役立たず魔法で異世界攻略

突如現れた魔王と名乗る存在によって、人類滅亡の危機に瀕した剣と魔法の世界。
そこに【勇者】と間違えて、御伽話の中だけの存在だと思われていた【賢者】として召喚された主人公、伊藤聡はその魔法チートをフル活用して魔王軍を一掃する……かと思いきや、最初の一歩から盛大につまずいてしまう。
原因は、この世界のほぼ全ての物質が持つという魔法に対する耐性、『魔法抵抗』だった。

火魔法は見た目がどれだけ派手でも火力がライターレベルで、水魔法は撥水されるしすぐ消える。
土魔法の強度もスナック菓子と同程度。
そして風魔法は、少し大きめのホコリといい勝負になる程度の風力しか出せないのだ。

そんな頼りない大道芸を手に、味方の世界最強格達と共に剣を振るい、立ちはだかる巨大で凶暴な野生動物達と殺し合い、暗躍する特異な能力を持った魔王の魔の手を見つけ出す。

囲まれ鍛えられ翻弄されながら、賢者は今日も無い知恵をひねり出し、真実を追い求める。

約束を果たし、全てを救うだけ物語、ここに開幕。