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死獣神~死の書~  作者: 天馬光
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転校生は一角獣(1)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。

 平成18年11月10日午前8時50分頃。白浜での一件後、龍と関係が修復した柚は、自分の気持ちにどんどん素直になっていき、昔以上に自他共に認める友人が増えていった。

 それに比例するように、龍との関係も徐々に進展していき、この頃には人目もはばからず、龍にスキンシップするほど甘えるようになっていた。

 この状態を宙らクラスメートらは『ゴロニャン状態』と呼称している。


 当然、ここまであからさまな態度の急変を見せられて、雲雀と澪が快く思うわけがない。


「……おい柚。あんた調子良すぎやで。今まで散々龍を目の敵にしとったくせに、白浜から帰ってきてから四六時中ベタベタベタベタしよってからに。えぇかげんにせぇよ」


「それって嫉妬のつもり? 雲雀さんまるでお局みたい」

 ゴロニャン状態で龍にベタつきながら、学校でのキャラでそう言う柚に、雲雀は、


「じゃかましぃこの飼い猫っ!」

 と、怒鳴り、今にも殴りかかりそうな勢いだったが、転校生を連れた紫乃に注意されたことで止まり、怒りを鎮めた。


 全員が着席したのを確認すると、紫乃は挨拶し、転校生を紹介した。

 その物腰の柔らかさと美貌。そして、制服に身を包んでいてもわかるスタイルの良さ。宙や翔馬を始めとする思春期男子達の目は、一瞬にして釘付けとなった。


「いやー。いつ見てもいいなぁ」

 そう言い鼻の下を伸ばす翔馬の右隣から、怒りの鉄拳が容赦なく飛んでくる。


 その拳の主の名は早乙女瞳(さおとめひとみ)。大阪府警本部長を父に持ち、自身も管轄無制限などといった数々の特例と権限を持つ警察官・特殊警察官(とくしゅけいさつかん)第1号として高い検挙率を誇る少女である。

 翔馬は7ヶ月前まで殺人犯として彼女と対立していたが、深手を負わせて追いつめた彼女の中に、ペガサスの婚約者で今は故人のラディス=ローズがいることを知り、戦意喪失。そのまま逮捕された。

 その後1週間ほど勾留されていたが、瞳の特殊警官としての権限で協力者扱いとなったことで、晴れて釈放。

 程なくして瞳の方からの告白を受けて交際に発展し、今に至る。


 ちなみに、テーマパークで翔馬に連続カカト落としを食らわせたのも彼女である。


「『いつ見ても』って、会ったことあるの?」


「いつつ、まぁな。今年のゴールデンウイークぐらいの時に、裏の仕事でな」


「え!? てことは彼女も……!?」


「そ。あの子も俺らの同業者だ」

 自分らと同業と知り、龍達が驚いている間に黒板に名前を書き終えると、その転校生は生徒らの方を向き直し、


蓮葉(れんよう)中学校から転校してきた重岡朋美です。短い間ですが、以後よろしくお願いします」

 と、言って、深々とお辞儀をした。

 そう。転校生とは、朋美だったのである。


 ペガサスにスカウトされたあと、キララ達と何度も話し合った彼女は、安定してサポートを得れるなどの理由から死獣神入りを決断。メンバー召集時の利便性を考えて転居し、武文の許可やサイト統合が済んだ今日、めでたく仲間入りしたのである。

 ちなみに、転居や転校を誘ったのは翔馬であり、その理由に下心が含まれていたのは言うまでもない。

 翔馬の新たな恋人・瞳が初登場し、朋美が死獣神入りを果たしました。

 瞳のかかと落としという名のお仕置きは脅威ですが、美女に囲まれた翔馬の学校生活はバラ色となったことでしょう。

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