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そして少年はまた一歩"最強"へ  作者: 槙 悟
4幕  学年別闘技大会予選 1回戦
37/48

36話  休日での出来事

読みに来てくださりありがとうございます。

36話  休日での出来事

アルバートvsローガンの試合が終わり、次の朝のこと。


「んあぁ〜〜」


と、あくびをしながら目を擦り、体を起こすのはアシュル


時刻は朝の6時。今日は1週間ある内の休みとなっている休日なのだが、アシュルは授業がある日と同じ時間に起きていた。


「じゃ、今日も行くか」


数ヶ月前から始めた走り込み。最初は何かと「辛いなー」など色々思いながらやっていたアシュルだが今となっては日課となっていた。


行く前に寝起きの顔を洗い、昨日のうちに準備していた動きやすい服に着替え始める。


着替え終わり外に出ようとしたタイミングで、


"コンコン、コンコン"


と、リズミカルなノックが聞こえてきた。


(ん、誰だ??こんな早くから。リコかな?)


「はーい」そう言ってアシュルは玄関の扉を開ける。

そして外にいたのはリコではなくアシュルと同じような動きやすい格好をしているミールだった。


◆◇◆◇

今から1時間半ほど遡る……


アシュルが起きる30分前の5時半にミールは起きていた。


「ふわぁーー、、、私なんでこの時間に起きたんだっけ??あ、そうだアシュルが毎朝6時ごろに走りに行くとか言ってたから私も行って脅かしてやろうって作戦だったんだ」


昨日たまたまアシュルに「いつも何時に起きてるの?」と、質問したところ「6時だよ毎朝走ってるからね」と教えてくれたので、自分のトレーニングも兼ねて一緒に走ろうと思ったミールは折角ならびっくりさせてやろうと企てたのだった。


「アシュルと2人なんて初めて話した時以来か、、

邪魔したくないからしっかり走るけど邪魔とか思われないかな、、」


いつもは明るくアシュルやリコと接してるミールだが、1人の時は案外弱気だったりする。


「うわ、、寝癖やばいよ。あと30分しかないし急がなきゃ」


洗面所の鏡を見ると髪の毛が大変になっていることに気がついたミールは、さっきまでの弱気な気持ちなんか忘れて身だしなみを整え始めたのであった。


◆◇◆◇

そして現在……


「ん?どうしたのミール。こんな朝早くから」


まさかミールが来るとは思わなかったのだろう。

アシュルが驚いたような顔をしながらミールに話しかける。


「にひひ びっくりした??

毎朝走ってるって言ってたから私も来ちゃった!

体力も付けたいし一緒に走ろう。」


作戦が成功したのか満面の笑みを浮かべ、一緒に走ろうとアシュルに誘う。


「う、う、うん。いいよ!いいけど〜遅かったりしたら置いていくからね」


ミールの笑みを見て一瞬ドキッとしてしまうアシュルであったが吃りながらも冗談を交えながら一緒に走ることを了承する。


「あ、そしたらリコも誘う?3人の方が盛り上がるよね?」


2人より3人の方がいいよねという趣旨でリコも誘うかと提案するアシュル


(むーー折角私1人で来たのにさー)


ミールは心の中で思いながら、


「え、、まさかアシュルは寝ている女の子をわざわざ起こして朝の走りに誘うつもりなの??最低〜〜」


アシュルをおちょくるように言ったのであった。


「たしかに、、それもそうか、、よし2人で行こう」


そうして、2人は寮を出て一緒に走り始めた。




走り始めた最初の方はペースが早いアシュルに、ついて行くのがやっとだったミール。

徐々に体が慣れてきてくれたのと、アシュル自体が少しだけペースを合わせてくれたこともあり今は会話をしながらでも走ることができていた。


「そういえばさ、アシュルってホールン村の出身じゃん」


「うん!そうだよ」


「寂しくないの?2年に1度は会えるとしても、やっぱり会おうと思ってもそう簡単には会えないじゃん」


「ん?2年に1度ってどう言うこと?ちゃんと毎年夏休みは帰省するつもりだよ??」


「え??まさかアシュル知らないの?この学園は2年生の時、4年生の2年に1度しか夏休みはないんだよ。そのかわり3ヶ月程度の長期の休みになるけど」


「うそ、、、」


ここまで生活してきて初めて知った事実に思わず足を止めてしまうアシュル


「うわーほんとに知らなかったんだ、、

なんかごめんね」


「いや、逆に教えてくれてありがとう。知らずにこのまま言ってたら僕落ち込んでたよ」


そう言って頭を下げてお礼をするアシュル

少しだけ重くなる空気


(もーーなんてタイミング悪いんだよ私。ばかーばかー)


アシュルに聞いたことをミールは後悔しながらも

このまま気まずいまま終わらせないため


「とりあえず足止まっちゃってるから今日はいつもよりゆっくり話しながら行こうよ」


アシュルに声をかけ、その場で足踏みし始めるミール


「そうだね。別に会えなくなったわけじゃないのに、、ごめんねミール。よし!行こうか!」


気を取り直して2人は走り始めた。





「はぁはぁはぁいやーーいい運動になってねアシュル!今度から私もアシュルと毎朝走ろうかな」


たわいのない会話をしながら走り終わった2人は寮の前にある広場で息を整えていた。


「僕は全然構わないよ。案外ミールと一緒に走るの楽しかったし。でも、今度はもう少しスピードあげるからね!!」


「うわぁ、スパルタすぎるよーアシュル。

でも、絶対ついていくもんね」


こうして毎朝の走り込みにミールも参加することになったのだった。





(今日はちょっと気まずくなっちゃったけど、明日から毎日一緒に走れるんだから、急がず徐々に距離を近づけていけば……うん!頑張ろう)


自室に戻り、汗を流すべくシャワーを浴びながらミールは先ほどのこと、これからのことを考えていた。


「もう7時15分だ!急がないと」


ゆっくりシャワーを浴びていると、毎日3人で食べている朝ごはんの時間まで15分を切っていることに気づき、ミールは適当に体を洗い身支度を整える。




どうにか間に合わせて、アシュルの部屋へと向かうとちょうどリコがアシュルの扉にノックをしようとしているところだった。


「あ!リコ〜〜おはよう〜〜」


突然声をかけられたことに一瞬"ビクンッ"となるも、

可愛らしい笑顔を浮かべ


「おはようミール!」


元気よくあいさつするのであった。




「じゃーご飯食べようか。いただきます」


「「いただきます」」


3人で話しながらご飯を食べていると


「アシュルは今日も走ったんだよね?」


唐突にリコが質問した。


「うん。毎日やらないと意味ないからね。あ、でも今日はミールも一緒に走ったんだよ!」


アシュルの最後の一言を聞いて

ミールは体を"ビクッ"とさせた


「ん?今なんて言ったの?」


うまく聞き取れなかったのか、アシュルに聞き直すリコ


「だから、今日は朝にミールも一緒に走りたいって言ったから、一緒に走ったんだよ」


アシュルの言葉を聞いて機械のように"ギギギ"と音が鳴りそうなほどゆっくりミールに顔を向けるリコ


「ミール?どうだった走ってみて。2()()()走ってみてどうだった??」


めちゃめちゃ威圧的な声で聞かれ、、


「はい…とても楽しかったです……」


すごく小さい声で答えるのだった。




その後、今度からミールも毎日走ることを知ったリコは「私も走るからね」と言って結局3人で毎朝走ることになった。



(結局いつもと同じになるのか……はぁ〜〜アシュルのバカーーー)


ミールの奮闘はまだまだ続くのだった。





36話読んでいただきありがとうございます。


明けましておめでとうございます。

3日まで休んでしまい申し訳ありません。

今日から再開します。


ミールが最近結構ぐいぐいきますね。

アシュルもモテるのかな??それなら羨ましいんですが、、、ハーレムとかはやめてくださいね笑


誤字脱字、感想、ご指摘などのコメントお待ちしております。

レビュー、小説フォロー、応援などもしてもらえたら嬉しいです。


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