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エルドラド  作者: 榊燕
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アクセス4〜初心者の館?〜

「う、うわぁぁぁぁぁ!?」


 初心者の館に入って俺はまず悲鳴を上げた。

 そりゃもう今まで生きていてこれ以上ないって程本気の悲鳴だったはずだぜ。

 何せ入った瞬間目の前に……かの有名な金色の百獣の王が居たんだからな!


「わぁぁぁぁぁぁぁ!?」


 パニックになりながら悲鳴を上げ、慌てて入ってきた扉から外へ出ようとするが扉が開かねぇ!


「ちょ!まてやこらぁぁぁぁ!何で開かねぇんだよ!?」


 ガチャガチャと何度も何度も扉を開けようとするがびくともしねぇ。


「ぶわぁっはっはっは!腰を抜かさず慌てながらも逃げようとするだけまだマシだな!まぁ言わせてもらえば立ち向かってくる位の気概があれば我も満足したんだけどな。」


 俺が必至こいて慌て、パニックになりながらも逃げようと躍起になっていやがるのに、あろうことかその逃げようとしていた相手である張本人の百獣の王が、人語を解し思いっきり笑い飛ばしやがった。


(ぷっちーん)


 その上何だ?腰を抜かさないだけマシ?立ち向かって来い?ふざけるな!誰がんな化け物ってか物理的に最強に位置する生き物に立ち向かえるってんだよ!?

 百獣の王の態度に段々腹が立ってきた俺は、必至こいて逃げようとしていたのをやめ、ツカツカと近寄って行って目の前に立った。

 何か切れた音がしたって?

 ああそりゃもう……間違いないぜ?


「お?もう冷静をとり……いてぇ!」


 百獣の王が笑いを取りやめ感心したように呟こうとした瞬間……思いっきり殴り飛ばした!……と言いたかったんだが拳で殴ると痛そうだったんで思いっきり蹴り飛ばした!

 俗に言うヤクザキックってやつで。

 完璧に堪忍袋の尾が切れたってやつだ。

 まぁ後から考えるとよくもまァこんな大それたことが出来たなぁと俺自身感心するが、その時は余りの出来ごとにかなり鶏冠に来てたので、そんな事を気にする余裕というか考える頭が無かった。


「…………。」


 ゲシゲシと止むこと無くヤクザキックを連発していく。

 百獣の王が「やめろ!」と大声で鳴いた其の時まで延々と蹴り続けてたね!


「全く!お前みたいなのは初めてだ!館の主である我に幾度となく蹴りをぶちかます等と……信じられん!」


「ふざけんな。手前ぇが立ち向かって来いとか何とか抜かしたんだろうが。言われた通りやってやったんだろう?褒めろや!」


 無茶苦茶だった。

 無論俺がだよ?

 未だ苛立ちが収まって無い俺は明らかに可笑しな事を言っていると、自分で解っていながらも尚強固に其の態度を貫き通す。


「あ?人が必至こいて慌てて逃げようってぇのに、それを後ろから可笑しな評価下しながら偉そうに笑いやがって……んな事やられりゃ軽く切れるのも仕方ねぇだろうが!」


 完璧に逆恨みですありがとうございます。


「あ、う、うむ……す、すまなかったな……って我が謝る事なのか!?」


 勢いに流されてつい謝ってくる百獣の王、何やら向こうも少し混乱しているようだ。


「当たり前だろうが!?手前ぇが謝らないで誰が謝るってんだよ!すまないって気持ちがあんなら誠意の一つや二つ見せろや!」


 おーう。

 自分の事ながら何ともヤクザ染みた物言いだなぁって感じたぞ今のは。

 おっと勘違いしてもらったら困るぜ。

 俺は間違ってもヤクザとかそっち系の人間ではないからな?


「そ、そうか、本当にすまなかった……誠意と言うと……どうすればいいものやら解らぬのだが……。」


 意外と素直な百獣の王。

 ちなみに俺はもうそろそろ鶏冠に来ていた怒りも収まって来ている。

 ただこの百獣の王どうやら誠意ってもんを見せようとしてるらしい……(ニヤリ)断るのも礼儀知らずだろう?

 親切に教えてやったさ!

 ……変な笑みが見えたって?

 はっはっは。

 馬鹿言っちゃいけねぇよ、んな訳無いだろう?(台詞棒読み)


「んなもん普通手前ぇで考えるもん何だよ!ったく、今まで他の奴等だと自分の持っている物とかを持って誠意と変える……ってのが多いらしいぜ……間違えるなよ!俺がそれを求めてるって訳じゃねぇんだからな!その辺りをしっかり考えてよ、誠意ってもん見せてくれや。」


「ん、んむ、そうなのか。本当にすまなかった。これで許してくれ。」


 そう言って手渡して来たのは一つのカード。


「ん?何だこのカード?」


 思わず素に戻って聞いちまった後にやべぇ!と思って百獣の王を見ると、さっきまでの怯えた態度というか、流された態度が消えて、どこか最初に会ったレイアスの説明をしている時の雰囲気と同じものを感じた。


「このカードは武器や防具、アイテム類を封じてあるカードだ。カードを所持して念じれば実物化し、其の武器や防具、アイテムを使う事が出来る。」


 ふーん。

 何々このアイテムは……ってかアクセサリーか。

 アクセサリー名が【虹色のクリスタル】ねぇ。

 カードには名前と、絵が描かさってあったんで、心の中で其のアクセサリーの名前と絵を思い浮かべた。


(虹色のクリスタル……銀のチェーンを用いた虹色に光るクリスタルの首飾り。)


 そうやって心の中で思い浮かべていくと手の上にあったカードが消え、質量のあるネックレスが現れた。


「そうだ、そのように行えば全てのカードを現実化させる事が出来る。無論逆も同じだ。」


 俺はそう言われたんでまず其のネックレスを、カードに戻れと念じてみた。

 次の瞬間最初にあったカードと全く同じ物が手の平に収まっていた。


「おぉー!すげぇ!って念じる時も現実化しろって念じるだけで……おう!なるわけだな!」


 感動しながらカードに戻ったアクセサリーを現実化しろと念じた処、普通に質量のあるネックレスに変わった。


「飲み込みが速くて素晴らしい。ちなみに特殊なアイテムに限り特定エリア、指定場所でしか現実化出来ない物もあるから覚えていると良いだろう。」


 満足そうに頷く百獣の王。

 其処でハッと先程まで責められていたのを思い出したらしく、もう一度謝って来た。


「あ、ああ。こうやってきちんと誠意も見せてくれたんだ、もう怒ってねぇよ。」


 何だか少し申し訳ないなぁって気分になったが、過ぎちまった事だしまぁいいか!と考えて改めて説明を受ける事にした。

 俺がそう言うと、百獣の王も気を取り直して最初から説明するぞ?と念を押して話し始めたのだった……ってか話しなげぇよ!

 物凄く長い……聞き終わる頃には疲れきってんじゃねぇか俺?

 それ位に長い説明が始まったんだよ。

可笑しな点や間違い等ありましたら御指摘、御報告があると大変助かります。

自分自身でも何度も見直し確認しましたが、何かありましたらよろしくお願いします。

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