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そして少年はまた一歩"最強"へ  作者: 槙 悟
4幕  学年別闘技大会予選 1回戦
21/48

20話  第1試合 ラーナvsショーン

話を見に来てくださいありがとうございます。

学年別闘技大会の予選の日が来た。1日目である。

試合自体は午前2試合、午後2試合それを予選が終わるまで毎週金曜に行う形となっている。


◇1回戦


     第1試合  ラーナvsショーン


初登場のショーンは試験順位36位。恩恵は「投擲師」

投げる武器に置いて天賦の才を持つという恩恵である。


恩恵としてはとても優秀な分類に入る恩恵だ。

鍛錬を積むことで投げた武器が相手を貫き、自分の元に帰ってくるなどの技も使えると言われている。


では、なぜショーンは36位と、このクラスの中では低い方にいるのか。 

ショーンという男の子がとても優しい性格で入学試験の対人戦の際に相手を傷つけず勝とうとしたからとだけ伝えておこう。


対するラーナ。彼女は入学試験の際グラニルに敗北したが、その戦いっぷりに順位はそのままで無事Sクラス入りした。

あらためて説明しておこう。ラーナの恩恵はこの国の呼び方で、「水属性師」という。

水の属性攻撃に置いて天賦の才を持つ恩恵である。


説明が長くなったが、ついに1試合目が始まる。


場所は寮内の特別訓練場。他の場所は今回ばかりは他のクラスに譲る形になった。


両者が持ち場に着く。


審判から開始の合図がかけられる。


         "始め"


合図と同時に攻撃を仕掛けたのはラーナ。水を細長い武器のようにして飛ばしていく。先手必勝スタイルはこの間の試験と変わりはないが、あの時の少し大雑把な攻撃はしっかり治されていて、今回はしっかり水を圧縮。さらには回転力をつけて貫通能力を上げている。


初撃に対してショーンはと言うと。動じることもせず懐からこちらも細長い武器を軽々しく投げる。

さすがは投擲師だろう。軽々しく投げた武器でさえ、体を貫くほどの威力が込められている。


2人の攻撃はちょうど中間のところでぶつかり合い、ラーナの水は地面に落ちシミを作る。対してショーンの武器は"キンッ"と金属音の音と共に地面に落下した。


すぐさま次の攻撃をしようとして水を作り出すラーナ。だがもう自分の元へと飛んできていた武器に気が付き、

攻撃を中止すぐさま向かってきた箇所に顔ぐらいの大きさがある水の玉を作り、回転力をつける。そうすることでショーンが放った貫通力の強い武器でも回転力を失い水の中で停止する。


「珍しくやる気なのねショーン。今回も試験でしてたみたいに甘い考えをしていることを期待したんだけどなー」


水の玉を解除しながら話しかけるラーナ


「僕だって嫌だけど、これでも貴族だ。みっともない姿をこれ以上見せるわけにはいかないからね。少しの怪我で終わらせられればいいんだけどね、、」


しっかり傷つける覚悟を決めてきたショーンにラーナは少し焦る気持ちが生まれていた。


(ショーンが本気になったらちょっと厄介かもしないわね。さっきのを見ると防御にも水の動きを受けないといけないみたいだし。なんで私の相手はこんな奴らばかりなのよもーー)


内心で文句を言い始めるラーナ。文句を言いながらも、しっかり攻撃するための武器を作る。


また2人の武器の投げ合いが始まった。今度はお互いに相手の死角を突くため動きながら。


攻防戦を繰り広げながら技を出し合う2人。

一向に距離と戦況だけが進まない。


(あーもうこれは見せたくなかったし、恩恵量の消費が激しいから使いたくなかったけど、そんな余裕はないわね。

私は恩恵で水を作り出すところから恩恵量消費しているのだし。全くいつになったら武器がなくなるのよ。全然なくならないじゃない)


心の中で悪態を吐くラーナ。


(いや、ラーナ強すぎるよ。僕結構本気で投げているんだけど。それが水の武器で壊れはしないけど相打ちって、、

あーこれはもう使いたくなかったけど使っちゃえ。治癒専門の先生がどうにかしてくれるよ、きっと。)


ショーンはショーンでラーナの強さに焦りを見せていた。


そしてお互いがお互いかくごをきめる。


「ショーンこれで最後よ」


「ラーナごめんね、これで最後にする」


ラーナはその言葉と同時に水を大量に放出。その中の半分ほどの水がラーナの体に纏わりつく。やがてその水は鎧のような形になり、流れを生みながら、ラーナを覆い尽くす。残りの半分は大きな盾と剣に変わっていく。

これがラーナの今できる最高の技であった。


対するショーンは、ラーナの変身?の隙に近くにある武器を回収し補充そして残りの全ての武器も手に収めていく。全ての武器が先端だけなぜか濡れているが、誰も気づかない。


お互い準備は整った。静まり返る訓練場。

先に動いたのは、やはりラーナ。ほんとに肝が据わっているとしか思えない。


盾を前に出し、剣を振りかぶりながらショーンに突っ込む。


ショーンは突っ込んで来たラーナに向かってではなくあらゆる方向に手に持っていた武器を投げる。

武器は大きな弧を描きながらラーナに向かって全方位から攻撃をする。


そして、ラーナはその武器の攻撃がきて思わず止まってしまった。そう止まってしまったのだ。全方位からラーナに突き刺さる武器。だか、その全てを水の鎧が防ぐ。

ラーナは防ぎ切ったことを確認して再びショーンに向かって突っ込もうとするが、一歩踏み出した瞬間膝が崩れた。全身が麻痺しているような感覚に襲われる。集中して初めて形成される水の鎧や武器たちは形を留めて置けず重力に従い地面に落ちていく。


それでも動こうとラーナは踏ん張り前を見る。見たと同時に首筋にちくりと少しの痛みが。

そのままラーナは気絶して倒れたのだった。


「勝者 ショーン」


審判から告げられ第1回戦 第1試合はショーンに軍配が上がった。




補足しておこう。ショーンが最後に投げた武器は先端に麻痺を起こす液体が塗られていた。ショーンはその武器をラーナ自信に投げるのではなく、纏っている水に当たるように投げたのだ。水を経由して、ラーナの肌に触れるように。それが今回ショーンがラーナに行った最後の攻撃。ショーン自体、麻痺するかどうかも分からず完全に賭けではあったが、運も実力の内。正真正銘ショーンの勝ちであった。



     第1試合 ラーナvsショーン


        勝者 ショーン


20話読んで頂きありがとうございます。


遅くなってしまいました。すいません。

昨日は1話に2試合とお伝えしたのですが、思いのほか長くなったので分けました。よろしくお願いします。


今回から予選ではありますが大会が始まりましたね。入学式よりは成長していると言うところも今回の見どころとしたいなと考えています。

ほとんど入学式の時載せてないんですけどね笑

今回の大会を通してアシュルがどんな経験をするのか私も楽しみです!


この後すぐ次の話も公開いたします。

それらも見ていただけたら嬉しいです。


誤字脱字、感想、ご指摘など、コメントお待ちしております。

レビュー、小説フォロー、ハートなどもしていただけたらとても嬉しいですし、励みになります。どうかよろしくお願いします。


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