写真を撮りに出かけたら
班長の何人かは先生に相談しに向かう
「私たちはどうする?」
東沼に聞かれ、西和議は班のみんなと相談することにした。
「安全な道を探して、そこで写真撮ってみようよ」
西和議はみんなの意見をまとめ、今日まで同じテーマで写真を撮ることにした。
「どういったところが安全なんだろうね」
カメラを持った東沼が聞いてきた。
「周囲を確認しながらやってみようよ」
西和議は少し考えてから答えた。
東沼は数歩歩くたびに写真を撮り、状態を確認している。
(そうだ!魔法だ!)
西和議は周囲を見渡す。
電柱がそばにあった。
西和議は電柱の陰に隠れて、人払いの魔法をかける。
「あれ?人や自転車が――」
「今のうちに写真撮っちゃおうよ」
「そうだね。そうしようか」
東沼は、千載一遇のチャンスとばかりシャッターを切る。
「これでこっちは大丈夫だね」
写真撮影を終え、西和議と東沼はほころんだ顔を見せあった。
翌日、給食を終えた後、班で撮った写真を見せ合う。
班の子が撮った写真には桜並木や川や橋が移っていた。
「安全な場所を探してたらこうなっちゃった」
住宅街を取ろうと話し合った
西和議と東沼が撮った写真は住宅街の中。
川と橋の写真は住宅街から少し離れたところにある
桜並木は川と橋の写真とは反対方向にあるものだった。
「どこでどう撮るかを考えていけばよかったね」
「みんなでまとまって同じものをとってもね……」
「写真とる前に連絡入れようよ」
班のみんなが反省会を開く。
その内容をまとめ、西和議はノートに書き留める。
「西和議ちゃん。それは私がやるから、司会進行」
「あ、うん」
西和議は自分が班長なことを思い出す。
「どうする?班長。変更する?このまま行く?」
「うーん……」
班の子の質問に、西和議は少し考えてから答える。
「橋と川の写真は水面のキラキラとか川辺の草とかきれいだし」
川と橋を撮った子たちが笑顔を見せた。
「桜もきれいに咲いてるから使ってみたいなって思う」
桜並木をとった子たちも胸をなでおろす。
「ただ両方使うと、間の写真が必要になるね」
西和議の感想のあと、東沼が意見を述べる。




