ポルターガイスト(?)
ブウォーン…
んん? なんだ…何の音だ……?
ピロリん♪
あれっ、また鳴った……?おっかしいな…さっき停止ボタンで確かに消灯したはずだけどな。
ん?なんでまだ点いてんだエアコン。切ったよね?プッシュが弱かったかな?
これなんの影?さっきからずっと、ふわふわ飛んでるよね…?
外は真っ暗闇のはず。玄関ポーチを映したインターホンカメラのモニターに写り込む、得体のしれない白い影…。
夏の間。我が家でポルターガイスト現象が頻発していた。
冒頭のは壁掛け扇風機だ。
義父母が以前使っていた品でリサイクルショップに持ち込もうかと取り外したのだが。まだ全然綺麗な状態だったから、処分するより もうひと働きしてもらおうかと猛暑の夏が来る前に洗面所の壁に取り付けてみた。使った形跡の無いリモコンもクリーンアップしたらちゃんと息を吹き返した。
使ってみると至極快適で、もっと早くやればよかった!と即時、我が家に無くてはならない必需家電の仲間入りを果たしたのだった。
この扇風機、使い始めてしばらく経った頃突然、誰もいない狭い洗面脱衣所で突然動き出す現象が起きるようになった。
風呂上りに、朝の洗面時に。さあ、とリモコンをぽちる。あれ?おかしいな昨日は普通に動いたのに今日は点かないな……リモコンまただめじゃん。
仕方なく手を伸ばして本体スイッチでオン、そしてオフ。ちゃんと切ったはず、なんだ。
ところが。その場を去ってすっかり忘れた頃に、ブウーン…遠くから風音と微かな振動が。
あれ?なんの音?
耳をそばだて音の出どころを探すと、誰もない洗面所で扇風機が涼風を送りだしているのだった。
それがわかった時はちょっとビビった。それから度々、同様の事が不意に起こるようになった。
ブウーン⋯あれ?また勝手に動き出した音がするよ⋯そこに誰がいるんだだれが‥‥?
ピロリん♪
これはピアノの形をしたルームライトで、だいぶ昔持ってたのと同じのを見つけ、懐かしんでメル〇リで再入手したやつだ。当時には無かったリモコンがついてて、鍵盤タッチかリモコンを押す度にピーロー♬っと音が鳴り、ライトの色味が変わる作りになっている。
不思議なことに、こいつも思いも依らぬタイミングで突然鳴りだしては色の違うライトが点灯しだすのだ。
3つ目は玄関のインターホン兼防犯カメラ。動くものが所定範囲に入るとセンサーが反応しモニターが稼働する仕組みだ。
ある雨の晩のこと。窓に打ち付ける強い雨粒と庭を巻く風の音にふと目覚め。水を一杯、と起き出してキッチンに向かう。すると、その壁に据えたモニターが作動しているのに気づいた。
こんな時間に?車も人影もないのに…なんで?
よーく画面を見ると、右端に小さな白い球が幾つか映り込み、ふわりふわりとゆれている……え、えええ、こ これは何…
不規則に揺らぎながら、数個の大小丸い光が数珠のように連なって右へ、左へ上へ下へ……
背筋にヒヤッと冷たいものが走る。
そうそう、不思議現象と言えば。古い記憶を思い出した。あれは小学生のころ。よく晴れた日の放課後だったなあ。
2階の教室、帰りの会が終わりランドセルに荷物を入れながら何気なく窓の外に目をやると、いつも見えるドカンと大きな山の中腹あたりに「何か」がチラチラと光っているのが見えた。それは不規則に漂うように空に浮いていた。
なんだろあれ?サッシ窓に近寄り目を凝らす。
銀色の小さな光が瞬きながらおおよそ等間隔に並び、傾き始めた日が射す西の方へと、ゆっくり進んでいく。その数、十個くらいか…それ以上はあった気がする。
「なにあれ?なんか飛んでる」思わず空を指をさし声を上げると、居合わせた数人が帰り支度の手を止め、わやわやと集まってきた。
「なになに」「幾つも飛んでる!」「飛行機じゃないね!」
我も我もと窓の外に身を乗り出して、ちょっとした騒ぎになった。
やがてそのチラチラした光が薄れて見えなくなると、皆は逸る気持ちを抑えきれずそれっとばかりに一つの机の周りに群がって、「あること」を始めた。
一人が自由帳を取り出し真っ白いページを開く。鉛筆で五十音や数字や「はい」「いいえ」を急いで書いて、仕上げにノートの真ん中に鳥居マーク。そこにコインを置いてみんなで指を乗せ、さあ準備完了だ。
当時子供達の間で大流行してた降霊術的な占い遊び「こっくりさん」てやつだ。
こっくりさんの正体は…確かキツネだったかな?
「こっくりさんこっくりさん、でてきてください…」
すると、呼び寄せた「こっくりさん」がコインに乗り移る。何かを尋ねると、そのコインが勝手にすいすいと動いて、辿った文字で質問の答えを告げてくれるというわけだ。
休み時間になるとあっちの机こっちの教室、至る所に輪が出来ていた。こっくりさん、大人気で毎日大層忙しかった事だろう(笑)
UFO・宇宙人・お化けに占いに日本やら世界やらの七不思議…ミステリ-大流行の当時、子供達は怖いもの見たさで興味深々、そして心底存在を信じ込んで怖がったり面白がったり。こっくりさんの結果にも一喜一憂、大盛り上がりだったなあ。
こっくりさんこっくりさん教えてください、さっきのキラキラは何ですか?
こっくりさんのお答えは……「ゆ・う・ほ・う」(UFO=未確認飛行物体)
わー、やっぱりユーフォ―だ!!(≧▽≦)
「そうであれ」と願う誰か或いは大多数の想いが指先に乗り、意識無意識に関わらず置いたコインをすすすっと「さもそうであるかのように」動かしてしまう訳だが、まだ純粋な小学生はそんな心理的からくり(不覚筋動=オートマティスム、というそうだ)なぞ知る由もなく。皆がワクワク期待してた答えがこっくりさんによって肯定された嬉しさで、輪が沸騰したのだった。
因みにそのチラチラキラキラが、実際の所 何だったのかというと。
おそらくは山麓の広い演習場で時折展開される、自衛隊空挺部隊や米軍のパラシュート降下訓練だったのではと推察される。
演習の砲撃音や沿道を走る自衛隊車両なんかにはみんな慣れっこだったけど、非公開の演習そのものを目にすることはほぼあり得なかった小学生にとっては、あの光景は「未確認飛行物体」には違いなかった。よってこっくりさんの「お告げ」は当たらずとも遠からず、だったのは確かだと言える(笑)。
話がだいぶ横道に逸れたので我が家での不思議現象に戻ろう。
壁掛け扇風機がだーれも居ない脱衣所で突然動き出す現象。これを紐解くと。
不安定なリモコンから一旦送った電気信号、その瞬間は接触不良などで空振りだったとしても、基盤にその信号が残存していることがあるらしい。完全には消え去ってなかった電気信号が時間差で湿気や何かの関係で本体に繋がった瞬間に、「ハッ!」となって起動することがあるんだそうだ。(又聞きなので真偽詳細は調べてません、スイマセン)
次。かなり年代もんの中古ピアノライトが突然点灯し鳴りだしてしまう件。
これが何と。エアコンのリモコンとライトのそれの信号周波数がたまたま同じだから、なのだそうだ。
エアコンは付け替えたばかりでまだ新しいから「まさか!」と思ったのだが、エアコンをオンオフするたびに一緒にピアノが「ぴーろー!♪」っと鳴って、ぽやっと明かりが灯ってしまう。
いや、今ね真っ昼間だし灯りいらんねん!ヽ(`Д´)ノとなる。
その逆に、ピアノライトのリモコンを押すとエアコンが「はーい稼働しまーす!」「了解、停止しまーす!」といちいち反応してしまうのだ。
どっちを付けたのか消したのかわからなくなって至極メンドクサイ。
やはりここはエアコン優先だということで、以後ライトはリモコンに触らずコンセントを引き抜いて強制消灯するようになった。
最後。防犯カメラのモニターに写り込む白いフワフワの玉。
これにも最初は正直、えええ…(゜Д゜;)となった。じーっと観察して分かった事。数珠の様な白い玉、揺れ方は不規則だけども一向に消え失せないし、F分の1ゆらぎ的な動きをしていること…。
んんん~~?これはもしやもしや、風に揺れる蜘蛛の巣とか、なのかあ?
湿度200%くらいに湿気た夜の外気。しとしとと降りしきる雨。カメラのごく近くに蜘蛛の糸があって、そこに付着した水滴が数珠つなぎになり、風で揺れている…そう考えると非常に納得がいった。(深夜だったから確認には行かなかったが)
実際、湿気の酷く多い夜などには、淡い丸い影(細かい水滴)が飛び回る虫のような感じで画面いっぱいに映り込むことがあるからだ。
こうやって不思議の答え(のようなもの)を客観視点で書いてみると、まあなんと味気ない事よと我ながら思う(^▽^;)
とはいえ、ああかな?こうかな?と考えたり紐解いてく道筋は、結構楽しい。ワクワクする。
そして、容易に答えに辿り着けそうにないものに出くわした時には、もっとワクワクというか神秘性や聖性を思って、今の自分が知る世界の狭さと同時に、計り知れない深さや広さを怖れにも希望にも思ったりする。
霊感とかとは程遠い自分、これまでの人生で心霊現象的なものはほぼ(記憶では)出会ったことが無いのだが、説明のしようがない不思議な偶然や奇跡の様なご縁に恵まれたりみたいなのは、そういえば確かにままあるなあとは思う。
大抵は「え、なんでいまここで、これが!?」みたいに偶さかの合致に驚いたり、出会った方と縁の糸が不思議に編まれ繋がっていたことが後になって分かったりして「え、そうだったの?マジか!」と驚いたりと、そんなパターンだ。
そういう時にはやはり「これは前世とかで何かご縁が?」みたいに悠久の時へ思いを馳せてみたくなるし、目に見えない何かの守護や導きなどを感じ信じぬ訳にいかない気持ちが強く湧く。
それが天からたまたま授かった偶然なのか、なるべくして繋がった必然といえるものなのかは判別もできないし、世間って意外と狭いってこういうことかなー面白いな!と感慨を覚える。
とまれ偶然であれ必然であれ、幸分け合うような喜ばしきご縁というのは本当に有難いことで、大事に心に留め感謝の念と共に先々迄温め持ち続けていきたいものだなと思う。
余談だが。つい数日前の朝 掃除機掛けをしていて、ソファー前のカーペットの上に肌色の糸くずを丸めたようなゴミが落ちているのを見つけた。
「なんだこれ?」
掃除機でそのまま吸い込んでしまおうかと思ったが、ちょっと大きかったので掃除機を止め、よーく見てみると。なんと!くるっと丸くなって死んだふりしていた、可愛らしい赤ちゃんヤモリだった!
スリッパで踏みつぶさなくて良かった!2階リビングのど真ん中、なんでこんなところに君がいるんだい?何処から入り込んだのか不思議だったがまあ、サッシの隙間やら換気扇のフードだろうが、小さく薄い身体で入ってこれない事は無いんだろう。とにかく居るモノはいるんだからしょうがない(笑)
ほらほら、そんなところに居たらぷーちゃんに見つかっちゃうよ?
捕まえて逃がそうとしたが、動き出すと速い速い!小さな体でちょろちょろと一生懸命に逃走する姿がまた実に、可愛い(ヤモリ君は必死だと思うが)。
これは下手に捕まえようとするより追い出す方が早そうだと、居合わせた息子と協働し掃き出し窓全開にして小さい箒で誘導、ベランダより外へと無事逃がすことに成功した。
そういえば、先日亡くなった義母はヤモリが大の苦手だった。隣の古い木造平屋でまだ彼女が元気に独居生活をしていた頃、その台所によく出没した。
怖くて堪らないけど捕まえられないの!と都度義母からSOSが来てヘルプに赴き、ワチャワチャの末 捕まえては外へと放ったものだった。
ヤモリは害虫を食べてくれるから「家守」と呼ばれ、家に現れるのは幸運の兆しとも言われて古くから人と共生して来た生き物なのだそうだ。義母にはそんな想いもあって、苦手だけど駆除してしまうのも可哀想で嫌、というのだった。
迷い込んできた小さなヤモリ。ばあちゃんの在りし日をふと思い出し皆で語り、そうだったねと笑った。
これも小さな不思議、小さなご縁、だったのかもしれないな(^-^)
※少し調べ直したところ、こっくりさんとは狐・天狗・狸の霊を総称し「こ(狐)・く(狗)・り(狸)」から来ている言葉だという事で、今回思い出を辿りながらググってみるまで、知りませんでした!




