3.血筋(2/4)
「なんかあるね」
「ありますね」
「あるか?」
倉橋には何も分からないが、人外コンビ曰く何かあるらしい。
「結界が張ってありますね」
「全てのものを通さないなんて、どんだけ自分のテリトリーを穢されたくないんだろうね」
そう言って徐に朱雀が神社の前の鳥居に近づいて、手をかざすとパリンと音を立てて結界が崩れた。
「何の音?」
「結界を壊しました」
「ちょ、大丈夫なんか?!」
「大丈夫でしょ」
「神社に入らないことには何も始まりませんから」
楽観的な朱雀と、緊張した様子の天ヶ瀬に続いて神社の中に足を進める倉橋。
その時、山鳴りのような、腹の底に響く声が、境内全体を震わせた。
「誰だ」
鳥居の奥から、唸るような風が吹き荒れた。
砂利が舞い、木々がざわめく。
強風が吹き荒れる境内に現れたのは――
「あれってもしかして...天狗か?!」
「大物が出てきましたね」
翼を広げて現れたのは天狗だった。
長い鼻を上に向けて、空中から倉橋達を見下ろす。
「ワシの結界を破ったということはそれ相応の覚悟があってのことか」
「あれ怒っとるやん!まず許可もろた方が良かったんとちゃうか?!」
「許可をとろうにも結界で話すのも拒まれてたからさぁ」
モタモタと朱雀と話している倉橋に眉を顰める天狗。
「返答もなしか。ならば、力尽くで追い出すほかあるまい」
「いや判断がはや」
倉橋が止めるのも聞かず、天狗が攻撃する。
風が横を通ったかと思えば、倉橋の頬が切れて血が流れる。
「え、待って痛い!」
「朱雀!」
「まぁまぁ」
倉橋が、前回天ヶ瀬に貰ったお守りをかざして天狗の攻撃を防ぐ後ろで、天ヶ瀬を手招きして倉橋に聞こえないように話す朱雀。
「なんで攻撃を防がないんですか!」
「彼には成長してもらわないと困るんだよ。最近妖怪達の動きが活発化してきてるし、レベルアップイベントは必要でしょ?」
「だからって怪我させることないですよね」
憤る天ヶ瀬に意外な目を向ける朱雀。
すぐに表情を戻す。
「お二人さん?!いつまでこうしとればええんですか?!」
「明良君はこれから強くなるよ。嫌でも妖怪が寄ってくる。僕達もそうでしょ?」
納得はしたが不満気な天ヶ瀬。
「...わかりました」
「部長」と倉橋にゴニョゴニョと耳打ちする天ヶ瀬。
倉橋は「任しとき!」とお守りをかざしながら胸を叩く。
朱雀に目配せすると天狗に向かって炎が放たれる。
「ふん!」
天狗は思い切り団扇を振りかざして炎を吹き消す。
一瞬視界を奪った隙に、天ヶ瀬の姿が見えなくなった。
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