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01

『光』の強く、目を刺す時間に、かの『主』は私を連れて、見たことのない道を歩いた。



『光』は熱く、焦げるほどで、私も主もぐったりとしていたが、それでも足を止めることはなかった。



 ついに足を止めた主は、前足でどんどんと木の板を叩いた。それが『あしなが』たちのナワバリを示すものだということは知っていた。いつもいつも思うが、好きに動かせないナワバリなど、何の意味があるのだろうかと思う。



 ナワバリとは、戦って得るものだ。彼らは戦っているのだろうか。そうなのかもしれない。ただ、いずれにせよ『あしなが』たちのやることは、やはりよく分からない。



 木の板から『あしなが』がぬっと顔を出した。この匂いは知っている。何度か主のナワバリで嗅いだことのある『あしなが』だ。主と同じオスで、魚ばかり食べているのか魚くさい。こいつは『さかな』と呼んでやることにする。



『さかな』と主は、例のわぉわぉるぅるぅしゃあしゃあと、へんてこな音で盛んにやり取りをしていた。良くもまあ、そんなにも舌が回るものだ、と思いながら欠伸をする。



『さかな』は怒っているようで、主は笑っているようだったが、どちらも悲しい悲しいと匂っていた。どうして『あしなが』たちは、いつも匂いとは別の顔をしているのだろうと、面倒なやつらだと思っている。悲しいなら、悲しい顔をすれば良いものを。


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