4.異文化交流(3/3完)
辺り一帯を聖水で埋め尽くすキリヤ。
《ギャギャッ!》
これも効かない。
「厄介ですね。日本式も英国式も効かないとは...」
その時、怪異が二人に襲いかかる。
場所は変わって京条高校。
一年B組。天ヶ瀬のいる教室で携帯が鳴る。
「おい、誰の携帯だ」
先生に隠れて電話に出る天ヶ瀬。
「もしもし」
「天ヶ瀬!今どこ?!」
「は?学校ですけど」
「今妖怪か悪魔か、よう分からん奴と出くわしとんのやけど!!」
「......は?」
一拍。
電話口の向こうで、何かが崩れる音がした。
「先生、早退します」
「え?」
先生の返事も待たず、天ヶ瀬は鞄をひっ掴み、校舎を飛び出した。
「何してんですかあの二人!!」
「大方キリヤ君が待ちきれなかったかなぁ」
朱雀は苦笑しながらも、走行する天ヶ瀬の後を追う。
場所は変わってまた狭い路地。
倉橋とキリヤは苦戦していた。
「すばしっこいですね...!攻撃が当たりません!」
「俺の鎖も当たらん!」
攻撃のため、キリヤが少し倉橋から離れると隙を突くように怪異が動く。
《キシャァ!!》
「うお?!」
「素人をっ、守りながらはキツイですね」
「すまんっ」
キリヤの攻撃も効かず、防戦一方。
ついにキリヤの槍が弾かれる。
「くそっ!」
やられる。
というところで視界が霧で埋まった。
「霧...?!」
「動かないでください。私の霧です」
後ろから天ヶ瀬の声。
「退路は塞いだよ」
反対側から朱雀が現れた。
「部長、落ち着いて。鎖は縛るだけが使い道じゃないです」
「もっと自由に」という言葉に倉橋はイメージする。
「あいつの逃げ道を無くしてください」
怪異が逃げられないイメージをする。
怪異が跳ぼうとした、その先に――
「……っ?!」
いつもは倉橋の手のひらから出ていた鎖が、
今度は壁から何本も突き出し、怪異を取り囲んだ。
「お見事です」
「最後は私の仕事ですね。明良、先程の雷をこの槍に纏わせて下さい」
「こうか?」
天雷と聖別の紋が同時に走る槍が、怪異を貫いた。
「今度は効きましたね」
怪異は無事祓われた。
「全く!二人だけで事件に突っ込むなんてどうかしてますよ!!」
仁王立ちする天ヶ瀬の前に正座させられる倉橋とキリヤ。
横に件の人形を処理する朱雀。
「俺は巻き込まれただけや...」
「保護者付きだと実力を見れないじゃないですか」
「まぁ一応解決したんだし、良いんじゃない?」
「良くないです!」
翌日。
京条高校一年B組に編入生が来ることになっていた。
「編入生を紹介する。入りなさい」
扉を開けて入ってきたのは――
「初めまして。キリヤ・オルブライトです」
「ということで、新しい部員を迎えて怪奇事件調査同好会は、正式に部として認められることになりましたぁ」
「なんでですか?!」
「これからよろしくお願いしますね?朧?」
いつかの時の天ヶ瀬のように、挑発的な笑みを浮かべるキリヤ。
「皆仲良くしようね」
「歓迎パーティーしようや」
部室は歓迎ムードだが、天ヶ瀬だけは明らかに不機嫌なのが伝わる。
「......せめて」
一拍置いて叫ぶ。
「せめて違うクラスにして下さい!!」
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