1.怪奇事件調査同好会(2/5)
「それはそれとして。最近ちょっとした怪奇現象が起きてるっていう話があるんですけど、知ってますか?」
「いや嘘は良くないけど...。怪奇現象?」
《放課後になると、人の影が本人と違う動きをすることがあるという現象》
「朝や昼にはそういったことは起きないらしいですけど」
「じ、じゃあ...今のがその怪奇現象...?」
「断定はできませんが、そうでしょうね」
倉橋は下を向いて押し黙る。
「部長?」
「き...」
「き?」
震える声で声を発した。
と思えばバッと顔をあげて両手を突き上げた。
「きたぁ〜〜!!」
天ヶ瀬はポカーンと口を薄く開ける。
「マジでか!ほんまにあるんやな!怪奇現象!!」
倉橋の反応に動けなくなる天ヶ瀬。
「(そういえばこの人、オカルト好きだったな...)」
「なんで影が勝手に動くんやろ?!どのくらいの頻度でどのくらいの時間帯に現象が起きやすいんやろ?!気になる!」
倉橋は興奮している。
それにクスッと笑う天ヶ瀬。
「では部長。怪奇事件調査同好会の活動方針に従って、調査しますか?」
天ヶ瀬は少し笑みを浮かべて指示を仰ぐ。
倉橋はニヤリと口角を上げ、
「当たり前や!そうと決まればまずは聞き込み行くで!!」
校舎には、二人の影が長く伸び始めていた。
まずは下駄箱付近。
校舎を順番に巡って行きながら“動く影”について聞き込みをする。
「あー、聞いたことはあるわ」
「最近よう聞くね。友達が見た言うけど、なんや嘘っぽいわ」
「俺は見たことないな」
「友達が見たらしいけど、話が支離滅裂でホントかどうか分からんわ」
そこそこ聞き回ったが、有益な話は無かった。
皆又聞きばかりだ。
「そろそろ18時ですね」
「次で最後にするか」
そろそろ下校時間。
次で最後にしようとすると、やっと有益そうな話が聞けた。
「見たで!“動く影”!」
倉橋と天ヶ瀬が顔を見合わせる。
「この間廊下歩いとったら、影が大きなってな?俺と違う動きしたんや!」
倉橋がワクワクとメモを構える。
「ほんで?」
「俺は見間違えか思てじっと見つめたんよ。そしたら、影がめっちゃ大きなって襲ってきたんや!俺はびっくりして逃げたけど、その後は分からんわ」
「なるほどなるほど」
倉橋が興奮気味でメモをとる横で、天ヶ瀬は手を口元に持ってきて男子高生をじっと観察している。
男子生徒が帰って行くのを見届けて倉橋が天ヶ瀬に振り返る。
「やっといい話聞けたな!」
倉橋はニコニコ満足そうな笑みだが、天ヶ瀬がそれを呆れた目でみる。
「部長、あれ本当だと思ってるんですか?」
「え?」
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