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甘いものはお好きですか?
今日は休日。
親戚がケーキをたくさんくれたから、ケーキを持って律の家に行くと、いつもリビングにいる律が珍しく部屋にいた。
とりあえず、ケーキを持ったまま部屋の中に入る。
「律」
「仁輝!?いつ来たんだ!?」
律の心底驚いた顔に自然と口の端があがる。
「バカ律、ケーキいらないんだ?」
ケーキの入れ物を律の前で軽く揺らす。
律は半分狐なのに、おいなりさんよりもケーキが好きなんだよね。
「た、食べる!」
「律は甘いものが好きだよね」
「甘いのが好きで何が悪い!」
「かわいいと思って」
笑えば、律の顔が真っ赤になった。っと言うか
「耳と尻尾でてるぞ」
ふわふわ栗毛の尻尾と耳を撫でる。
律の顔がますます赤くなり、しかも涙目で睨んでくる。
毎度毎度、誘ってんのかって思いたいんだけど
「さわんな!!ばか仁輝!」
やっぱりね。
甘い雰囲気になれるのは、いつのことやら。