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ジゼルの婚約  作者: Chanma
恋にポンコツ
26/120

14.台拭きは要らない

「お兄様!お帰りなさーい!」

 私は玄関で勢いよく兄に抱きついた。

「ジゼル!おっと、倒れてしまうよ!」

 兄は私を抱きとめると、そのまま私の脇を抱えて、クルッと一回転してくれる。


「ジゼル、今日はまたお土産があるよ!」

 そう言いながら兄は、白い容器に入った、木の実のケーキを見せてくれた。

「やった!やった!私木の実のケーキは、これが一番好き!」

「それは良かった。これはいつも、軍の友人がくれるんだよ。」

「優しい人なのね!」

「そうだね。高位貴族の出身みたいだけど、全く、その事を鼻に掛けなくて、真面目で、親切な奴だよ。…うーん、ちょっと良く言い過ぎたかなー。仕事にストイック過ぎるのは玉に(きず)かな。」

「そうなのね。お兄様、そのお友達を今度、うちに連れて来てよ!」

「そうだね、ジゼルとも遊んでくれると思うよ。」

「それでね、それでね、遊びに来る時、このケーキをたっっっくさん!!持って来てって、お願いして!」

「あはは!甘い物の事になると、図々しいなぁー!ジゼルは。」

 兄は笑いながら、私の頭を撫でてくれる。


「おかえりなさい、テオドール様。」

 兄の声を聞いて、エイダンも玄関に出て来た。


「エイダン、ただ今!」

 兄は、エイダンに向かって嬉しそうに微笑んで、ギュッと抱きしめた。エイダンは、兄の無事をいつも心配している。


「エイダン!お兄様がね、また木の実のケーキをお土産にくれたのよ!」

「それは良かったですね、ジゼル様!」

「お兄様は明日お休みなんでしょう?このケーキで、またお茶会したい!」

「いいよ、ジゼル。」

「エイダン、準備お願いね!」

「かしこまりました。お庭にテーブルを置いて、ティーセットと、ケーキとお皿とパラソルと…ジゼル様が紅茶を溢れさせた時の台拭きと…」

「台拭きはいらないわよ!!」

「いやいや、一番必要な物ですよ。台拭きは。」

「エイダン、台拭きは2枚用意してくれ。」

「お兄様まで!!台拭きはいらないって言ってるでしょ!!」

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