死にかける話
青春とはなんなのか。私は友情、恋愛、部活、この三要素でできているのではと思う。だが、年齢的には青春を満喫しているはずだった男が目にしているものは、
「グガァ…」
死にかけのグロテスクな生き物と、
「グルルルルル……」
血の匂いで寄ってきた狼っぽい生き物の群れと、
「ふっ。たかが数十程度の獣風情が…。我が愛刀のサビにしてやるでござるっ!」
忍者みたいな人の三要素でした。
「はっはっは!たかが獣と思っておったが、案外強かったでござるな!」
「だからって俺を道連れにするなよ…」
今十太郎たちがいるのはさっきの狼っぽいやつらの巣穴。ええこの忍者、見事に返り討ちにされましたとも。しかもここ、どうやら玉座の間らしいですよ。とても広いです。多分東京ドームの半分くらい。
「しかしおぬし、せっかく拙者が救ってやった命、ここで終わらせる気でござるか?」
「いやぁあなたのおかげで死ぬかもしれないんですがねぇ!」
「そんなに感謝されても…照れるでござる……」
「話聞けよ!もし本当に助かってたら喜んで金貨の百枚ぐらいくれてやるよ!」
「む!言質とったでござるよおぬし!男に二言はないでござる!」
「そこはちゃんと聞いてるのかよ!」
おいおい、そんなに大声出してると……ほら来ちゃった。
「ナニヲサワイデイル」
なんか強そうだな。多分この群れのボスだな、うん。
「おぬし!多分あれが大将だ!殺せ!」
「どうやって!?武器持ってるあんたがなんとかしろよ!」
「役立たずめ…しばらく拙者にくっつけ!」
「コソコソシャベルナ。イマカラオマエタチヲ調理室ニ…………」
「スキル!目くらまし!」
「そこは忍法だろおおおおおおおお!!」
「ええいうるさい!置いて行くぞ!」
「……いつか倒す!」
「クッ!ニガスナ!ニオイデオイカケロ!」
「「ガルルル!」」
「ちっ!おぬし。少しの間鼻をつまんだ方が良いぞ」
「え?」
「スキル!鼻つぶし!」
「うおっ!……くせえ!」
それもうスキルでも忍法でもないから。ただの腐った卵だから。
「ガルルルァア!」
「オノレ…モウヨイ!サガレ!」
「グルル…」
おー。やるじゃん。
1時間後。
「はっはっは!やはり人生にはあれくらいの刺激がないとな!」
「何言ってんだよ!死にかけたんだぞ!
「?拙者が死ぬわけないでござる」
「俺が死ぬんだよ!あんたには武器があるけど……………………」
「武器なら一つ余っているでござるよ」
「下さいまじでお願いします今すぐよこせやぁ!」
……やっぱ変わり身早いね。あと人にものを頼むときはちゃんとしようね?
「これでござる。拙者の趣味に合わなかったのでな」
「おお!ありがとう!……って、え!?これ本当にいいの!?」
すごいの持ってんな。
十太郎たちがいるところから遠く離れた場所に、禍々しい雰囲気を放つ城がある。人々はその城を『死の城』と呼ぶ。その城の大広間で黒ずくめの人間と人狼の王がいた。
「ふーん…それで逃げられちゃったんだ。だから食料が欲しい、と」
「ハイ…デナケレバ我ガ一族ハ滅ンデシマイマス……」
「でもただの人間なんでしょ?自分たちで…………」
「イエ!言イ訳ノヨウデスガ、黒目黒髪トイウアマリ見ナイカッコウデ…」
「そう…なら、お前が無傷で捕えてくるまで私たちが支援しましょう。必ずここに無傷で殺さずに連れてくるのよ?」
「アリガトウゴザイマス陛下!」
「陛下と呼ぶな!一花様と呼びなさい!」
「どうしたでござるか?」
「いや…今一花って聞こえた気がして…。気のせいか」
お久しぶりです、大橋木乃です。今回はセリフが多いですね…。まぁ楽しんで読んでいただけたら幸いです。ではまた4話で。