旅の終わり
鳴り砂の浜 旅の終わり
昼食をとったイーグルホーク・ネックのビジターセンター近くの浜は、南極に行くアマンダさんのズグロチドリの調査手伝いで尚ちゃんが通ったところ。春が来てそろそろズグロチドリが戻ってくる季節だから見に行こう、と帰りに寄りました。白砂の浜は歩くとキュッキュッと鳴ります。打ち上げられたコビトペンギンの死体を見つけました。青みがかった灰色の背が優雅でした。
遠くにいる小さな姿。黒い頭がくっきりめだつズグロチドリです。3羽。まるでミユビシギのように波打ち際を行ったりきたりしながら、だんだん近づいてきて、とうとう肉眼でも特徴がよく見える20メートルほどの距離まで。繁殖期以外でも群れにはならず、ぽつりぽつりと間をおいて見られるとのこと。「頭だけ見るとミヤコドリみたいねえ」
夕闇せまる砂浜で、波を追って走るズグロチドリ。旅のしめくくりにふさわしい眺めでした。
翌朝6時半の便でタスマニア離陸。空港まで尚ちゃんが車で送ってくれました。彼女はたぶん車を返して、その足で仕事に出たのではないかしら。4時半に出発する私たちをパトリシアさんがわざわざ起きて見送ってくれました。
昨夜、瑞香さん、歩美ちゃん、私と3人で、尚ちゃんとパトリシアさんに書いた手紙を空港で投函。「楽しかったね。いろいろとほんとうにありがとうございました。またいつか、どこかにいっしょに行きましょうね。」
長々と「タスマニア・ショートステイ」におつきあいいただき、ありがとうございました。わずか5日間の滞在。「凄くいいところだったみたいですね」とメールをくれた猪俣等さんに、「ほんとうにとてもいいところで、楽しかった。でもどこであっても、そこに友達がいるところなら、凄くいいところ、と思ってもらえるように書くことができるかもしれない」と書きました。
虹の国、タスマニア。チャンスがあったら、みなさまもぜひどうぞ。




