可憐なカレンダー
なろうラジオ大賞6の参加作品です。
俺はカレンダーを見て、にやにやしてしまう。
前までは真っ白なカレンダーだった。
何月何日何曜日の確認するためだけに使われていたカレンダー。
それが今ではハートとお花だらけだ。カレンダーの中が。俺の頭の中が。
俺の仕事は工場勤務で早番、中番、遅番がある。
カレンダーに仕事の予定を書き込むとその下に【がんばって☺︎】や【手作りお弁当の日♡】など、丸っこい字でメッセージやメモが書かれている。
彼女とデートの約束していないが、日付の数字の7の周りにお花が咲いている。
多分、この日はデートの日だろう。
俺に彼女ができて1ヶ月が経つ。
彼女は俺の家に来るたびにカレンダーに何かを書き残す。
そのカレンダーを見ては、にやにやが止まらない。
可愛いなと思う。
カレンダーを見ながら彼女を想う。