【4】
さて、
馬車になった私の車。馬車だけど馬はいない。ま、後で考える。
横にあるドアを開け、私の肩にとまっているハイジ君と中に入るとあら不思議、玄関になっていました。
な、なんじゃこれ!Σ( ̄□ ̄;)
暫く呆然。
ハイジ君が肉球…ペシペシ
「固まるな~モーリエ」
いけない、いけない、ここはドラゼナ。
横には下駄箱と小さなクローゼット…お、スリッパまである。靴を脱いで上がります。廊下の右側は…と、トイレ。その隣はバスルームと洗面所だ。これを開けると鏡かな?三面鏡になっているのかと手を伸ばそうとすると
「これは何~?」
ハイジ君が浴槽を見ている。
「お風呂。この中にお湯を入れてはいるのよ。後で一緒に入ろうね~」
「ふ~ん」
ハイジ君はあまり興味無さそうだね。
「向こうも見よう、モーリエ」
バスルームをでて奥のドアを開けてみると12畳間ほどの広さの部屋になっていた。
こ、これは私の好きなビクトリア調の家具だわ(*≧∀≦*)猫足よ~これなのよね~バラ柄のクッション
ハイジ君はふよふよと部屋の中を飛んで探検中。
大きなクローゼット、飾り棚、ベッドの脇に机と椅子、ちいさなソファーに合わせたテーブル。その上に茶色い表紙の本があった。ゼナルドラ様が読むようにとおっしゃったものね。後で読もう。
それと食事用のテーブルと椅子そして、使い勝手良さそうなオープンキッチン。キッチンに直行。ポット、冷蔵庫、電子レンジ、オーブン、etc.etc.
食材に調味料しっかりありますね。
ありがとうございますゼナルドラ様(T_T)
あら、プリンやロールケーキ、ショートケーキ類が冷蔵庫に入っている。
紅茶でもいれましょうかね。色々あって喉が乾いたわ。
食器棚を開けると、各種茶器が揃っていてどれにするか迷う。
マイセ●やヘレ●ド、ジ●リ、ロイヤ●コペンハーゲン……etc.
ま、無難にウ●ッジウッドにしましょう。コロンビアセージグリーンのティーカップとプレート。あら、お揃いで、ハイジ君用の小さな食器もある。
お、私がいつも飲んでいるブラックティ。これを飲もう。
「でも、何で馬車の中がこんな風になってるのかな?」
私の独り言にハイジ君が
「空間魔法だよ。よかったね、毎日ベッドでゆっくり眠れるよ~あ、僕のベッドもあるぅ~」
机の横にある棚の上にかごがあり、中にはふわふわのクッションやらタオル等がつまっていた。
空間魔法ね。また訳のわからない単語が。
「ハイジ君、お茶でも飲もうか。ロールケーキがあるけど食べられる?」
「食べられるよ~」
そう言いながら目の前にやって来た。
ティーカップとフォークはハイジ君用で、ロールケーキは乗らないので、私と同じ大きさのケーキ皿。
「初めて食べたけど、ロールケーキ美味しいね~」
どうやってフォークを持っているのか不思議だけれど、ハイジ君はそう言いながらロールケーキを美味しそうに口に運んでいる。
「この世界にはロールケーキはないの?」
「ないよ~。この世界はモーリエがいた世界より文明が遅れているし、科学は無いに等しいね~。でも、魔法があるよ~。人々は生活魔法は例外なく使えるんだ~魔道具もあるし~」
魔法……生活魔法………
「私にも使える?」
「後で使い方教えてあげるね~」
おぉ!ハイジ君ありがとうございます。感謝(///∇///)
「さて、私はゼナルドラ様から頂いた本をソファーで読みますね。ハイジ君はどうします?」
「僕は、ロールケーキたべたらその辺でお昼寝するよ~」
私は、ティーカップを持ってソファーに移った。
読んで頂き感謝(///∇///)