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そして少年はまた一歩"最強"へ  作者: 槙 悟
4幕  学年別闘技大会予選 1回戦
26/48

25話  第5試合 フリージアvsトーレ

読みに来ていただきありがとうございます。

金曜日 学年別闘技大会の予選 3日目



    第5試合 フリージアvsトーレ


トーレ 男爵家の次男 クラス編成試験38位

恩恵は「扇動家」この恩恵は非戦闘職の分類に入っている。効果は扇動することで発揮するとされている。


お互いがそれぞれ開始位置に立つ。


この試合、フリージアもだが、2階で見ているクラスメイトはトーレが負けると確信していた。

5試合目の対戦カードが発表された時、よくトーレと一緒にいる人たちは棄権するよう促していた。

一応この予選には棄権の選択肢が与えられている。

トーレは棄権もすることができたのだが、


「俺は負けるなんて思ってないよ。やってみないとわからないさ」


そう言って開始位置に歩いて行ったのである。


審判から開始の合図が出される。


        "始め"


フリージアは開始と同時に光の剣を作り出しトーレに開始早々打ち込もうとしていたのだが、トーレを見た瞬間その手を止めた。


なぜなら、トーレがしゃがんでいた。それも何か手に緑の箱状のものを3つほど。


驚いたが、一瞬で馬鹿にされていると思い頭に血が昇るフリージアは攻撃すればいいものの話しかけてしまった。


「あなたは私のことを馬鹿にしてるのかしら」


怒りながらもしっかりとした口調で話すのは流石の一言だが、トーレから帰ってきた言葉は想像しているものではなかった。


「逆にフリージア様は俺のことを馬鹿にしているのか。

俺はフリージア様を倒すために色々考えてこれにしたんだ。1対1だと俺は無力だからな」


フリージアは後悔した。(開始と同時に問答無用で攻撃するべき)だったと、、


ついに準備が整ったのだろうトーレが立ち上がると。

2階にいる女子がうめき声をあげた。男子達も数人は気持ち悪いと言いたげな顔をしている。


何故か?それはトーレの周りにウジャウジャウジャウジャと小さい生き物達がうごめいているから。


さらにトーレの恩恵が発動する。


         "扇動"


この効果は扇動対象を身体強化し、自分の思い通りに動かすことができる。ちなみに動かす強度も設定でき、自分よりも強者は無理だが、やろうと思えば思考すら操ることができ、死すらも恐れない兵士を作り上げることもできるという。


そして、今回トーレは扇動を虫に使用した。


1週間ほど前のこと

トーレは学年別闘技大会の予選でどのように戦うのかを考えていた。恩恵学1では扇動が効く対象、もし効く場合どのような効果が出るのかを調べ、1対1の対人戦で使える駒を探していた。

ある日放課後、気分転換に寮付近を歩いていた時、自分よりも数倍も大きいものを運んでいる虫をアリを見つける。そのアリに興味を抱いたトールは扇動をかけてみる。

そうすると体が5倍以上に大きくなったのだ。元々のサイズであれだけのことができるなら、今のこのサイズなら、、と考えたトーレはその日から初戦に向けて、放課後クラスメイトにバレないよう虫を集めるようになった。


トーレが今回連れてきた虫の種類は3種類。

アリ、ダンゴムシ、カマキリである。

数は順に、50匹、20匹、10匹となっている。

さらには3種類共に、サイズが5倍ほどになっていく。


虫の気持ち悪さに引いているフリージアへトーレは容赦なく命令を下す。


        "かかれ"


命令と共にそれぞれの役割を全うするべき動き始める虫達。

アリは地下に潜り、ダンゴムシはトーレを守るように、

カマキリは真っ直ぐフリージアに進んでいく。


流石のフリージアでも冷静ではいられない「イヤァーー」と叫びながら、恩恵をフル使用。

光の剣合20本、光の槍30本が瞬時に出来上がる。

さらには自分を囲うように結界を発動し、治癒能力を結界に付与し、結界自体が自己再生するようにまでする始

末。

光の剣、光の槍はまばらながらトーレを目掛け飛んでいく。だが、ダンゴムシに阻まれトーレには届かない。


「なんて硬さなの、、」


と、言いながらも今度はちゃんと制御している上でトーレに攻撃を放っていく。


フリージアはカマキリや、どこに行ったかわからないアリなどを気にするよりも先にトーレの方をやってしまおうという作戦を立て、トーレ及びダンゴムシを攻撃していた。


トーレの指示によりフリージアに向かって全身していた、

カマキリはやっと結界まで辿り着いたのか攻撃を開始。

カマキリの攻撃はその一撃でフリージアの結界にヒビを与えた。


「何よ、その威力」


いつもどんなことがあろうと冷静で振る舞っているフリージアからは想像できないような発言のオンパレードに

クラスメイトは驚きを隠せない。


フリージアには結界があるものの、サイズが5倍のカマキリ10匹に囲われている。さらに、カマキリの攻撃は一撃でフリージアの結界にヒビを与えるぐらいなのだ。それに加えて、トーレに自分ができる最大の攻撃を放つも、

ダンゴムシにシャットダウン。トーレの代わりに攻撃を受けたダンゴムシは当たり前のように無傷。

アリなんてどこにいるのかもわからない。

こんな中でフリージアは弱音しか言わず未だ戦っているのだ。もう勝利と言ってもいいぐらいだろう。


「ふん、よく耐えましたフリージア様。

これで終わりにしましょう」


トールが仁王立ちで言った。


「これ以上、何をするって言うの、、よ、、

イッッッッッッヤーーーーーー」


トーレがフリージアに宣言した瞬間にそれは起きた。

フリージアが展開する結界内に無数の穴が開き始める。

そこから、大量のアリが登場。そしてフリージア目掛けて猛スピードで近づいて来たのだ。

トーレの言葉に返そうとしていたフリージアは流石に耐えることが出来ず、泡を拭きながら倒れてしまった。


トーレとフリージア以外では、1番近くでその現場を目撃してしまった審判は顔を青ざめながらトーレの勝利を宣言するのであった。


      第5試合 フリージアvsトーレ


         勝者 トーレ



、、、トーレは試合に勝ったがその後クラスの女子からは絶対近寄られることがなくなり。膝から崩れ落ちるのだった。

25話読んでいただきありがとうございます。


まずは皆さまメリークリスマス。

そして遅くなり申し訳ありません。

さらに今日はこの1話だけとなります。

ほんとに申し訳ありません。


さて、こちらにも謝らなければいけない、、

フリージア、私は悪くない。全部トーレが悪いから決して私を恨まないで欲しい!

でも、トーレを止められなかったから私も悪い。だから謝るごめんな、、


よしトーレざまあー


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レビュー、小説のフォローなどもしていただけるととても嬉しいです。よろしくお願いします。


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