昇り堕ちる龍
カクヨムも始めました
こちらも頑張ろうと思います
けたたましい警報が頭の中で鳴り響く。
その声は重く、ただの言葉だけで膝を着いてしまいそうな。
『初めまして。この世界が選ぶ◼️◼️よ。』
なんだ?
この重さは。この言葉と言う重圧は。
ただ目の前にいるアレは口を開いてもいない。
これは直接頭に話している。
そして周りを見るに俺だけに直接声をかけている。
『あぁ。このレベルの言霊にはまだ耐えられないのですね。少々過剰評価でした。』
お前は・・・なんなんだ?
アマテラスと書かれた紙きれが捨てられていた。
あれがお前なのか?
見た事のない強者の圧と恐怖だ。
『あぁ。私はアマテラス。今はただのアマテラス。過去は世界を創りしアマテラス。』
この・・・世界を?
何を言っている。
この世界はこの目の前にいる女から出来たと言うのか?
簡単に折れてしまいそうな首。
病気のような白さの肌。
照らされれば美しく光ると思う黒く長い髪。
こんな女が世界を?
馬鹿馬鹿しい。
そんなことあるはずがない。
もし、目の前にいるこの女が世界を作ったというのなら。
住んでいる人族、狼、龍。
全てはこの女に作られたことになってしまう。
『私はアマテラス。龍の国を祀られし神。貴方が会った男の神は私の弟達でしょう。』
弟・・・?
あの傲慢なアレが?
そして何故会ったことを知っている?
そこまで神というのは分かるのか?
このレベルの化け物に俺達は目を付けられたのか?
『あぁ。もう時間が近い。貴方はこれから私を祀る宗教集団の輩と戦うことになるでしょう。』
宗教集団・・・?
『あぁ。その集団が鍵なのです。その集団の決断により、世界が滅ぶのか存続するのかの命運が決まってしまう。』
一方的に喋られても体力がゴリゴリ削られていくだけ。
それでもその話を聞かなければいけない気がした。
絶対にこの話は聴き逃してはいけないと。
ただの人間の直感が叫ぶ。
『貴方は勝たなければならない。その力を持ってしまったのだから。』
月の力はそれほどまでに特別なのだ。
それをアルケルが知ることでは無い。
特別という事を知っている物が危ないのだ。
それが世界に近しい者の証明になるのだから。
『龍王には細工をしておきましょう。今の私に出来るのはその程度・・・。』
龍王とは龍の国の王。
それを過去の呼び名ではそう呼称するらしい。
それを知ったのは少々時間が経った頃。
神の目の前で突然倒れたアルケルを運んだ剣城から聞いた話。
思っていたより神は身近に存在していて、思っていたよりも神は人の傍に居た。
そしてあの神は言っていた。
龍王に細工をすると。
それは次の日。
決戦の当日に理解することとなった。
それでもやるしかないのだ。
世界は彼を求めている。
僕らは世界の見えている部分しか知らない。
ご拝読頂きありがとうございました
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