表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤坂人物短編集  作者: 赤坂人物
3/3

高崎と大野さん

 フローリングの床を助走をつけて走り、靴下でどれだけ滑れるかというゲーム。高崎はメッシュ状の夏用靴下で玄関までの道のりを滑った。高崎が想定していたよりもはるかに速度が乗り、止まることができずにドアノブに衝突した。その拍子に扉はガチャっと開き、玄関先に丁度居合わせた隣の部屋に住む大野さんの顔に高崎んちの玄関扉が見事に直撃した。先日余った引っ越し蕎麦を頂いたばかりなのにもかかわらず、何たる仕打ちだろうか。しかし罪悪感に浸っている場合ではなく、玄関扉を浴びせられた大野さんはうずくまって顔を押さえている。声をかけるも、大野さんは悶絶している。どうしたらいいかわからず救急車を呼んだ方がいいか尋ねた。大野さんは悶絶していた。俯いた顔を覗くと、顔を押さえた手から血が滴っているのがわかった。馬鹿野郎気づくのが遅いぞ高崎。急いでティッシュが必要だと気づき部屋に戻りティッシュがあるリビングに向かった。ここで気づく。高崎は今夏用のメッシュ靴下を履いている。大野さんを出血させたのもメッシュ靴下だが、急いでティッシュを持ってくることで少しでも汚名を返上する。高崎はフローリングの床を滑った。速い。一度外に乗り上げたとはいえ先ほどと変わらぬスピード。リビングのドアは開いており、テーブルの上にあるティッシュまでメッシュで秒だ。待っていてくれ大野さん、高崎がすぐに止血してあげる。そして高崎は流れるようにティッシュ箱を手に取り、そして流れるようにベランダから落ちた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ