見上げたソラは
初めてなろうで投稿させていただきます。
鳴誠と申します。
まだまだ未熟な物書きですがよろしくお願いします。
さて、今回は初作なので手探りとなっております
暖かい目で見守って頂けると幸いです。
「星が・・・落ちる・・・!?」
戸惑いと恐れが伝染し、ひとつの恐怖となる。
ひとつの恐怖が蠢く集団が明るく照らす街灯の下で少しづつ、少しづつ群れを成し伝染していく。
星が落ちる数時間前の事だ。
ある少年が街で一番高い教会に星を頂くために出向いていた。
「今日こそ待ちに待った日だ!待ちきれないよ!」
左目を髪で隠し、青みがかった紫の髪を風になびかせる。
楽しみ過ぎるのか独り言が耐えない少年。
彼の名前はセント・アルケル。
刀鍛冶屋の長男である。
彼は今日、空から星を頂く儀式の日だった。
彼の住む街。「シエル」は有名な街だ。
夜が続く街、朝が来ない街、天の街などの異名で有名である。何故有名なのか?それは朝が来ないのだ。夜空を写し絵にしたような街並みと街灯が美しく、観光客や冒険者たちが足を運ぶ事で有名なのだ。
彼の鍛冶屋はギルドと提携した刀鍛冶店である。
彼は刀鍛冶が好きだ。そのためそれに生かせる星を夢みて現在、教会へと向かっている。
月が頂点に達した正午の時間。
彼のための儀式が始まった。
彼は星を頂くことを夢みて良く儀式を見学していた。
喜ぶ者、難しい顔をする者、激昂する者、数多くの人々を見てきてようやく自分の番が来たと胸を躍らせる。
教会の中で星の粉と呼ばれる粉をシスターから振りかけられた。これが前提儀式なのだろうか?
そうしている間に外に出るように促され外に出る。
ひざまつき、シスターに頭を垂れる。
シスターの願いの儀式が始まり、シスターが夜空に願いをする。そしてシスターから問いかけられた。
「貴方は月を願いますか?」
見たことの無い儀式だ。
不思議に思ったが、儀式を中断するのはまずいと思い肯定する。その途端、夜空が目をつぶったみたいに暗くなったんだ。
白い光が彼の目の前に落ちてくる。
その白を手に取った時、僕の記憶の中に星の記憶が刻まれた。ずっと昔から覚えている記憶のように刻まれていく。
多くの記憶が刻まれ、最後に頂いた星の名前が現れた。
『月』
僕はなにかの間違いだと思った。
目を閉じ記憶を探るが、出てくるのはそれだけでそれ以上何も出てこなかった。
ハッと目を開いたのはシスターが倒れた音だった。
こんなことは見た事ない。
シスターが倒れることなんて無かった。
そしてようやく周りがいつもより暗いことに気が付く。
何事かと空を見上げた時、僕は呆然としてしまった。
教会の灯りがあるので気が付かなかったが星が、月が、夜空から消えていた。
「あいつのせいなんだ!」
教会に居たシスターが叫んだ。
「あいつが月を落とし、星を消したんだ!」
瞬く間に広まったその叫びは僕の星からも裏付けのようになってしまっていた。
僕の星は月。だから僕が月を落としてしまったというのは間違いでもないだろう。しかし星は違う。
しかしいくら叫んだって何も変わらない。
周りの目を気にして捨てた両親もそう。
仲良くしてた友達も大人も全て僕に後ろ指を指す。
いい加減だ。
「いい機会だ。旅に出よう。こうなった意味は必ずあるはずだ!僕は間違ってないことを証明するんだ。」
アルケルは少しの金と冒険者カード、そして自分で打った刀をひとつ携え旅に出た。
夜空を奪った者。星を落とした者として忌み嫌われる世界でアルケルは一人旅に出るのであった。
見て下さりありがとうございました。
投稿速度は遅いと思います。
気長にお待ちください。
デュエマがしてえなと思ったのでやってきます