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死獣神~死の書~  作者: 天馬光
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越えてはいけない領域(4)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。

 その一方で、かの有名な殺し屋集団の元締めが中学生の少年と知り、守はせせら笑った。


「そうか。君が娘がよく言っていた先輩君か。話には聞いてるよ」


「どの口が言ってるんですか? 娘とも思ってないくせに」


「辛辣だね。だが、いいのか? 俺を殺せば君は殺人罪に問われることになる。殺し屋としての余罪もある以上、死刑は免れないだろう。そうなれば真由は、自分のせいで憧れの先輩を失ってしまったと一生悔やむことになりかねない。それでもいいのか?」

 守はそう言い、玄武を思い止まらせようとした。それは娘を思う親心などではなく、あくまで自分の命を守るためというエゴからだ。


 それを見透かしていたのか、玄武はプッと噴き出し、声を上げて笑い出した。


「何がそんなにおかしい?」


「ははははは……! あんた、それでも弁護士? だとしたらバッカじゃないの? 15歳のガキが死刑になるわけないだろ? そんなんでよく司法試験に受かったね」

 義理の娘と変わらない歳の少年にバカにされる。守が激怒するには十分すぎる理由だった。


「この……クソガキがーっ!」

 生意気な子供の首をへし折ろうと、守は怒号を上げて襲いかかる。しかし、それよりも早く獅子が投げた鉄パイプが、彼の顔面にクリーンヒットした。

 激痛で一瞬怯んだ守だったが、怒りはおさまっておらず、鼻血を垂らしながら向かってくるが、無防備に突っ込んでくる相手に遅れをとる玄武ではない。

 彼の足を鉄パイプで殴って転倒させると、すかさず獅子の鉄パイプを猿轡代わりに口元に当てて踏みつけ、頭から上を動けなくした。


「声も出せませんよね? もっとも、出せたところでここは全室防音加工されてますけど。っと、失礼。それはご存知でしたね。何せ日頃のDVがご近所さんに知られていないのですから」

 意地悪くそう言う玄武から必死に逃れようともがくが、時すでに遅し。こうなってしまってはもう彼から逃れられない。

 玄武は静かに守の側頭部に鉄パイプを当て、


「じゃ、さようなら。後は……物言わぬ骸となれ」

 と言って、ゴルフのティーショットの要領で鉄パイプをフルスイングし、守の頭を粉砕した。

 正論を突かれたからといって、子供相手にムキになった時点で、彼の命運は尽きていました。

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