2.初めまして(1/4)
下校時間が過ぎてよし帰ろうと外に出ると、校門に怪しい男が立っていた。
「なんや怪しい奴やな」
天ヶ瀬は少し押し黙って倉橋に同調する。
「そうですね。さっさと通り過ぎて帰りましょう」
2人は宣言通りそそくさと校門を通り過ぎる
というところで男に呼び止められた。
「ちょっとそこの君たち。少しいいかな」
天ヶ瀬が倉橋の前に出て男と対峙する。
「なんの用ですか?」
男は右手を口元に持ってくると、可笑しいものでも見るようにクスッと笑う。
「君が敬語を使うなんて、面白いものをみたな」
「なんや天ヶ瀬、知り合いか?」
男は怪しく笑う。
「さぁ?こんな人知りません」
「ひどいなぁ。昔からの仲でしょ?」
「こう言うとるけど...」
「こんな怪しい奴が知り合いなんて嫌です」
男は「厳しいねぇ」と笑い、倉橋はいつになく口の悪い天ヶ瀬に瞬きをする。
徐ろに男が倉橋に顔を近づける。
「うおっ?」
「ちょっと!」
天ヶ瀬が男の肩を押しやって遠ざける。
男は懐かしむように言った。
「やっぱり似てるね」
倉橋は何が何だかさっぱりだ。
「(似てる?誰と?)」
天ヶ瀬が男に睨みをきかせる。
「さて。取り敢えず近くのカフェに行かない?僕君のこと気に入っちゃった」
「いくわけないでしょ」
初めて天ヶ瀬が敬語を外した。
こんな天ヶ瀬は見たことがない。
「やっぱり知り合いやん」
やっぱり天ヶ瀬の知り合いだと思った倉橋は安心したので、取り敢えず3人で近くのカフェに移動し、個室の席に座った。
「じゃあまずはお互い自己紹介しようか。僕は朱雀、普段は家庭教師のバイトをしているよ。よろしくね」
「家庭教師ぃ??」
「お前が?」と言いたげな天ヶ瀬。
「朱雀?朱雀ってあの有名な四神で、安倍晴明の式神だったっていう奴やけど...漢字も一緒なんですか?」
「うん。漢字も一緒というか、その有名な朱雀って僕のことね」
一瞬の間。
「...え??頭大丈夫ですか?もしかして厨二の病なん?」
「あれ?そうくる?まぁ信じられないのもわかるよ」
そういうと朱雀は人差し指を突き出した。
「?」
「種も仕掛けもございませーん」
そう言った瞬間、朱雀の指から赤い炎が吹き出した。
「わっ?!」
「どお?信じてくれた?」
炎を消す朱雀を、倉橋は目をキラキラ輝かせて見つめる。
「ほ、ほんまにあの朱雀なん?!」
興奮気味の倉橋の横で、天ヶ瀬は覚めた態度で注文していたメロンソーダを1口飲む。
「すぐ信じる...ただの弱火じゃないですか」
「今度はそっちの番だよ」
「そ、そうやな!俺は倉橋明良。高校2年生で、怪奇事件調査同好会の部長や」
「天ヶ瀬朧。高校1年。怪奇事件調査同好会の部員」
「朧?」
朱雀は少し目を大きくして天ヶ瀬をみる。
そして目を細めた。
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