3話 少年の決意
読みに来てくださりありがとうございます。
ストーリー自体はゆっくりと進みます。お付き合いしてもらえると嬉しいです。
隣村からホールン村までの道を無言で歩く3人がいたアシュル達である。アシュルとしてはそこまで悲しいほどではないのだが鑑定所を後にしてからのアールトーとアシュリーはずっと何かを考えているようで、行きのように明るくすることはできないでいる。
無言のまま歩くこと十分くらいで家に到着。ちょうど日も沈む頃だったため夜ご飯にすることになった。
やっぱりご飯の時ですらあまり会話がない。
「やっぱりうちの野菜は最高だね!美味しい」
アシュルがそう伝えても
「そうか、」 「ありがとう、、」
と一言程度しか帰ってこない。
そんな空気についにはアシュルも無言でご飯を食べ始める。やっぱり自分の恩恵はお父さん達からしたらいい恩恵ではなかったのかと思い始め、
「あの、、」
やっぱり僕の恩恵はって言おうとした時
「アシュル、先程の学園の件どう思っている。父さんからしたらやっぱりお前にはここにいてほしいと思ってしまっている」
「ちょっとお父さん。それはアシュルが自分で決めることで私たちが口を挟むことではないですよ」
「それは俺もわかっているつもりだ。だがわかっているだろう、モーラスさんは学園の卒業後は様々な職に就けると言っていたが元々学園自体、国の力の底上げを目的として王国が建てたものだ。ほとんどのものが王国騎士や兵士などの職に就くことを。それにそれは次いつ起きるかわからない戦争にも戦力として駆り出されるだろうということも」
「それはそう、、です「僕、、きたい」けど、、え?」
アシュリーが話してる最中にアシュルが小さい声で言った。
そして
「僕、学園に行きたい」
そう伝えたのだった。
「アシュル、、、それは、どうしてだい?」
顔をしかめながら質問し、アシュルの顔を見たアールトーは驚いた。そこには何か強い思いを抱いた目を向けるアシュルがいたから。
「僕はこの恩恵を授かったこと、何か意味があると思うんだ、、まだそれはわからないけど、学園に行かなかったらもっとわからなくなると思うんだ。それにこのままお父さんやお母さんに甘えてばかりでもダメだって思う、、、だから僕は学園に行きたい」
「そうか、、」
納得が行かなそうに返事をするアールトー
「なら行ってきなさい。学園へ」
そう言って笑顔でアシュルを見るアシュリー
驚いたようにアシュリーを見るアールトー
「あの甘えてばかりだったアシュルが、自分で考えて自分で行きたいって言ったんです。それなら私はもう応援するだけだと思いますよ。あなた。うふふ」
そう言ってアシュルからアールトーへと目線を移すアシュリー
「俺だって、、、わかってるさ。まぁーそうだよな、アシュルがそこまで言うのであれば応援してあげないとダメだよな、、、よし!アシュル」
「何?!お父さん」
「行ってこい!そして自分の恩恵を使いこなせるようになってこい!」
「うん!!!お父さん、お母さんありがとう!僕頑張るね!」
そうしてアシュルの学園入学が決まったのであった。
「じゃーあと一年は体力づくりのためにトレーニングだな」
「あとはある程度の知識、恩恵への理解もやらないとね」
「これから忙しくなるな」
「これから忙しくなるわよ」
とても怖い笑顔でサムズアップしてくる両親に
「あ、、やっぱり学園やめようかな」
アシュルは思うのであった。
3話読んでいただきありがとうございます。
誤字脱字、感想、ご指摘、など些細なことでも送っていただけると嬉しいです。
またよろしくお願い致します。




