ツマグロヒョウモン 2009年10月
身辺雑記 ツマグロヒョウモン
8月28日からいきなり気温が下がって、例年にも増して秋への切り換えが早かったですね。1日おきに気温が乱高下。セミの声がぐっと減ったかわりに夜の虫の音はみごと。もっともアオマツムシばかりが耳につきますけれど。
延々と続いたお引越し作業とその後の片付け等々が7月いっぱいでようやく終わりました。管理人棟は無人のままで、観察舎本体にセコムが入ったというだけで進展なし。急激な気温低下で目下いちばんの青潮警戒態勢なのですけれど。幸いに8月末の台風は外房にまわったので、常勤の兄さんがたが泊りこむまではせずにすみました。通行の方が通報してくださった中学生のケンカ騒ぎはちょうど臨時理事会の最中で、男手ふたりが出向いて未遂に。管理人棟の玄関灯だけは気休めに毎晩つけてもらっています。
台風の置き土産は銚子から持ちこまれたコアホウドリ。昨年小笠原へのアホウドリ移住作戦でヒナの保父さんを1ヶ月続けた友の会インターン5期生の斉藤仁志くん、さっそくコノシロの切り身をすりおろしてチューブで給餌を。通常は3kg台の体重が1.3kgとおそろしく軽い。ぐったりしていた入院時よりはだいぶ元気になって、丸ごとの魚やイカを飲み込めるようにはなっていますが、まだ心配な状況。早く立ちあがってはばたいてほしいもの。
新居は家の中のあれやこれやにきりがついて、外回りが気になりはじめました。元の持ち主の方が物置や縁の下に刈込バサミやスコップ等々、庭仕事の道具をひととおり置いて行ってくださっています。「毎週草取りをしていましたよ」と言われていたとおり、敷いてある小砂利を埋めつくす勢いで元気に草が伸びてきます。草取り時にジャゴケと羊歯類(3種類)、それにタチツボスミレには手をつけずにいましたが、ある日スミレの葉がきれいに食べられているのに気づきました。見ると近くに羽をいためたど派手なツマグロヒョウモンが1頭。ナガサキアゲハとともにこのごろ急増している南方系の蝶です。成虫にも増してどぎつい朱色の太い毛に真っ黒な体の幼虫を見たいと思っていたら、蝶を見てから3週間ほどして、まだ2㎝もない小さいのが砂利の上を忙しげに歩いているのを見つけました。庭のスミレはどれもまだ小さい株なので、葉を食べつくすと次の株に移動するのでしょう。その後健全な成体がふわりと飛ぶのも見かけ、今日(9月7日)はスミレの小さな株に1cmくらいの幼虫が3匹もついているのを発見。ツマグロヒョウモンはわが家ではヤマトシジミに次ぐ常在種に?
猫どもは元気、元気。暗くなってから外に出してもらうと、いそいそと道路を渡り、お向かいの庭を抜けて、観察舎に続く芝生へ向かいます。どこかでなにやらごちそうにもなっている模様で、うれしげに舌なめずりをしながら帰ってくる日も。よそさまのご迷惑になっていないとよいのですが。「まぼろしの猫」こと尾無黒白雌の「ちんちく」は、週の半分前後は観察舎付近に潜んでいるようで、暗くなってから迎えに行くと、どこからともなく現われて、自転車にぴったりついて走ります。そのかぎりではケナゲ・忠猫そのものなんですけどね。
季節の変わり目。みなさまどうぞお大切に。




