2話 恩恵の効果
見に来てくださりありがとうございます。
そう言ってプレートを見せるアシュル
プレートを見ると
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アシュル 10歳
恩恵 「左手」
「右手」
恩恵量 100000/100000
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と表記してあって
「ん?」
「え?」
驚く2人
まず恩恵が2つあること自体に驚くことであるが、その名前自体も 左手 右手 という名前自体はわかるが意味が全然伝わってこないことに混乱する。さらには恩恵量が100000と表記されていて見るからにおかしい。
「ま、ま、ま、まずは、恩恵の効果を見てみよう、、」
そう吃りながら口にするアールトー
さすがは一家の大黒柱である。
そして恩恵の効果を見てみると
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「左手」・・・・1....想像した武器を形作ることができる。ただし、想像する物の大きさに比例して恩恵量も減る。
2....この左手で作られたものは「右手」の恩恵をもつものしか使えない。
「右手」・・・・1....「左手」の能力によって形作られた物を唯一扱うことができる。使う時に恩恵量は必要としない。
2....左手以外のものはいつ何時であっても一切使えなくる
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効果を読んでアシュリー、アールトーはさらに驚いた。
このような恩恵は今までで聞いたことがないのである。
恩恵と言っても今までは大まかにどんなものかわかるようになっているため自分が今後どのようにすればいいの大体はわかるようになっていた。大袈裟に言えば恩恵によって自分の将来が決まるため、恩恵に束縛されるようなものなのだ。だがアシュルの恩恵に関してはアシュル次第で何にでもなれることが可能な恩恵である。
そして2人は先程グーゲンが国のものといったことから大体が予想できてしまった。
そう、息子がもしかしたら自分達の手から離れて行ってしまうことを、、、
そんなことを考えていると、
「お父さん、お母さん、やっぱり僕変なの?」
アシュルがすごい怖がっているような顔になっていることに気づく
「いやごめんごめんアシュル、アシュルの恩恵がすごいから驚いてたんだ」
アールトーが心配させないように言う
「すごいの?」
アシュルが聞き返すと
「この恩恵は他に類を見ないアシュルだけのオリジナルの力なのよ、すごいに決まってるじゃない!!」
自分達の心配よりも今は確実にすごいであろう恩恵を息子に伝えるため精一杯の笑顔で伝えるアシュリー
「そっか!じゃあ僕の恩恵はすごいんだね!やったね」
素直に喜ぶアシュル
5分くらいしてから、2人でアシュルにこの能力のことについて簡単に教えていると、"コンコン"ってノックの音が聞こえ、部屋の中に先程出て行ったグーゲンと偉い人なのだろうとても整った服を着る人が現れた。
「はじめまして私は南大陸キリ王国から派遣されここ一体の村などの管理をしているモーラスと申します。」
部屋に入った途端挨拶をしてきた。
グーゲンと同じくらいの歳だろう少し白髪が混じっている。
そして部屋にいるアシュルたち3人をみるや
「ほぉー農家の方達だったか、グーゲンほんとにそこの少年が珍しい恩恵とやらを手にしたやつなのか?とてもそうには見えんないが」
とても蔑んだ目で見られ少し空気が重くなる。
お父さんの顔を見ると額にシワがよっているのがわかり怒っているのだろう。
「モーラス殿まだ10歳の子供ですぞ、そのような発言はおやめください。農民だろうとなんだろうと平等に接するべきと数年前に決まったはずです。
それに恩恵の件に関しても私が確認しておりますので間違いありません。」
グーゲンに言われ舌打ちしながらも
「申し訳なかった。アシュル殿でよろしいか是非私にもプレートを見せてもらえないか」
そう嫌そうな顔をしながらも頭を下げ、しっかりとお願をしてくるモーラス。わかってはいても態度はそう変えることはできないのだろう。
そうこのグローリアでは数年前まで農民などの人々は王国、貴族からのひどい扱いや差別的発言などを受けていた。それに耐えられなくなった者たちがクーデターなどを起こすことが多くなったため、各国などから身分などは変えられないが平等であるべきだと差別的扱い、発言を止めるよう条例が出されたのである。だかやはり納得いかないものもいるのも事実であり、少なくはなってきているが未だ差別的扱い、発言などをしてしまう者もいるのである。
そんなことを知らないアシュルは
「はい、どうぞ」
笑顔で答えモーラスにプレートを渡した。
「ほぉー、、、、確かにこれは見たことない恩恵だな、恩恵量も貴族たちと引けを取らないほどか、これからまたさらに増えるとなると、使い方次第では王国の、、ありがとうアシュル殿とてもよい恩恵を手に入れたな。おめでとう」
そう言ってプレートを返すモーラス 何か呟いていたがアシュルは気にせず受け取る。
少しの沈黙の後、モーラスとグーゲンが何かを話しはじめた。途中「学校」やら「でも農民だぞ」など聞こえたが話が終わったらしくモーラスが再度こっちを向き直した。
「アシュル殿あなたの恩恵はとても優れています。ですので11歳から我がキリ王国にある王立恩恵総合学園に入学を推薦いたします。」
「恩恵?学園?」
「そうです、優れた恩恵を持ったものが恩恵などの知識をより深めるために学ぶところでございます。行くも行かないもアシュル殿が決めることでございますので強制は致しません。ですがこの学園は南大陸から選ばれた恩恵を待つ子供しか入ることが出来ずその他のものは学ぶことするしないで成人を迎えます。卒業後も様々な職に就くことができるでしょう。悪い話ではないとは思います。ですが入学後は寮に入ってもらいますので家はでないといけません、、
学費などに関しましては推薦の場合全額学園が負担としていますので案してもらって構いません。すぐに答えをとはいいません。1週間たったらそちらのお宅に伺いにいきますのでその時までにご家族でよく話し合い決めていただきたいのです」
アシュルはその話を聞いて全部理解はできなかったが、とてもすごい話なのだろうとはなんとなくだが理解できていた。それに加えてこれからの人生を左右するであろう選択を迫られていることにもなんとなくだが感じていた。
「こちらからは以上になりますので、今日はお帰りになってもらって構いません。先ほどもお伝えしましたが1週間後伺わせていただきますのでその時までにどうするか決めておくようお願いします」
アシュルは先程からずっと黙っている2人を気にしつつ部屋を後にするのであった。
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