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死獣神~死の書~  作者: 天馬光
8/110

転校生は一角獣(2)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。

 それからしばらく経ち、昼休み。未来や龍達が集まったいつもの屋上での集会で、キララは体の負担を考慮して週一勤務という雇用条件があることを報告し、そのついでに朋美が多重人格者だということや彼女達との関係性を明かした。

 といっても、元々この学校には龍や澪といった異種族の混血や、未来のような者が少なからず通っている。そんな特殊な状況下で驚く者は、翔馬の予想よりいなかった。


「……そういうわけなので、今日から死獣神の一員・ユニコーンとして活動させていただきます。至らない点もあるかもしれませんが、兄妹共々よろしくお願いします」


「こちらこそよろしく」


「しっかし、多重人格者とはなぁ……今更驚きはせぇへんけど、ほんまにおんねんや」


「そうっすね。しかも、あんな灰汁の濃い人格まで……」

 大牙はそう言うと、手負いらしく痛んだ体に手を当てた。


 その原因もやはり彼女、いや、彼にあった。

 3時間目終了後、朋美と入れ代わったばかりの玄と遭遇してしまった大牙は、彼好みのマッチョということで運悪くロックオンされ、そのままチャイムが鳴るまで人間サンドバックにされていたのだ。


「ごめんなさい。実は玄はホモで、大牙君のような人を見ると、すぐあぁいうことをしてしまうんです」


「ま、一種の愛情表現ってやつだ。俺もムキムキじゃねぇけどくらった」


「そんな愛情表現ノーサンキューっす。またあんな目に遭うぐらいなら、ケツ掘られてる方がマシっす」

 よほどトラウマだったのか、大牙が沈み気味でそう言うと、柚はお望み通り彼の尻を犯そうと動きを見せたが、即座に龍と雲雀に止められた。


「……で、どうせ翔馬君のことだから、作ってるんだろ? 彼女用の新武器」


「流石。察しがいいねぇ武文。けど、少しちげぇな」

 回りくどい言い方をされ、皆が疑問に思う中、翔馬はお待ちかねの新装備の発表を行った。


 開発した装備は全部で4つ。

 新参者であるキララ用に開発された地面の磁力に作用して高速回転し、カポエラのような無数の回し蹴りができるようになる四角いドアノブ状の道具・ブリザードタイフーンと、伸縮性抜群の防弾防刃スーツ・青い妖精(ブルーフェアリー)

 青い妖精とは対照的に耐久性を特化した大牙専用防弾防刃スーツ・白い虎(ホワイトタイガー)

 そして、防御面に難がある柚用に作られた青い妖精と白い虎両方の特性を持つ防弾防刃スーツ・黒い猫(ブラックキャット)


 どれをとっても高性能な死獣神初の防具は、まさしく翔馬の自信作と言っても過言ではない代物と言える。

 キララが自分のことをユニコーンと命名した理由は、ペガサスのコードネームがそれならということと、コロコロ変わる自分の人格を気分屋の馬にかけたところからです。

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