17話 始まった授業 ある人物の訪問
読みにきていただきありがとうございます。
少し長くなりました。すいません。
部屋へと帰る途中。
「やっぱりアシュルは強いね。あのグラニルでさえも一瞬だったしね!ざまー見ろだー!!」
リコは案外グラニルみたいなのが嫌いなのかもしれない。
そう思うアシュル。
「ありがとう。でもこれで引き下がるようなやつじゃないと思うし、これからも色々ありそうだね。それに1発でもあれを受け流しているから、僕ももっと練習しないとな」
リコに返事をしながらこれからのことを考えるアシュル
「ほんとにすごいなアシュルは、」
アシュルに聞こえない声で、そう呟くのだった。
次の日、何事もなく授業が始まった。グラニルはとても睨んでいたが、周りは昨日の模擬戦を見て恩恵量だけではないと思ったのだろう。アシュルを見る目が前までとは多少なりとも変わり、馬鹿にしたものだったりが、対等として見てくれているように思う。
だがラルクだけは少しばかり馬鹿にしたような目を向けてくる。
「はーい授業を始めますね」
ルリーナ先生の掛け声により授業が始まる。
授業は恩恵術1なのでほとんど自主みたいなものだ。
攻撃に名前をつけるべく頭を悩ませる人や午後の実技に向け新しい技を考え、頭の中で動きを確認しているものがいる。
リコはいつも大事そうに持っている剣をきれいに磨いてる。
リコの姿を横目にアシュルは久しぶりにプレートを開いた。こっちにきてからまだ1回も開いていないことに気付くアシュル。こないだリコにもあんまり見ないよねと言われてしまったのだがそれすらも忘れてしまっていた。
普通の人は感覚でなんとなく新しい技を覚えたと気づくらしい。案の定プレートを開くと新しい技があるみたいなのだが、どうもアシュルにはそう言う感覚がない。気づいたら書いてあるのだ。何かしら教えてくれたらいいのにと思うアシュルである。
プレートを開いたら新しい効果は増えてはないが案の定既存の効果が変更されていた。
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アシュル 10歳
恩恵 「左手」
「右手」
恩恵量 250000→300000
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「左手」・・・・1....想像した武器を形作ることができる。ただし、想像する物の大きさに比例して恩恵量も減る。
2....この左手で作られたものは「右手」の恩恵をもつものしか使えない。
3....一度でも作ったことがある武器においてはその武器に必要な恩恵量の2.0→1.5倍を消費することにより同じ性能のものを作成ことができる。
4....恩恵量を500→10消費することで作った武器を直接右手のストックへ送ることができる。
「右手」・・・・1....「左手」の能力によって形作られた物を唯一扱うことができる。使う時に恩恵量は必要としない。
2....左手以外のものはいつ何時であっても一切使えなくる
3....左手で作られたもの5000→10000個まで右手の中にストックすることができる。
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このように変わっていた。
ひとつだけものすごく強化されているものがあり思わず
「うぇ?!」と声を出して驚いてしまうアシュル。
今までアシュルは左手の直接右手のストックに送る能力を使ってこなかった。なぜなら、1回に作る量が多すぎるため、毎回500消費してストックに送っていたら流石のアシュルでも恩恵量が尽きてしまうのである。
だが、今回それがたったの10だけ消費すれば送れるようになり、今後この恩恵学1の時もみんなに使ってるものを見せず作成し、右手に送れるようになったのである。
早速試して見るアシュル。
いつも自分の部屋でやってるように机の上に左手と右手の手のひらを仰向けにして置く。そうすることで直接送ることができるのだ。そして作業を行い始めるため目を閉じる。これは集中を高めるためのアシュルの癖だ。
側から見たらアシュルがただ暇を持て余しているようにしか見えないだろう。ルリーナ先生ですらアシュルの姿がそう見えたのだろう目を閉じているアシュルに話しかける。
「アシュル君、流石に自分の恩恵を磨く時間だからって寝るのはダメですよ。えーいくら学年1位であろうと許しませんよー」
と言うふうにいかにも先生でしょみたいな口調で話してくるルリーナ先生。
こんな先生だっけと思いながらも、アシュルは
「いやこれでも作業してるんですけど、、
逆にこうやってやらないとみんなが集中できなくなると思うんですけど、いいんですか?」
逆に大丈夫?っと質問する。
「みんなも集中していますし、そんな隠さなくていいと思いますよー。それに、やってるところが見えてる方が私的にもちゃんと授業やっている感出ますしね、、」
そこまで言うならとアシュルは使ってみたかった直接送る技を使わずに左手である程度作成したら右手にストックして行く今までのやり方で作業を再開した。
流石に散らばるとまずいので、武器として、武器としてだ木箱を出す。
そしてそんなかにとりあえず最近補充してなかった木弾を作成して行く。
まずはシリンダーセット木弾バージョン!それを左手からドバドバ作成して行く。
何故か教室にガチャンガチャンと金属が当たる音が響く。
でもそれすら気になる様子がなくみんなアシュルの左手に注目して行く。結局みんなの手はアシュルが何しようと止まるのであった。
無事全ての補充が完了したアシュルはみんなに見せたことがあるバイソンを取り出し分解。そして掃除を始める。
「アシュル君、君が使っているその武器はなんて名前なんだ。僕ですら見たこともないし、聞いたことがないぞ」
急に話しかけてきたのはラルクであった。
「隠すことじゃないし言うけど、これは銃と言うんだ。
んー普通に僕が持っている武器の本には書いてあったんだけどな。この武器は恩恵を持たない。だからラルク君が知らないのもしょうがないんじゃないか?ほら」
そう言って一瞬で左手で適当に銃を作って机の上に置くアシュル。
置かれた銃をラルクは触ろうとするが、触れられるのはアシュルだけなので触れない。だがラルクは意地でも触ろうとする。多分何かしらの弱点見つけたいんだろうなって思いながら、自分は作業を続ける。
ラルクの質問や今机の上でおきていることがみんなも気になるのか徐々に集まってきた。まさかのルリーナ先生ですら。
「恩恵を持たないってどう言うことなの?アシュル、、君」
周りにいっぱい居るせいで誰から質問されたのかすらわからないが、多分女の子だろう。
「んーなんて言うんだろう、簡単に言うとグラニル君の恩恵みたいにその武器を活かすことができる恩恵があるけど、その銃と言う武器には生かすことができる恩恵がないってことかな」
聞いたくせ銃に夢中で全く聞かないことにイラッとなったアシュルであったがスルーをしたのだった。
その日の恩恵学1は誰がこの銃を触ることができるのかなんてことをし初めて、チャイムが鳴るのだった。
午後の実技、先程とは違いみんなとても緊張していた。
アシュルもそれは同じであった。
理由は、、
「はじめましてではないのかな?この学園の校長をしているセフィルスだ。今日は暇だったから見にきた。皆はいつも通りと言うかやりたいようにやってくれて構わんからの」
この人だった。
「セフィルス校長来るなら来ると事前に言っておいてくださいよ。本当に自由人なんですから」
セリーナ先生からの文句に、いやーとペコペコする校長。こんな校長だがアシュルはセフィルスが放つオーラが強者であることをなんとなくだが感じとっていた。
緊張の雰囲気の中、各自先程の恩恵学1で思いついた技などをやり始める。
アシュルもみんなに見せた武器がバイソンだけと言うこともあり、バイソンだけにはなるがいつも行っているトレーニングのミニバージョンを始める。
他のみんなは、銃を使っているところを見たいのだろう。
チロチロアシュルのトレーニングを見ているが、セフィルス校長のおかげもあり渋々自分のやることに集中し出す。
ちょうど30分くらい経った時だろうか一旦汗を拭くため脇に置いておいたタオルを取りに行き。顔を拭くアシュル。その時違和感に気づく。
(ん?音がしない??)
そう、周りから音が消えていたのだ。先程までは集中していたがたしかに音はしていた。だから今音が全くしないのは異常事態としか言えなかった。
瞬時に判断してタオルを置き、とりあえず接近戦を警戒のためエレファンを取り出す。そして周りを見た時さらに驚いた。
(え??なんでみんな停止してるの?)
そう、みんなその場で停止していたのである。
「それはわしの恩恵の効果じゃよ」
停止している人の間をするりと抜けてこっちに来るのは、
この学園の校長、セフィルスだった。
すぐさまエレファンをセフィルスに構える。弾はもちろん実弾。この瞬間にいつもセットしている木弾から実弾に変えて居るところ日頃のトレーニングが役に立って居ると言える。
「その武器までも完成していたか。見に来て正解だったな。もうわしとか言うの疲れたし、あいつに怒られるけどいいや。アシュルよそんなに構えるな別に俺は敵じゃない。1回話したかっただけだ」
そう言ってセフィルスはだんだん50代、60代ぐらいの見た目から30代ぐらいの見た目に変わって行く。そして、アシュルと話したいと言ってきた。
「それに俺はやろうと思えばお前ぐらいなら停止させることができる。それにこの停止は1年の先生達でも無理だろうな。編成試験の対人戦で見せたお前の高速攻撃すら見えてなかったんだからな、できるとするなら精神力、恩恵量などが相当高くないと無理だ」
セフィルスの言ってることが嘘ではないとわかり、エレファンをしまうアシュル。
「そしたら直接話せばいいじゃないですか。わざわざ時間止めなくても」
「いや、いいんだが俺が話したいのはお前の恩恵の効果の詳しいこととか、どこまで武器を再現できて居るのかってことだぞ?みんなの前で聞いていいのか?隠してるのだろう?」
なんだかんだ気遣ってくれて居ることがわかったアシュルは丁寧にお礼をする。
「それはいいってことだ、とりあえず手短に話す。今日この授業が終わったら、俺の部屋に来い。場所はわかるだろう。そこで詳しく話そう。この時間停止は馬鹿にできないほど恩恵量食われるんだよ。話が長くなったらだるい。じゃーよろしくな」
アシュルの意見は全く聞かず元の位置に戻り、時間停止を解くセフィルス。何事もなかったかのように再開する授業。アシュルだけは、セフィルスの凄さと身勝手さ、さらには一瞬ではあったが緊迫した空気に疲れたのか、その場で座って休憩をしていた。
授業が終わり、一旦部屋に戻った後入学式以来歩いてないホールまでの道のりを歩くアシュル。
(いや、しかしあんなすごい技を持っている人がいるのか、案外僕も自惚れているのかもしれないな。もう一度作成だけじゃなくて色々考え直さないといけないのかもな)
心の中で独り言を言いながらホールの先にある学校のシンボルである、まるで城みたいな建物に入って行くアシュル、長い長い階段を見つめながらトレーニングかよとツッコミを入れながら走ってかけて行くアシュル。昔のようにすぐにバテることはなくなり少し息を切らしてはいるが楽々登り終えることができた。
息を整えながら、目の前にある3メートル以上はあるでかい扉をノックする。・・・返事が来ない。恐る恐るその扉を押しながら開けるアシュル。開いた扉から見えたのは先程の扉よりひと回りほど小さい扉だった。
なんだよこれはと心の中でまたもやツッコミを入れるアシュル。もうノックもすることなく扉を開ける。そしたらまたひと回りほど小さくなる扉が出てくる。ツッコミすらしなくなりイライラしながらどんどんひと回り小さくなる扉を開けるアシュル。もう既に、扉は大人がぎりぎり通れるかぐらいの大きさになっていた。それもノックをせずに開けるアシュル。前を見たらもう扉はなく、
頭に!?このマークが浮いてそうなぐらいびっくりしているセフィルス校長の姿があった。
「びっくりしたーーノックくらいしてくれよ」
なんて呑気なことを言ってきた。
額に青筋を浮かべながら、
「校長室にこんな遊び心はいらねー」
と、今までの中で1番大きいのではないかと思うぐらい大きな声で叫び、バイソンをセフィルスに向けて発砲したのであった。(ちゃんと実弾)
17話読んでいただきありがとうございます。
やっと自分が出したかった厨二的要素の、時間にまつわる力が出てきましたね!あーー嬉しい!ほんとにこれぞ小説の醍醐味と言えるぐらい嬉しいです。(ガキですみません、、、)
気になるセフィルスとの会談の話しは、今日中には上げるつもりです!
後、最後の扉のくだり、、これは素直に言います。遊びました。すいません、、出来心です。
でもたまには許してください。(ほんとはもっと入れたい、)
今回とても嬉しいことがありました。はじめてのコメントをいただきました。ほんとに励みになりますね。
ということで、誤字脱字、感想、ご指摘、などコメント本当にお待ちしております。なんでも励みにして頑張ります!
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