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淡い僕の恋ごころは君に届くのかな?

作者: 七瀬








僕は26年間、初恋というモノをした事がない。

僕の周りの男子達は、みんなもっと早い段階で“初恋”をしたのだろう。

僕には、その気持ちがまったく分からなかった。

僕と付き合う女の子も、相手の女の子から告白されて付き合っていた。

僕が相手の女の子が好きかどうかは関係ない。

相手の女の子が、僕の事を好きだったから付き合っただけ。

僕が相手の女の子が好きになる事もないし。

そもそも女性ひとに惹かれる事がなかった。

色仕掛けで、僕を誘惑する女子もいたのだけど...。

僕の内心は、子供じみた事をするなと思っていた。

だからといって、僕は男性ひとが好きな訳じゃない!

女性ひとに魅力を感じないと直ぐにだんせいに興味があると

女子は想うみたいで、その考え方も僕は嫌いだった。

同年代の女子に興味が湧かなかった事にも原因があるのだろう。

僕は、年上の女性ひとに心惹かれる事は多々あったが。

大体、僕がいいなと想う女性ひとには“彼氏か旦那”がいた。

僕よりも歳が最低でも10個以上は上の方がいい。

当時の僕の理想はそうだった。





・・・でも? 僕も歳を重ねていくごとに。

僕よりも上の女性ひととなると? “熟女”になっていき。

僕の周りの男友達にも、揶揄らわれるようになる。



『利亜、お前! 好きな女性ひとが熟女はヤバいだろう!』

『母親ぐらいの女の人が好きなんて、やめとけって!』

『・・・でもさ、』

『俺がお前の彼女探してやるよ』

『いいよ、そんなの、』

『遠慮するなって!』

『いやいや? 利亜は遠慮してないだろう! 熟女がすきなんだもんな!』

『僕を揶揄うなよ』

『ごめんごめん、拗ねるなって!』

『まあ、俺に任せろよ!』

『・・・・・・』




僕は全然! 乗り気じゃないのに男友達はどんどん話を進めていく。

いやいやながらも、僕は友達の紹介で一人の女性ひとと会った。

初めて見た彼女に僕は、26年間で初めての【初恋】をする。

まさか!? こんな気持ちは初めてだった。

彼女と会った瞬間、彼女はキラキラしていて物凄く眩しかった。

【初恋】ってこんな感じなんだと僕は今更知った。





彼女の名前は、上山ハズキ 25歳、事務の仕事をしているらしい。

僕よりもたった一つしか歳の変わらない女性ひと

今まで、こんなに歳の近い女性ひとを好きになった事はない!

僕は彼女に、どんどんのめり込んでいく。

彼女は僕と初対面にもかかわらず、気楽に僕と話をしてくれた。

気を遣わせない彼女の心遣いにも、また僕は彼女を好きになる。

帰りに彼女とLINE交換をして、初めて会ってその日は分かれた。

数日後、僕は彼女にLINEを送る為に何時間も文章を考えていた。

LINEなので、長文は彼女に嫌われるだろうし。

短い文章だと、僕の想っている事がちゃんと伝わるか自信がなかった。

それでも、彼女と仲良くなりたい僕は、何度も何度も読み直しては

書き直してを繰り返した文書を思い切って彼女に送った。

数秒後、『既読』がついた。

僕は嬉しくて、思わず大声を出す。

【やったぜーーーーーーーーー!!!】




そして、彼女から返事が返ってきた。


『ありがとう! また皆でご飯でも食べに行こうね!』

『うん! 楽しみにしてるよ。』




・・・たったこれだけの文書なのに。

僕は嬉しくてたまらなかった。

彼女の文書を何度も何度も読み直した。

繰り返し繰り返し彼女の文書を目で追う。

こんなにも、人の心が躍るものなのか?

【恋】っていいなって、この時ばかりは本気で想った。





でも? 淡い僕の恋ごころは君に届く日が来るのだろうか?

そんな事を思いながら、また僕は彼女の文書を読み直してニヤけていた。





最後までお読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] うんうん 可愛いけど、道のりは まだまだ だねえ(^^;)
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