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星が落ちた空を見上げる者よ  作者: 鳴誠
何も無い黒
4/19

暗闇に居るは静かな呼吸

遅くなりました!

最近Xアカウントを作りました。鳴誠です!

FGOの話しかしてないけどね!

この世界には夢のような生物が数多く存在する。

空を飛ぶ人型の生き物や二足で歩く狼。

羽根を生やしたライオンや巨人のような生き物まで。

人間にはどうしようもできないほどの生き物がこの世では命を燃やして生きている。


そしてその生き物たちにも群れがあり、個があり、考え方がある。他種族の中にも知能が高いもの、本能で動くもの、機械的に動くものが存在する。


「他と少し違うから迫害され、知能があるから気味悪がれる。何故俺なんだ。何故・・・()なんだ・・・。」


一定の速度で歩く足音が段々と遅くなる。

足音からして二足歩行のなにかだろう。

それはゆっくりと歩き、洞穴の中へと入る。

暗い洞穴は冷たいが暖かい。

恐ろしい目を向ける訳では無い。

同情する訳でもない。

上っ面で接してくることもない。

だから洞穴は冷たいが暖かい。


誰も()を愛さない。

誰も()を見ていない。


「あぁ・・・神よ・・・何故僕なんだ・・・」


暗い洞穴の中から聞こえるのはすすり泣く音と嗚咽。

それはこの世界とどうしようもない自分の個性への恨みと絶望、悲しみが入り混じる。


神は個人を見ない。

神は一人を愛さない。

神は観察はすれど助けはしない。

なぜなら、そんな絶望に抗うのを見るのが大好きなのだから。


それを知るものは()()居ない。

誰もそれを思うこともない。

神というものへ縋ることを許さない。

しかし稀に居る。


「神」という存在を認識する異端が。

それは数百年に一度。

いや数十年に一度。

どこかで必ず生まれるようになってしまっている。


この世界は狂っているのだ。

ずっとずっと昔から。

または、神への反抗なのだろう。

世界という一つの意思が行う唯一の抗い。

しかしそれを知るものはおらず。

誰も自分が勇者だと思わない。


人間という生き物は自分が大事で優先するものなのだ。

人の為に自分を犠牲にするなんてことは殆どの人間には出来ぬ芸当なのだ。


これが人間と他種族の違いであり、個性なのだろう。

それは人間という生き物に高い知能があるからだ。

高い知能がなければ劣等種なのか?

そんなことは無い。なぜなら人間は知能があるだけで身を守る術は人間にはない。

人間の作る武器が、家が、城壁が。

人間を守る外付けの武器となる。


「あぁ・・・こんなもの欲しくなかった。」


嗚咽と呻きは留まることを知らず。


雨が降り出す。

その雨はやがて豪雨になり、嗚咽と呻きを隠した。

誰にも見つからない暗い洞穴の中で一人の何かが壊れる。

希望と夢が全て。静かに。壊れる。



ご拝読頂きありがとうございます

感想等頂けると励みになります!

最近はFGOと棒コンビニの揚げ鶏にハマってます

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