2.初めまして(2/4)
「そう。怪奇事件調査同好会って?」
よくぞ聞いてくれたという顔で倉橋が説明を始める。
「怪奇現象とかのオカルト的な事件を調査するんです!超常的な現象を追い求めるんはロマンあるわなぁ。今は俺と天ヶ瀬しかおらんくて同好会扱いやけど」
熱弁する倉橋。
朱雀は興味深いものを見るような態度をする。
「へぇ〜、面白そうだね。というか敬語じゃなくていいよ」
「そうか?じゃあ朱雀で。改めてよろしゅう」
「よろしく〜。朧ちゃんも」
「....」
軽快な朱雀にメロンソーダを飲んで「ズズ...」と返事をする天ヶ瀬。
「そういえば二人って知り合いなんやろ?いつ知り合ったん?」
純粋に気になったことを聞く倉橋。
おかげで空気は軽くなった。
「それは昔々に知り合ってねぇ」
「朱雀がしつこく絡んできたんですよね」
「こんなに刺々しくなっちゃって。昔は可愛かったのに」
「ちょっと、兄貴面しないでください」
ホロリとハンカチで目を抑える朱雀に語気を強める天ヶ瀬に倉橋は「本当仲良しやなぁ」と関心する
「こんなのと仲良しとか冗談じゃありません」
「そお?僕は嬉しいけどね」
朱雀は笑顔のまま右手で頬杖をつく
「ところで、君達って怪奇現象について調べてるんだよね?」
朱雀の声色が変わったのに気づき、倉橋は表情を改める。
「実は知り合いに調べて欲しいってお願いされてる事件があるんだけど、怪奇現象が起きてるらしくてさ。協力してくれないかな?」
朱雀の言葉に天ヶ瀬がザワっとする。
「ぶちょ
「ええよ!」
何も考えず答え、目を輝かせる倉橋に天ヶ瀬は呆れ、朱雀は目をぱちくりとさせる。
「はは!即答しちゃうんだ!」
そうと決まればと三人は朱雀の先導でカフェを出た。
「最近この辺りで建物の崩壊が頻繁に起こっててさ。築数年のものまで崩壊してるから、妖怪の仕業かなって思って」
しばらく歩いて着いたのは、立ち入り禁止テープが貼られた崩壊寸前のビルだった。
「なんや雰囲気あるなぁ」
「不安なら私のお守りいりますか?」
「お守り!なんやそれっぽいヤツやなぁ!不安やないけど、貰っとこかな」
天ヶ瀬がポケットから取り出したお守りを見て朱雀はまた目を細める。
「まだそれ持ってたんだ」
「取り敢えず中に入ってみましょうか」
「無視?」
中に入る流れで、倉橋が立ち入り禁止テープの前でたじろいで声をあげる。
「入って大丈夫なんか?」
「大丈夫大丈夫。許可は貰ってるから」
テープを跨ぐ朱雀に続いて天ヶ瀬と倉橋はテープを潜る。
中は不気味で暗く、なんとなく空気が重い。
もう放課後で時間は遅いので当たり前だ。
天ヶ瀬がスマホのライトを照らす。
辺りはひび割れだらけだ。
「ボロボロですね」
「大丈夫かいな。このビル崩れへんか?」
「まぁ崩壊寸前ではあるけど。万が一は僕が助けるから安心してよ」
声が反響してひび割れが深くなった気がする。
そしてそこで何かが動いた。
「ん?なんか動かんかった?」
「くるよ」
天ヶ瀬がひび割れにライトを当てると、ひび割れの隙間からニュルっと黒い影が這い出てきた。
「妖怪や!」
「妖怪ヒビツキ。建物にひびをいれてそこに住み着く妖怪...だったかな」
「言ってる場合ですか!」
ライトを当てられて眩しいのか、その妖怪は金切り声をあげて倉橋に飛びかかる。
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