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そして少年はまた一歩"最強"へ  作者: 槙 悟
3幕 闘技大会に向けて
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13話  アシュルの強さ リコの決意

読みにきていただきありがとうございます。

次の日は起きたのは朝の4時であった。昨日は余程早く寝てしまったのだろうと思うアシュルは机にいつもお世話になっている本を出す。読む前に来週までの予定を決めるべく考え始めるアシュル。


「んーーとりあえず暇だから久々にトレーニングでもしようかな。来週までは5日間か、、なら昼ごろから特別訓練場を借りることにしよう。たしか予約はこの学生証をかざせば予約できたな、日にちも指定できるみたいだし、

一気に5日分の予約しちゃうか。そして、朝は筋トレと言いたいとこだけど、最近結構筋肉ついてきたし軽めに済まして、作成に費やすか」


早速筋トレを始めるアシュル。

30分ほど行った後、パッとシャワーを浴び再び机に向かう。


(しかし、この机はほんとに作業しやすい大きさだなこれは、家よりも捗りそうだ)


そう思いながらアシュルはもう開くだけで銃のページが開く本を開け久しぶりに銃以外の武器を見始める。それも恩恵では扱えない武器たちを。そして一枚のページに目が止まる。


(そう言えば、リコが言ってたな。この武器はまだ誰にも使われてないって)


じっくり読み始めるアシュル。


(えーと、、名前は"刀"これは剣とは違い片方の刃でしか切れないのが特徴か、、でもそれってデメリットにしか思えないんだよな。


ほう、、刀にも2種類あるのか、返しというのがあるのが太刀で真っ直ぐなものが大刀というのか。見た目的には太刀がいいな。うん、もし作るのであるなら太刀で決まりだな。


うーん今のところメリットはないんだが軽いってことだけかな?ん?いや待てよこれ石でも切れるとか書いてあるんだけどそんなことできるの?まーわからないけど、軽くて切れ味がいいものを自分で作って終えばいいか。


よし、じゃー作るかっていやその前に訓練場の予約でもしにいくか)


気づいたらもう朝の6時を過ぎていた。アシュルの中では全然時間は経ってないように感じていたが案外時間は進むのが早いらしい。


学生証を持って部屋を出るアシュル。

少し歩いてやっと特別訓練場に着く。そこには、1人最高5時間までと記載してあった。

アシュルは昼の1時から夕方の6時までを5日間予約を入れ、また歩いて部屋に戻る。


(しかし、でかいなこの寮はここまで来るのにも案外歩かなきゃいけないし。お父さん、お母さんが見たら驚くだろうな)


部屋まで行く廊下はアシュルとリコの部屋にしか繋がっていないこともあり実質2人だけの廊下だ、そこを1人で歩いていると、なぜか奥の方から"サササ、サササ"と早歩きで行ったり来たりする音が聞こえた。


「ん?何なってるんだ?リコ」


そこにはアシュルの部屋の前で行ったり来たりするリコの姿があった。


アシュルの声に一瞬驚いたように飛び跳ねるリコだったがすぐさま真っ赤な顔になり慌てはじめた。


「いや、別に変なことしてたわけじゃなくてね、私も結構前から起きてて、そしたら隣からも物音が聞こえてきたからあー起きてるんだって思ってね、ならすぐ会いに行こうとしたんだけど、流石に早いかって思って6時まで待ってから行こうと思ってね、でも挨拶だけに行くとかおかしいから、「いや、ちょ、ちょっと待って落ち着いてよ」ん?」


昨日のリコからは想像もできないくらいに早口になって弁解をするリコを止め、落ちかせるアシュル。


「あーなるほどね、、ただのあいさつだとあれだからお茶でもってことなのね。でも男の子部屋だから恥ずかしかったと」


「まーそうだけど、、それよりもこんな早くにどこ言ってたの??」


「あーこれから5日間暇になるから、昼の1時から夕方の6時まで特別練習場を予約してきたんだ」


「さすがだね。あ、そうだ私その訓練見に行ってもいいかな?」


「ん?あーあー、、、まーいいよリコなら。僕の恩恵のことも知ってるしね」


「やったーありがとう!その前に早くお茶しようどっちの部屋にする?」


「いや、もう少しで朝ごはんの時間だ、それを部屋に持ってきてもらって、一緒に食べないか??僕もちょっと作業したいし」


「むーーーまぁーそういうならわかったよ。絶対朝ごはん一緒だからね!!」


そう言って頬を膨らませながらリコは自分の部屋に戻っていった。


ちなみにSクラスの人たちは食堂でご飯を食べるか、部屋でご飯を食べるか決めることができる。さらには学園の準備するご飯か自炊するのも選ぶことができる。自炊の場合は材料だけ持ってきてくれるシステムになっている。


また机に向かい始めたアシュルはまた集中し始めた。


(とりあえず材料からか、、ほう、銅を使っているのか。

でもどうなのにこのような色になるんだろう。


そしてこの刀に使われる銅は玉鋼というのか。なるほど色々な作業をしないと玉鋼は作れないのか。僕は、この工程をふっ飛ばして作れるけど、これを人の手で作るとなるとたしかに無理だな。

すごいなこれを考えた人は会えるなら会ってみたいものだな。


ん?やっぱりこの反りが大切なのか、、んーとりあえず想像はつかないけど刀までは難しいか、、、

一旦玉鋼を作ってみよう。


ん?これが玉鋼??銅というより石に似てるんだな、、

だか、この硬さだとたしかに石すら切れそうではあるな。

あとは刃の細かい部分さえわかれば作れそうだ。


刃の種類は約15種類か。

ふむふむ各名称の意味もわかった、これなら作れそうだ


左手頼むぞ1発で行ってくれ!


ん?ん?結構恩恵量持ってかれたか??感覚的には1000くらいかな。まーしょうがないか、反りに切先の長さ、あと上身と茎のバランスもそうだし、あの石見たいのを強度そのままに薄く伸ばして、それでも強度を強めたからな。もしかしたらバイソンよりも辛かったかもしれないな。


それはそうと、いい出来だな!反りもよし!めちゃめちゃ綺麗だし反射もして僕の顔すら見えるよ!


あとは、持ち手と刃を入れる鞘か。


まず持ち手をつく、、ん?)


部屋のドアがノックされ一旦作業をやめる。

時間を見るとリコと約束した時間から30分も過ぎてることがわかった。恐る恐るノックされるドアを見ると見えないはずなのにドアの向こうで鬼のような顔で怒りながらノックしてるリコの姿が伝わり、全身から震えるアシュル。


恐る恐るドアを開けるともう怒りを通り越し目に色がない無表情のリコがいた。

その瞬間アシュルは人生初のとても綺麗な土下座をするのだった。


なんとか許して貰えたアシュルはそのままリコの部屋で朝ごはんを食べた。

そこでは許して貰えたはずなのにノックを5分間も無視して何をしていたのかを問いただされた。


もう誤魔化しは効かないのだろうと悟ったアシュルは刀を作っていたことを正直に話した。


「刀を作ってどうする気なの?刀のことは私も知ってるけど、それを活かせる恩恵なんてなかったはずなのに」


「だからこそなんだよ。誰も使えない武器だからこそ僕はその武器で技術を上げることができる。恩恵はたしかにその武器の技術などを含めていろんなことを伸ばしてくらるけど、逆にそれ以外の武器は使えないってことなんだとおもうんだよ。それに僕だって恩恵がある武器はいくら鍛錬しても人並み以上はいけなかった。ってことは恩恵がない武器においては、人並みよりも達人と呼ばれる人たちよりも、さらには多分神よりも努力すれば上に上がれる可能性があると思ってるだよ。だからこそ僕は刀を作ろうと思ったんだ」


アシュルの話を聞いてリコは思った。


[この恩恵があることが当たり前の時代に恩恵だけに頼らず強さを求め考え、行動し、そしてひたすら努力をする。だからこそ自信を持って自分を通し、公爵や貴族などからも一歩も引かないメンタルを見せる。そして今もなおもっと強くなろうと一歩一歩と止まることを知らないで進んでいく。だからこそ彼はこんなに強いのだと]


アシュルの強さについて納得がいったリコは今までとは違う目でアシュルを見つめていた。

そこには昨日会ったばかりとは思えないほど信頼している優しい目、さらには尊敬の目。


「私ももっと強くなってそしてアシュルと肩を並べられるようになる」


アシュルに宣言するのだった。


対してアシュルは意図がよくわかってないのか首を傾げながら朝ごはんを食べ始める。


リコも「そして、いつかは私の手で必ず、、」と小さくつぶやいた後朝ごはんを食べ始めた。


13話読んでいただきありがとうございました。


ほんとに申し訳ないのですが、1話では入らなかった、、新武器のお披露目は明日になりそうです。もし行けたら今日出します。


誤字脱字、感想などお待ちしております。気軽にコメントしたいってください!質問などももちろんお待ちしております。レビューもしてくれたら嬉しい限りです!


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