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死獣神~死の書~  作者: 天馬光
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さよなら死獣神(6)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の終わりの物語。

 その後、白虎らに見送られてグラウンドを去った龍達6人は、形見の刀や商売道具、貴重品等をかき集めて荷造りをし、八尾空港から日本を発った。


 新天地で名前を変え、新たな生活を始めた彼らは、最初こそ慣れない環境に右往左往していたが、住民達の支えもあって、半年が経つ頃には現地での生活に慣れ、澪以外の全員が手に職をつけた。

 そして、1番誕生日が遅い未来が16歳になったタイミングで結婚。6人は晴れて家族となった。おそらく彼らの幸せな日々はこれからも続いていくことだろう…………



 その間にペガサスは、黒龍と慎介達の遺体を龍達の姿に変え、武文と紫乃を復活させると、翔馬と入れ替わり、真実を偽装した。

 これで龍達は世間的に死に、死獣神は解体されることになる。信憑性を高めるために、武文と紫乃と愛花は騙される側になってもらったわけだが、彼らには悪いことをしてしまったと、ペガサスや龍達は申し訳なく思った。


 それだけに、彼らは自分達が殺し屋だったことを決して忘れてはならない。

 殺し屋として駆け抜けた日々は、確かに歪んでいたが、その全てが無駄だったわけではない。

 死獣神を作ったおかげで出会えた縁もあり、その縁から得たものも多くある。それは、どれだけ金を積まれても手にすることができないもの。愛や友情、絆や正義、そして何より、命の尊さだ。

 これらを得たにもかかわらず、その価値を軽んじ、同じ過ちを繰り返すようでは、最早救いようのないバカとしか言いようがない。龍達はそうなってはならないのだ。

 それが戒めとなるのであれば、死獣神に在籍していたこの1年10ヶ月は、あながち無意味ではないだろう。


 そんな経験を糧に成長したからだろうか。機内で地上を見下ろす龍は、心の中で死獣神そのものに対し、こんな言葉を呟いていた。


(本当にありがとう。さよなら死獣神)

 と。


 ずっと働いてくれたエースキラーからの感謝を受け取り、死獣神は役目が終わったと眠りにつく。もう目覚めることがないよう、社会の闇の奥深くで………………

 以上で『死の書』は完結となります。

 最強の敵・黒龍との死闘や恋の行方、さらには死獣神の壊滅という内容の濃い作品になったと思います。

 わかっているとは思いますが、皆さんはくれぐれも殺し屋の道を歩まないように。そして、くれぐれも誰かに恨まれ、殺しのターゲットにならないよう気を付けてください。

 でないと、ペガサスや彼らのような存在が殺しに来るかもしれません。

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