
「いいか、これだけは言わせろ。黙って、俺の話を聞け。お前ら、最後までちゃんと読んだのか?読んでないだろ?だったら、本当のバージョンを語ってやる——最初から最後まで。これを聞いたあとで、俺の言葉をねじ曲げる理由はなくなる。」
「いいだろ!だったら話してみろ、この狂人め!聞いてやる!」
彼はまっすぐに群衆を見つめた。目は静かに、だが燃えていた。
「よし。これは作り話じゃない。本当にあった出来事だ——四千年前の話だ。そしてその始まりは、一人の少年からだった……まだ四歳の少年から。」
彼の声は低くなった。
「その名は、イスタマ・ユタ。ツミ家の五男だ。兄が二人、双子で十九歳。姉が二人、こちらも双子で二十歳。一人の母親。一人の父親。」
「生まれたとき、彼は家族の中で一番愛された子だった。でも賢者たちは言う——“幸せは長くは続かない。”」
「四歳のとき、何かが変わった。家族全員が彼と口をきかなくなった。挨拶も、優しさもなく。ただ、“家にいろ”“静かにしてろ”とだけ。」
「理由はこうだ。家長だった祖父が亡くなった。そして遺言には、イスタマにすべての財産を相続させると書かれていた。全ての資産、土地、家業も。」
「葬式のあと、数日間だけ彼らは優しくふるまった。映画を見たり、ゲームをしたり、歌を歌ったり。本当の家族みたいに。でも、それは全部——偽りだった。」
六歳の誕生日。
家族は彼に一枚の書類を差し出した。
「ここにサインしてね」と作り笑いを浮かべて言った。
彼はまだ小さく、純粋だった。信じていた。だから…サインしてしまった。
その後、兄弟姉妹は一人ずつ部屋に入り——彼を平手打ちした。
「身の程をわきまえろ!」
「黙ってろ、このバカ!」
「お前は道具にすぎない!」
イスタマは、困惑しながら立ち尽くしていた。頬には手の跡。心は痛みでいっぱいだった。
何が悪かったのか、わからなかった…。
後で彼が理由を聞くと、母親はただ笑って言った。
「お前が相続する財産が欲しかっただけ。それだけよ。私たちは最初からお前を家族なんて思ってなかった。ただの玩具よ。」
イスタマは——優しい少年だった。すぐに許した。
それでも笑った。痛みをこらえて。
学校でも同じだった。友達と呼んでいた者たちも、彼を利用していただけだった。お金、物、手伝い——すべて与えた。
ある日、彼はその「友達」が陰で自分をバカにしているのを聞いてしまった。
彼は静かに立っていた。
そして……また許した。
家族を許したときのように。
その夜、家に戻ると、家族に「部屋に行け」と言われた。
ドアを開けると——
壁は紙で覆われていた。手書きでこう書いてあった。
「死ね。」
「死ね、このブタ。」
「お前はバカだ。」
字は明らかに兄弟姉妹のものだった。
部屋は荒らされていた。明らかにわざとだった。
それでも——
数分後、姉が偏頭痛で倒れた。
イスタマは、立ち去らずに助けた。頭をマッサージし、水を持ってきた。
兄たちも同じ。何度でも助けた。
毎日、誰がどれだけ残酷でも——彼は助けた。
そうして一年が経った。
ある日、彼はまた聞いてしまった。
「ねえ、うちの弟——」
「弟って呼ぶなよ。あのバカからあと一回サインもらえば、終わりなんだから。」
「うちの子たちは賢いわ~」
「ありがとう、ママ~」
イスタマはドアの裏で震えていた。
心が……死んだような気がした。
でも……今日は部屋で休もう。
翌朝——
「兄さん、姉さん…あの書類持ってきてくれる?早くサインしたい。」
「え?聞いてたのか?」
「どうでもいいでしょ。どうせそうする予定だったんだし。」
「その通り。ほら、これにサインして。」
「うん…終わったよ。他にある?」
「あるよ。手を出せ。」
「え…?わかった…」
バンッ!
「この家から出て行け、このクズ野郎!!」
「こんなことになるってわかってたよ。じゃあね。元気で。」
「待て!」
母親が近づいてきた。
「この靴でも顔にくらってから行きなさい。…あんたなんか、最初から生まれてこなきゃよかったのよ!」
イスタマは立ち尽くしていた。
ああ…胸が…痛い…でも大丈夫…
行こう。
外では、声が響いていた。
「見ろよ!本当に追い出された!」
「やっとだな!哀れなヤツ!ハハハ!」
「これでも食っとけ、ガキ!」
「骨!?骨やったのか?ピッタリじゃん!ハハハ!」
イスタマはうっすらと笑った。
うん…こうなるのは、予想してた。いつかは。
彼は骨を拾った。
これ…必要かもな。どこか座れる場所を探そう。
そのとき——誰かが彼の手首をつかんだ。
「おい!何してんの?ついてきなよ。」
「え…?君は誰?」
「バカ、同じクラスでしょ!覚えてないの?アヨイ・キワタリよ。…ずっとあんたが好きだったの。」
「なっ…?」
「でも今はどうでもいい。今すぐついてきて。これからは、うちで暮らしてもらうから。」
「えっ…本当に…?俺、どう返せばいいか…」
「返してもらうよ。」
「えっ、それって…?」
「私と結婚してもらう。」
「な、なに!?け、結婚!?俺、鈍感だし、君は…すごく綺麗で、それに…」
「黙れ。あんたはもう私のもの。私はあんたのもの。いいね?さあ、行くよ。」
「あ、ちなみに…私、この街で一番の金持ちだから。」
「えっ…?マジで…?」
「本気よ。」
後日、突然の結婚後——
彼らは彼女の豪華な家で、ふたりきりで座っていた。
「えっと…今夜が初めての夜だね、イスタマ君。」
「う、うん…俺は18になるまで待とうと思ってたんだ…少なくとも…」
「それがあんたの望みなら…待つよ。」
そして、彼らは待った。2年が経った。
彼の18歳の誕生日——
「ねえ、イスタマ…もう私たち二人とも18歳だよ。」
「ああ…じゃあ…始めようか。」
——そうして、二人は結ばれた。
次の日
「いってきます、ダーリン!家と体、気をつけてね!」
「うん!気をつけてね!」
【場面:雨と裏切り】
ピンポーン…
「え…この時間に誰だ?」
イスタマはゆっくりドアを開けた。そこには、見覚えのある二人が雨に濡れて立っていた。
「…姉さん?君も…?」
二人は濡れたまま、震えていた。目は…妙に静かだった。
「雨なの。少しだけでいいから…入ってもいい?」
イスタマは一瞬ためらったが、うなずいた。「いいよ。乾いた服を持ってくる。」
数分後——
「もしよかったら…君の部屋で待ってていい?」
「うん、いいよ。コーヒーも持ってくる。」
彼は飲み物を準備しにキッチンへ向かった。
戻ってくると、彼は二人にカップを渡した。「どうぞ。熱いから気をつけてね。」
「ありがとう。ねえイスタマ…目を閉じてくれない?」
「え…?う、うん…」
…
…
突然——頭に激しい痛みが走った。重い何かが意識を締めつける。
「うああっ…頭が…なに…?」
彼は倒れた。
後に…
イスタマが目を覚ますと、混乱していた。目の前には…脱いだ服の姉たちが、奇妙な笑みを浮かべていた。
「な、何が起きたんだ?!」
「本当に覚えてないの?」一人が甘く言った。「すごかったわよ…私、溶けそうだった~」
もう一人がにやりと笑った。「野獣みたいだったわよ。自分で撮影までしてたし。」
「なっ!?そんなこと…俺がするわけない…!」
「信じられない?これを見なさい。」
一人が携帯を見せる。そこには動画が——イスタマの目は見開かれた。
「違う…これじゃない…!君たち、何をしたんだ…!?」
「今度は責任取ってもらわなきゃ。私たちの子供のために。」
「でも…俺たちは兄妹だろ…!」
「だから何?」
突然——
ドアが乱暴に開いた。
「イスタマ!!」
「アヨイ!?待って、違うんだ!信じてくれ!」
彼女はイスタマをじっと見つめた。その目は、澄んでいて、揺らがなかった。
「信じてるわ。」
「ほんとに…?」
「あなたは誰も傷つけない。私はそれを知ってた。だから…彼女たちが何か仕掛けてくるかもしれないって、予想してた。」
彼女は姉たちの方を向いた。
「出て行きなさい。今すぐに。」
「私たちが気にすると思ってる?手に入れたものは手に入れた。金と力。」
「いいわ。お金は持って行って。でも彼を…これ以上苦しめないで。」
姉たちが去った後——
イスタマは廊下で崩れ落ちた。震えていた。
「まだ…俺のこと、信じてくれるのか、アヨイ…?」
彼女は微笑み、彼の横に膝をついた。
「信頼のない関係なんて、偽物よ。私たちは違う。本物。真実。だから……もう家も買っておいたの。」
「家…?」
「他の国に。新しい生活。ついてきてくれる?」
彼は涙をぬぐった。
「どこへでも。一緒なら…どこでもいい。」
「よかった。じゃあまずは…本物のコーヒーでも飲む?」
彼は静かに笑った。「今度は…薬、入ってないよね?」
【研究所の中|失われた魂】
イスタマは鎖につながれ、意識がかろうじてあった。体中には傷跡が残り、注射の痕、実験、拷問——
毎日、科学者が戻ってきた。そしてアヨイもいた。今は…野望と狂気に染まっていた。
「あなたは鍵だったのよ、イスタマ。永遠の命の。」
彼は返事をしなかった。できなかった。魂はすでに死んでいた。
ある日、科学者が奇妙な物体を忘れていった——わずかに光る、封じられたカプセル。
「失敗作だ。食えたもんじゃない。」
でも、イスタマは……必死だった。
彼はそれを砕いた。
そして——食べた。
【再誕】
激痛——そして静寂——その後、明晰さ。
彼の傷は癒えた。
視界は研ぎ澄まされ、
痛みは——消えた。
彼の体は変わった。
もはや人間ではなかった。
怪物でもなかった。
それは…それ以上の何か。
【場面:世界の崩壊】
彼は逃げ出した。
『アヨイが、もはや人間ではなくなった男に近づく』
「ごめんね。でも…あなたを殺さないといけない。」
「えっ?なぜだ。」
「黙れ、ビッチ。俺は一度もお前を愛してなかった。欲しかったのは魂じゃない、お前の体と金だ。ずっと逃げるつもりだった。でもお前が俺をこんな場所に連れてきた。死ね。」
「そんな…私たちは夫婦よ。ずっと一緒にいたいって、そう思ってただけなのに…なにが悪いの?」
「もういい、黙れ。死ね。」
『彼は彼女を炎で焼いた』
『その瞳から涙が流れ始める』
「…ごめん。でも、もう君は死んだ。俺がやるべきことがある。」
「なあ…悪魔よ、聞いているか?もう一度お前と契約する。俺のすべての善行を彼女に渡してくれ。そして彼女の罪はすべて俺に移せるか?」
『突然、どこからともなく声がイスタマの頭に響く』
「…望むならば、それを叶えよう。ただし、我らの契約を覚えているか?」
「わかっている。」
『そして彼は研究所を燃やした』
『都市を破壊した』
『次々と、国を滅ぼしていった』
その痛み…裏切り…それは叫びよりも深く響いた。
ひとつ、またひとつと、都市がその手に沈んでいく。
復讐ではなかった——虚無だった。
「生きることが苦しみなら、俺がすべてを解放してやる。」
それを——“慈悲”と呼んだ。
でも、それは——“破壊”だった。
数日後——
最後の一国を残して、世界は滅びた。
【国境にて】
彼は丘の上に立っていた。眼下には最後の未踏の土地。
山々。森。家々。人々。
彼は拳を握りしめた。実験の痕跡は今も体に刻まれていた——だが、痛みはもう感じなかった。
すべてを忘れていた。
——その時。
「お兄ちゃん?」
彼は視線を落とした。
小さな少女が、彼のマントを引っ張っていた。
「おうちの場所がわからなくなっちゃったの。道を教えてくれる?」
彼は瞬きをした。その目は…無垢だった。かつての自分を思い出させた。
「…君は…俺が世界を壊した男だと知ってるか?」
彼女はうなずいた。「うん。でも、あなたは悪くない。傷ついてただけ。」
彼は息を飲んだ。
「名前は…?」
「イスタマ・アキト。」
彼の心が、ずきんと痛んだ。
「…イスタマ?」
彼女はにこりと笑った。「あるお話のヒーローの名前を取ったの。」
【贖罪】
彼は無言で村まで彼女を連れていった。
「俺を…憎んでないのか?」
「ううん。だって…泣いてるじゃない。」
自分でも気づかなかった。顔には…本物の涙が流れていた。
「たぶん、俺はもう感情を忘れてたんだ。でも…思い出させてくれてありがとう。」
「ねえ…」
「ん?」
「後ろ、見てみて。」
イスタマはゆっくり振り向いた。
誰もいなかった。
だが、声がもう一度囁いた。
「私は…君の中にいる。」
「…なんだと?中に?」
「そう。君が摂取した…あの光る核。あれはただの実験体じゃなかった。私だ。私の一部だ。」
「おまえは誰だ?」
「君がそれを食べて以来、私はずっと君の中にいた。君の思考、怒り、後悔、死への願い——すべて見ていた。」
「じゃあ…今の俺は…何なんだ?」
「器。武器。王座。」
「なぜお前の声がまだ聞こえる?お前は…死んでるんだろ?」
「死んでいるかもしれない。でも、私の意志は残っている。魂が重すぎて消えられなかった。だから、こうして君の中で囁いている。」
イスタマは膝をつき、頭を抱えた。嘲笑が雷のように響いた。
「じゃあ教えてくれ。なぜ俺は何も感じない?」
「君の魂は、私の魂と融合したからだ。私はかつて神だった——だが、裏切られ、拷問され、堕ちた。信者の絶望が私を蝕んだ。」
「そして私は…ソモカ・ドゥオロとなった。」
「そう。君が自分に与えたその名前。それはかつて私が名乗っていた、失われた名の残響。」
【ヴィソーンの呪い】
「私たちには死はない、イスタマ。ただ反響だけ。君は最後の子を喰らうまで死ねない。」
「そして…もし一人でも生き残れば——」
「その者が新たなクレティピリスの王となる。」
イスタマは拳を握りしめた。
「…つまり、この呪いは俺だけのものじゃない。お前から始まったんだな。」
「そうだ。そして、君がそれを終わらせるのだ。」
「どうすればいい?」
「選べ。呪いを受け入れ、続けるか——それとも、私を滅ぼして終わらせるか。」
「じゃあ…もういい。世界からお前を忘れさせてやる。」
——続く。
タイトル:クリムゾン・ソウル(18禁)ワンショットライトノベル
あらすじ:
18禁
家族に裏切られ、愛した人に拷問され、人間ではない何かに変えられた。
イスタマ・ユウタは神になることを望んでいなかった――だが、今や彼は神となり、この世界を焼き尽くす。
これは、痛み・力・不死、そして「感じる」という意味を思い出すことの残酷な代償を描いた、歪んだ物語。
【ホラー・SF・グロ・18禁】