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家賃が安いアパートには何かしらとんでもないデメリットが存在するから気をつけろ

「はぁ」と男はため息をついていた。髪は、片目が隠れる程の前髪、だからと言って長髪ではなく、なぜか着物を着て侍のような格好をしている。



「ちょっと、あんまりため息をつかないでください」ため息をつく雫に対して、瑠璃色の目は大きく、睨んだ目もかわいらしさが残る緑色の髪をした女性が男のため息に文句をつけていた。

「水戸瀬、こうも何もない所だと一体自分がどこに進んでいるのか分からなくなる」

「だからと言って、こう、何度も何度もため息をつかれては私の気力も減ってしまいます」

辺りは、砂、水を求めるような、でかくて人が口を開けているような形をしている岩石、正に砂漠と言っても過言ではない場所だった。

「なぜ、こうなってしまったんでしょうか」




 ピピピピ、ピピ 

 その日の男の朝は、政府ではなくある一人の人物が立ち上げた特殊警察課の寮から始まる。 

 男はすでに目を覚ましていた。目覚まし時計をすぐに止めると、自身が持っている着物を着て侍のような格好をした。そして、特殊警察課に入るために必要なIDカードを着物の中に入れた。そこには『禍都 雫』(まがつ しずく)と書いてあった。

「さて」と雫は突然、壁際にあるタンスをどかした

「起きているか 水戸瀬」

 バン!!




 そこには、「なっな・・・・・・」水戸瀬と呼ばれた女が今まさに、着替えをしている最中であったのか、ブルーのブラジャーとピンクのレースのパンティの姿で鏡の前に立っていた。

「きゃああああああああああああああ!!」

「なんだ、着替え中だったのか」

 雫がそう言うと、水戸瀬は、自身の体を腕で覆い隠した。

「早めに着替えろ、時間はまだあるが10分前行動だ。大体なんだその格好は、だらしがないぞ」

 雫がそう言うと、ティッシュが投げられた。

「おい、危ないじゃないか」

「いいから閉めてください!!!!!この・・・変態!!」

「おい、まるで、俺がお前の裸をみて欲情している言い方は、やめろ。女子高生になってから出直してこ・・・」

 雫が最後まで喋るまもなく、今度はダンベルが投げつけられた。そして、それは、雫の顔にクリーンヒットした。

「さいっていです!!!あなたは、人として!!」



「おやおや、どうしたんですか禍都 雫先輩」

特殊警察課につくと、目が虚ろでロングヘアーの虚淵沙耶うろぶち さやが雫の水戸瀬が投げたダンベルで赤くなっている額を覗き込むように見て、そういった。

 特殊警察課、現在、世界では少ないが特殊な能力を使った事件が起こっている。例を上げるなら透明人間になり金を盗むなど。そう言った事件を解決するために作られた組織だ。



 警察機関は今光条グループと言う企業グループによって支配されている。

光条グループ、それは菓子、飲料水などの食品だけでなく、エアコン、ストーブなどの家電製品、また携帯機器などあらゆる分野で抜きんでた企業グループである。

実際、国家予算の5倍以上の資産を持っている、上層部のトップ、警視総監は、光条グループの下に作られている。もう警察の機関は全て光条グループの支配下にあるようなものだった。支配下になっていないのは紫杏たちが率いる特殊警察課だ。




 まあ、実際には、命令違反、テロ組織に対し、被害者は死んでも良いから、テロリストたちに危害を加えるなって言うむちゃくちゃな命令を破ったから光条グループ側がこちら拒否したと言うことになる。給料も普通警察課に比べると安い。

 因みに、光条グループが支配する警察機関は普通警察課と呼ばれている。


「問題は無い」そういって雫は額を指さした。

「そのケガ、大方、水戸瀬さん絡みなんでしょ?」

「ああ、よく分かったな」

「それくらい分かりますよ。それで、今度は何をやらかしたんですか?」

「実は俺にもよくわからない、ただ、着替えの最中に鉢合わせしただけでダンベル投げられた」

沙耶は虚ろの目のまま顎に手を当ててクスクス笑って「逆になぜ、ダンベルを投げられないと思ったんですか、それは、女性なら誰でもなげますよ」と言った。

「そうか?お前でも投げるのか?」

「いーやでーすねー、私だって女なんですよ、そりゃ思わず投げてしまう可能性だってありますよ~」と言った




「ふーむ、そういうもんなのか?自分の裸を見られることは恥ずかしいのか?」

「う、う~ん、逆に恥ずかしくない方が珍しいとは思いますよ。まあ、そもそも、雫先輩と水戸瀬先輩の部屋の境目が壊れていることに問題があるんですよ」

 沙耶の言うとおり、光条グループからの援助を受けていない。特殊警察課は、それぞれの中心部ではそれなりに最新テクノロジーを取り入れているが、その他は、例えば寮などは、木に囲まれた廃墟のように寂れた所である。もちろん、自分の家を持っている隊員もいる。

寮は家賃は1万円と安いのである。それ故にどんなにボロボロでも寮に住みたがる隊員はいる。雫は、何故か寮が落ち着くと言い、寮に住み続けている。水戸瀬の方は、給料を全部家族にやっていると言うことで寮暮らしを意義無くされている。




「2人とも、何を話しているんですか?」

と噂の水戸瀬がきた。

「あ、我優がゆう 水戸瀬みとせ先輩、お疲れ様です」

「先輩って貴方も同期でしょうに」

「あはは、まあ、人生出会うはみな一日の長ともいいますし」

「そんなことわざ聞いたことありませんよ」

「はい、今作りました」

適当なのか真面目なのかイマイチ分からない。虚淵 沙耶という人物は。



ビュッ

!!、突然なにか生きているものではない、銃弾のような気配を感じた雫は刀を抜きそのまま

斬りつけた。

バン!!!何かの感触はあったがそれが何だったか分からない。当たった感触はあるが何に当たったのか分からない。

「お~、さっすが~やるじゃん、しずく~」

「やはり、お前の仕業だったか、露火ろか

雫が見た方向には、青色の髪、さらに髪を後ろに三つ編みにして結んでいる、そして左右の悪魔のように立ったくせ毛はその女性の勝気な性格を表しているようだった。




「おお、これはこれは五十嵐いがらし 露火ろか先輩ではありませんか」

「その声は、沙耶!?何、あんたもよばれたの?」

その声に対し、沙耶は仰々しく脱帽ですと言うように、頭を下げて「はい、この度、私、虚淵 沙耶は特別任務の6人の中の1人に選ばれました」

「ふーん、何?その説明口調な台詞、そんなの見れば分かるわよ、それにしてもあんたとかぁ、なんか変な任務じゃないでしょうね」

「安心してください、私も心配なんですよ、先輩と一緒な任務なのは」

「どういう意味よ」

「おいまて」

危なく、一触即発の雰囲気だったから雫は2人の会話を止めた。わけではなかった。



 雫はまず露火に「お前、人になんか言う言葉があるんじゃないか?」それに対し、とぼけたように目だけそっぽを向く、露火は「え?何か言うこと・・・・・・あ!!100円かして!!」雫に対して攻撃してきたことを謝るどころか、借金を頼んできた、しかも100円と言う微妙な金額。

「お前、人に攻撃してきてその態度はないだろう」

「何言ってんの、俺にだけはいつでも攻撃して良いって。そして当てたらなんでもして良いって言ってきたのはあんたの方じゃない」と露火は出まかせを言った。しかし、沙耶と水戸瀬は

「「!!」」と真に受けた。

「はぁ、勝手にしろ」




その言葉に、沙耶は、虚ろな目を細めて口元をニヤニヤさせて「ああ、あなたたちはそういう関だったのですね?」とからかうように言った。

 一方、水戸瀬はグググと言うように顔を強張らせて、頬を赤らめさせて「いけません!!あなたたち公共の場で何を言っているんですか!!」と怒鳴った。それを見た沙耶が更にニヤニヤする。

「公共の場でって・・・あんた・・・何を想像したの?」と露火はニヤニヤする。

「!!・・・それは・・・・・・」水戸瀬は口をモゴモゴと濁らす。助けを求めるように、または、非難をするように雫を見た。




 しかし、それに対して、雫は全くの無表情、何の話をしているんだ?と言うような顔をする。

「へぇ、何か言えないようなことを想像したんだ~、へぇ~あの言葉だけでねぇ~あんた、自分が相当変態だってこと分かっているの?」

「な!!だれが変態ですか!!」

そう口では言うが、顔が耳まで真っ赤になって目も睨みつけるがそれはまるで小さな可愛い子犬が威嚇をしているようなものだった。

 すかさず、露火は水戸瀬にまるで舌でなめるように、顎を撫でる。

「ねぇ、言ってみてよ、その小さな口で、何を想像したのか」そう言って見つめる目は逃げるのを決して許さないと言っているようにも見えた。


 助け船を出そうとしたのか、沙耶が水戸瀬をからかう言葉を上げた。

「あー、たいへんだー、遂に水戸瀬先輩の隠れた性癖が明るみに出てきてしまいました」

「あなたは黙ってなさい!!」水戸瀬は意識を沙耶に向けようとした。

しかし、沙耶に目をそらす水戸瀬を露火は容赦しない。グイッと顎を掴んで自分の方に向けなおさせた。「ねえ、私の会話がまだ終わってないんですけど」

「え・・・いや・・・その・・・」露火は度々雫の方を見てきたが、会話の意味が分からず雫は『はてな?』と言う反応しかできなかった。

「集合したかー??」

 あけすけに明るい声がしたかと思うと、右に炎のようなサイドテールをした小柄な女性が入ってきた。





 すると、4人は先ほどまで雑談してたとは思えない程、きれいな啓礼のポーズをとった、姿勢は正しくキッチリとして、隊員同士の距離も等しく開けていた。

「おー・・・・・・集合・・・してないな」

サイドテールの女性は底抜けに明るい顔を一瞬にして曇り空、困った顔にした。

「と言いますか、紫杏さん、くれない 紫杏しあんさん、貴方も約、10分の遅刻ですよ」と胸につけてある羅針盤の時計を開けながら沙耶は文句を言った。

「まあ、気にするな、気にするな、遅れてきている奴もいるし」

「その遅れてきた奴の中に、貴方も入っているのをお忘れなく」

「そ、そうか」少し罰が悪そうにポリポリと頬をかく紫杏、そこで紫杏はあることに気付いた。






いや、正確には前々から思っていたことだが認めたくなくてずっと言わないでいたことだった。

「なあ、沙耶」

「なんですか、紫杏さん」

「なんで、お前は他の隊員には隊長とか、総副隊長とか言うのに、なぜ私だけ『さん』付けなんだ?」

すると、「はぁああああぁぁぁぁあ~」と大きな大きな、呆れた、呆れたと言うようなため息をついた。

「ちょっ・・・おま・・・」

「どうやら自分がなぜそう呼ばれるか分かっていないようですね~、紅さん」

「苗字になった!?なあ、なんで私にだけお前はそう冷たいんだ!?なあ!!」

「いつだって、理由なき現象はありえないんですよ。紅さん、いえ、紅」

「呼び捨て!?おい、流石に総副隊長を呼び捨てはいけないだろ!!」そう言っても沙耶は子どもが拗ねたようにプイッとそっぽを向いている。

「ちょっと!!お前たちからもなんか言ってくれ!!!」

すると、まるでドミノが倒れるかの如く隣の露火から順にそっぽを向いた。

「全員そっぽ向いた!?え?ちょっとまって、何、ちょ、私、嫌われてるの!?」

と独り狼狽する紫杏。





しかし、不思議なのは沙耶である。沙耶は紫杏のことを尊敬している。

彼女のいない前では、彼女を普通に「紅総副隊長」と呼んでいる。彼女がいる時だけである。

さん付けになるのは。それが何を意味するのかは分からない。知っているのは虚淵 沙耶本人だけである。

え~、うそ~、なんかした~、遅刻、遅刻か!?と独り紫杏が悩んでいると、

「すみません、遅れました」と、扉から、声がしたかと思うと、白衣をきて紫のネクタイをしている髪の



毛が何故か前だけ所々くせ毛なのかつんつんしている女性が現れた。胸のIDカードには『夢見 照』(ゆめみ てる)と書かれてあった。

「おお!!照!!随分おそか・・・た・・・お?」紫杏は途中で呼びかけが途切れた。

 照は何かを引きづっていた。時々、引きずっているものからフゴー、フゴー!!と何かを発していた。よく見るとそれは灰色の髪をして雫と同じように着物をきてまるで侍のような姿をしている男性だった。

 その男性は体が縄で、そして口がガムテープで縛られていた。




「お・・おお、とりあえず・・・外してやりなさい?なんか可哀そうだから」と紫杏は言った。

 しかし、「いいえ、外すわけにはいきません」と照は反対した。そして、男を指さし「宗像慧

(むなかた けい)、いえ、この男は任務よりもドルオタ活動を優先するつもりだったのですなので、外すわけにはいきません」と言った。

それに対し紫杏は「やっぱりか・・・やっぱり・・・・・・」と男の言動に呆れている、と思いきや「尊敬されないと呼び捨てにされるのか・・・」まだ引きずっていた。





すると、どうやったのか縄を手で外し、ガムテープをとって「照、お主には分からんのか!!少女たちが頑張る姿がどれほど輝いてるか、煌めいているか!!その輝きの前ではどんなことより優先されてしまう、それが拙者のサガである!!」

「生まれながらのドルオタの性なんてしりませんよ、それよりも、今回は任務の日ですよ。分かっているんですか?」

「はぁ、良いか?照」

「なんですか?」

「アイドルのライブはその場で終わってしまう、だが、任務は後でも出来る、だから少し遅れても、何も問題はない!!それに、事件じゃないであろう。ならば・・・・」

「・・・・・・もうちょっときつめに縛った方が良かったですかね」

と照は、宗像の近くに縄を持って近寄ってきた。

そこで「はいはい!!そこまで!!」

と紫杏が止めた。

「まあ、各々言いたいことがあるだろうが、これから、虚淵 沙耶、我勇 水戸瀬、

禍都 雫、五十嵐 露火、夢見 照、宗像 慧、この6名に特別任務を与える!!」


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