妹が可愛すぎる話
「うわああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁああああああああああああ!」
「グルルルルルゥゥゥゥァァァアアアアアアアアアアアアアアギャルウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウ!」
ある草原で一人の男が走っていた。汗を輝かせながら走っていた。とても輝いてますね。めっちゃきれいだ!
悲鳴上げてるけどね。いやまあそりゃそうですよね。だって考えて下さいよ………………………………………
後ろからグロすぎてモザイクかけないと見れないような異形の生物に追いかけられてるんですよ?ずっと。
男は叫ぶ。
「どーしてこーなったー!」
大阪のとある住宅街の一軒家にて。一人の男とひとりの女の子がいました。何か話しているようです。近ずいてみましょうか。よいしょ。
「かーっ!今日も可愛いなあ、わが妹よっっ!」
「……今は静かにして!」
変人がいたわ。通報した方がいいんじゃない?あ、でもただの仲いい兄妹だったり━━━━━━━━━━━━
「俺はただ妹とイチャイチャしたいだけだぜっ!」
「それが嫌って……言ってんの!」
「ぶへぇ!いきなり殴ん……られてもいいかな?って通報しないで!俺が悪かったから!」
あ、変態だったわ。こういう人って勢いに任せてりゃ許されると思ってるんだよ。一花、気をつけなさい。
「うぎゃあ!殴るのはいいけど心を読むのはやめてくれませんかねえ!」
「あ、殴っていいんだ。」
「ブガッグヘッグガガッガッゴッうげえ……」
「ふっ。空手二段の一花様をなめてるの?…………あれ?大丈夫?とぉ兄?」
「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!一花の兄の十太郎ダゾぅぐああああああ!痛い!痛いってば!なんで怒るんだよ!」
「気絶したふりとかしてんじゃないわよ!」
「いや、気絶はガチでしたんスけどね、はい。一花に呼ばれたら、ねえ?起きない方がおかしいでしょ。…
もしかして心配してくれたの?」
「しねえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」
「ぐひゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
「…………買い物に行ってくるけど何かいる?」
「あー、じゃあアイス最中よろしく」
「おっけー。いってきまーす」
「気をつけてな」
ねえ、ボクもう分かんないよ………。この二人仲よかったの?
「愛し合ってるぜ!」
「ウルアアアアア!」
どこーん。
仲、いいんだね。よかったよかった。キラン(感動の涙)。
「遅いなあ。さみしさでぼくしんじゃう…………」
プルルルル、プルルルル
『こちら大阪府警ですが十太郎さんですか?』
「ええそうですが。何か用なら早くしてくれます?妹がいなくて死にそうなんですよ」
おまえ警察にその態度はないだろ…………
『いえ、大変申し上げにくいんですが…………今日十七時頃、一花さんの死亡が確認されました。車の運転手が居眠りをしていたみたいで、目撃者によれば死に際にあなたの名前を呼んでいたとか。それでですね━━━━━』
がちゃん。
「うそだ…………」
いや…………辛いのは分かるよ?でも受け入れてあげなきゃ。
「これから、ひとり?」
そーだよ。まあ、君ならなんとかなるさ。
「ひとりは、いやだ…………」
え?いや死なないでね?ガチでやめて━━━━━━━━━━
「もういやだ………。しぬ………」
どすっ!
大阪のとある住宅街の一軒家で、ひとりの男が亡くなった。