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五の話『無限遠』



 求めてもらいたかった。


 それが果てしない夢だったとしても求めてもらいたかった。


 求め続けられたかった。


 例えそれが幻想でしかなかったとしても求め続けられたかった。


 理由がほしかった。


 きっとそんなものはないと知っていてもここにいてもいいという理由がほしかった。


 意味がほしかった。


 どうしたところでそんなものがあるはずないと分かっていてもここにいるべき意味がほしかった。


 認めてもらいたかった。


 何もかもが上辺だけだったとしても認めてもらいたかった。


 認め続けてもらいたかった。


 嘘で塗り固められた感情だと理解していてもなお認め続けてもらいたかった。


 本物でなくて良かった。


 嘘でも構わなかった。


 ぬるま湯のような優しさでも。


 甘いだけの理想でも。


 それでも良かった。


 見ていてほしかった。


 看取っていてほしかった。


 見つめ続けていてほしかった。


 触れられぬほどに遠い距離でも。


 認められないほど彼方でも。


 誰かに承認されていたかった。


 全てでなくとも。


 一欠けらであっても。


 そこに確かに存在したと、感じてほしかった。


 それを、それだけを、願っていた。


 けれど。


 それはもう誰にも届かない。


 私の悲痛な、こころの叫び。



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