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死獣神~死の書~  作者: 天馬光
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因縁との再会(2)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。

 と、そこへ、武装した死獣神被害者の会と茅以外のブラック・ナイトが大挙して雪崩れ込んできた。

 彼らの中には、太陽神教の幹部の親族や浦木守の関係者を含めてざっと数百人はおり、これだけの数の人間が死獣神に対する恨みだけで動いているのは、ある種壮観である。


「よくもまぁ、これだけの数を集めたものだね。きっとこの中には、原田防衛大臣の関係者もいるんだろうね」


「それだけやと思っとんのか? エンジェル!」

 数の多さに舌を巻くペガサスに向かって発せられた声。聞き覚えのあるその声に、ペガサスは一驚した。

 何故なら、そこにいたのは、翔馬の父親である田中忠昭(たなかただあき)と弟の大樹(だいき)だったからである。

 ちなみに、先程ペガサスを『エンジェル』と呼んでいたのは大樹の方だ。


「これはこれは。まさか忠昭さんと大樹君までいらしていたとは。おや? あとのお2人はどうしました?」

 あとの2人というのは、翔馬の母親・恵子(けいこ)と、保育園児の末弟・遼河である。


「あぁ、恵子の方は『行く』言うとったけど、死なせるわけにはいかんから止めたわ。あいつを1人にするわけにはいかんし、頼れるのは俺らだけやからな」

 忠昭がそう言うと、ペガサスは小バカにしたように鼻で笑った。


「相変わらず、己を高く見せようとするんですね」


「あ?」


「そういうところが僕も翔馬君も大っ嫌いなんです。あなたは、僕が最も嫌う人間らしい人間だ。こんなところまで来た以上、生きて帰れると思わないでください」


「じゃかましぃ! 堕天使!」

 そう言い、余裕を見せるペガサスに対して、田中親子は激昂する。



 その様子を側で見ていた朱雀は、翔馬の家族が来ているならまさかと思っていた。案の定、彼や龍同様、死獣神被害者の会のメンバーに両親・隼也(しゅんや)と美鳥(みどり)もいた。


「げっ! やっぱりおったんか! おとんとおかん!」


「幹部やからな。当たり前や。けど、驚いたで雲雀。サーカス団に売り飛ばしたはずのお前が、団員皆殺しにして殺し屋になってるとはな」


「今ならまだ間に合う。うちらのとこに戻ってきぃ。一緒に警察行って自首しよ」

 親の情けとも言える説得。これが良識のある親でこちら側が全面的に悪ければ、彼女もそれに応じただろう。

 だが、彼らは違う。親失格の彼らにそんなことを言う資格も権利も無いのだ。故に、朱雀の答えはとっくに決まっている。


「ふざけんな! どの面下げて親面しとんねん! 親が普通、遊ぶ金欲しさに愛する我が子を売り飛ばすか!? せぇへんやろ!」

 娘からの真っ当な拒絶に、2人共ぐうの音も出ない。


「わかったら、うちの気が変わらん内にどっか行きさらせ。そんで、2度とそのツラを見せんな。えぇな?」


「……それが、お前の答えやねんな? ほんならせめて、俺らがお前を殺したる! それがお前にできる最後の親の情けや!」


「それのどこが親の情けやねん! このドアホッ!」

 そう言うと赤羽親子は互いに火花を散らした。

 ここで製作裏話を1つ。

 実は下書き段階では、朱雀の両親の名前はなかったのですが、色々と不便かな? と思い、急遽名付けました。

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