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死獣神~死の書~  作者: 天馬光
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ペガサスの模倣犯(1)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。

「玄田君。あれから何かわかった?」

 龍からの問いに、武文は無念そうに首を横に振る。


 綱手の風フェスタを騒然とさせ、親交のあった者達を悲しみのどん底に突き落とした翔馬の自爆から10日。未だ翔馬の自殺の真相を掴めない死獣神メンバー達は日々、苛立ちや疑問、悲しみを募らせていた。


 生徒達が日常を取り戻しつつある中、龍達も学業や依頼に追われる毎日を送り、表面上は立ち直ったように見せていたが、やはり、仲間であり友人の死のショックは大きく、この日の昼休みの集会は、この世の終わりかというぐらい重苦しい空気が漂っている。


「早乙女さんいわく、遺書には遺品や全財産の使い道についてとか、家族への恨み節とか、僕らへのお礼とかは書いてあったんだけど、肝心の動機についてはどこにも……」


「そっか……」

 何故あの時、翔馬は自分だけに害が及ぶように自殺したのか。それがわからなければ、共感や憤りをぶつけることもできない。


 と、そこへ、落ち込む彼らの元に1人の生徒が声をかけてきた。


「なんだなんだ? 揃いも揃って暗ーい顔して。葬式でもやってんのか?」

 その聞き覚えのある声に、死獣神メンバーは幻聴だと思い、耳を疑った。振り返って声の主の実体を目にするまでは。


「よっ!」


「翔馬君!?」

 そう。その人物とは、自ら命を絶ったはずの翔馬だった。あまりにも予想外の再会に、龍は一瞬、夢ではないかと錯覚し、自分の頬をつねった。痛い。痛覚がある。紛れもない現実だとわかり、嬉しさが込み上げてくる。

 それを肌で感じたはずなのに翔馬は、


「おろ? そんなに俺と会いたかった? 嬉しいねぇ。よし! みんな俺の胸に飛び込んでこい。ただし、かわい子ちゃん限て……」

 と、心配かけたことを詫びもせずに軽い口調でそう言いかけたため、乙女を始めとする女性陣や大牙から、


「調子に乗んな! このドアホッ!」


「翔馬お兄ちゃんのバカーッ!」

 という言葉と共に鉄拳制裁をくらい、袋叩きにされた。まぁ、自業自得だから仕方ない。

 自爆したのにすぐ復活させた感じでなんか申し訳ありません。

 そんなわけで、今回はペガサスが主役です。

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