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まずシドニーの植物園で

タスマニア・ショートステイ


  まずシドニーの植物園で


 行徳野鳥観察舎の非常勤スタッフとして働いていた竹内尚子さん。2003年12月から1年ほど、オーストラリア南の大きな島、タスマニアに滞在していました。当初はまず語学学校で英語を学び、その後は鳥の研究者のお手伝いをしたり、環境関連のボランティアやアルバイトをしながら、海外生活を送っていました。生活が落ちついたころに一度ぜひ訪ねたいと約束していたのです。同じく非常勤スタッフだった瀬戸山瑞香さん、露木歩美さんと、どきどき、わくわくしながら飛行機に乗り込みました。

 2004年9月9日、20時45分成田発。翌朝7時すぎにシドニー着(時差は1時間。日本では6時すぎです)。ここからタスマニアの州都ホバートへ向かう便が当初の予定より2時間ほど遅くなったため、6~7時間あきができました。荷物のチェックインをして、私たちの後にはお客さんがいなかったので、鳥見にはどこがよいかと聞いてみました。「地下鉄で15分くらいで植物園に行ける。動物園へはちょっと時間がかかるから、植物園のあたりがよいでしょう」とのこと。

 最初に目にした鳥は(ゴウシュウ)クロトキ(和名辞典に載ってない!)。飛んでいる姿を地下鉄の車窓から見かけてわくわく。サーキュラー・キイ駅から植物園は徒歩数分で、有名なシドニーのオペラハウスも植物園隣接でした。

 クロトキが何羽も飛んでいます。ツバメはわからない(止まってくれないので。ウェルカム・スワロー(リュウキュウツバメに近いはずだけれど、これも和名辞典に出ていない)とズアカガケツバメがいました)・カラスは白い(カササギフエガラス;フエガラス科)・ムクドリはでかい(ハッカチョウ;導入種)・ヒヨドリっぽくて、3羽もヒナを連れたのまでいたのは土着種のカオグロミツスイ。白黒くっきりでムクドリくらいの小鳥が大木の枝の上に泥の巣を。有名なツチスドリでした。こんなに派手で目立つ鳥とは思いませんでした。

 (ゴウシュウ)クロトキが気になって、低いほうへ、低いほうへ足が向きます。ヤシの葉をむしりとって行くものもいます。ふと見上げた木、なにやら大きな実が、と思ったら、オオコウモリがびっしり、でした。1本の木に200頭以上はいたと思います。照りつけるひざしの中でお休み中。翼をきちんとまいて顔を隠しているものも、かわいいキツネ顔がよく見えるものも。クロトキが葉をとりにくるのがうるさくて、怒ったり、たまりかねて飛び立つものもいます。夕方、どのあたりまで餌をとりに行くか見たかったなあ。


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