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苗づくり   2014年6月

2014年6月

 どちらを向いても緑がきれい。どこかでシジュウカラがさえずっています。昨日は親子連れのシジュウカラがすぐ裏のお宅の木に出てきていて、鼻にかかったヒナの甘え声が聞かれました。

 一昨日夕方。「さぎどまり」の干潟にいたチュウシャクシギが、ほとんど自分の嘴くらいの長さの長方形(角がとれて長円形に近い)のものをくわえているのに気づきました。カキでも拾ったのかな、と望遠鏡をのぞくと、どうやらヤマトオサガニの胴体。足もはさみもぜんぶ振り落として、まず胴体から呑むのがチュウシャクシギのテーブルマナー。ところが、呑めない。長さ6cm、幅も3cmくらいはあります。いったん胴体を置いといて、振り落とした足やハサミを拾って食べました。近くに来ていたイソシギにはとても呑めそうもない部品ばかり。  あたりを丁寧に見て、もう残っていないので、さて、再度胴体にチャレンジ。呑めません。すると、チュウシャクシギは胴体をくわえたまま、激しく振りつけました。叩きつけてはいないけれど、そのうちに腹甲がはずれ、更に振っていると硬いはずの甲羅がだいぶばらけてきました。泥の上から小さいものをいくつも拾って食べ、さいごに大きな背甲だけが残ったところで、とりあえず満足したのか、片足を引っ込めて休憩。この間15分くらいか。

 カモもカモメもさーっと姿を消し、衛星追跡中のセグロカモメ「74番」は5月9日時点で三陸沖に達しているとか。「鳥がいませんねえ」とお客様に言われる季節です。カワウのヒナがどの巣でも見られる、とか、潮が引き始めると、カニより先にトビハゼが穴からにょろりと出てきて、小さな崖状になった岸べで登ったり、飛び降りたり、という姿とか、なんとかご説明を。          4月のうちは真っ黒な嘴と美しい婚姻色の空色の目先をしていたダイサギが、もう色あせて、嘴も付け根から黄色く戻りはじめているとか、見るものはいっぱい。今年も導流堤の上で抱卵を始めているコチドリくん、タヌキやカラスにとられませんように。それにしても鳥は少ないし、お客様も少ない!

 4月末からはもっぱら苗作り。3階の観察台をじわじわと古代米の苗が侵食しています。わりあい順調。種籾を水につけてから、4、5週間で田植えができるサイズに育ちます。以前の度重なる失敗は気温・土・水管理。もう大丈夫かな?

 今年は100円ショップでアルミの「焼きそばプレート」なるものを売り出したので、例年のお豆腐のパックに加えて、大型の苗代として使っています。大筋の種まきを終え、今はプッチンプリンのカップをためて、バケツ栽培用に差し上げる苗を作ろうとしているところ。ベランダでもお庭でも、お米が作れるのはうれしいですよね。ただ、バケツいっぱいだと収穫も1合分くらいなので、黒米の苗を作ったほうが食べていただく楽しみがあるなあ、と。 

 ヒナの季節。危険きわまりない三毛ふじこが、幸か不幸か3、4日前にももに大けがをして家でじっとしています。どこかの猫にひっかかれた傷。治るまでおとなしくしていてくれれば、運がよければ雀やムクドリのヒナが無事かも。   愛動物クリニックのお片身猫、右目失明のあいちゃんがこのごろとても甘えんぼになりました。私の部屋のふとんで誰でもすわるか横になれば、かたわらに来てひたすらゴロゴロ。いいようになでまわされたり、枕にされてもゴロゴロ。ほかの猫の影が心なしか薄くなって・・・それも困るんだけど。では。



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