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駄女神に拉致られて異世界転生!!どうしてこうなった……  作者: 猫缶@睦月
6.楽園での休日
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7.大人の遊び?いや、そんなのありませんから

「事前にイリスさんがお伝えしたはずですよね? 

『今日明日は、皆さんの普段の立場も国の関係も忘れて、楽しむという点には問題はないでしょうね? 特に貴族のお嬢様方?』と。お二方とも、もうお忘れですか?」


 僕の問いかけに、エリーゼさんとコリーヌさんの二人とも目をそらします。全く仕方のない人たちですね。


「そんなに勝負がしたいなら、これなんてどうです?」


 僕は二人の前に、麦茶をなみなみと入れた特大のグラスを差し出します。


「二人でこれを飲み干して、先にその場を離れた方が負けというのなら、平和的でしょう?」


 麦茶も利尿作用がありますからね。身体も冷やしてくれますし、むくみもとれる夏向けの飲み物です。にっこりほほえむ僕に、2人の顔色は悪化します。とくにエリーゼさんは、過去を思い出したのか、顔色がとくにすぐれませんね……

 そんな二人に救いの主が現れました。


「クロエちゃん、異国のお客様にそんな意地悪しちゃダメでしょ。アレキサンドリア以外のお客様は、遊びというものは成人前の子供だけだと思い込んでいるのだから。主催者としては皆さんに理解できる遊びを提供しないとだめよ?」


 むぅ、その水着はティティスさんの新作ですね? 白のビキニタイプのツーピースの水着とか、相変わらずの美貌にスタイルの良さは変わりませんが、とても30代には……ゲフンゲフン……


「でも、武器とか野暮なまねはしないでくださいよ。イリスさんやリリーさんもお休みさせてあげるんですからね?」


 アレクシアさんが一瞬、絶対零度の視線を送ってきたようなので、話をそらします。うん、僕のお休みも大事なんですよ。とはいえ、周囲が薄着や水着の女性ばかりで、精神的に疲弊していくのですが……


「クロエちゃん、以前つくったチャンバラごっこの魔道具があるでしょ? エリーゼさんも運動不足の様だから、コリーヌさんと二人でそれで遊んでもらえばよいでしょ?」


 チャンバラごっこですか、悪くはないですけど。せっかく海に来てるんだし、他にも色々することがあるんじゃ。そう思って僕は聞いてみます。


「せっかく海にきてるんですよ? 泳いだりすればいいじゃないですか?」


 僕の言葉に、エリーゼさんもコリーヌさんも再び視線をそらせます。うん、察しました。二人とも泳げな……


「分かりましたよ。他にも運動不足の方がいるようですし、準備しますよ」


 僕の視界には、にこやかに笑うヘルガさんの姿も映っています。あの方も泳げないようですね。北国や山岳のお国では、泳ぎは必須ではないでしょうから仕方ありませんね。そのわりには、エリーゼさん達は水着を持っていましたが? まあ良いでしょう、あれを使うならケガはしませんし。


*****


「ルールは簡単です。この棒をもって、相手に先に当てたら勝ちです」


 そう言って僕が取り出したのは、長さが1m程の黄色い棒上の物です。僕はこの魔道具を打ち合わせながら説明します。固い金属を打ち合わせた音が鳴り響きます。


「この魔道具は、互いに打ち合う分にはミスリル以上の硬さを誇りますが、人間に当たると体内の魔力に反応して極端に柔らかくなり、人体にダメージを与えませんが、一瞬弱い電流が流れますので、先に当たればすぐにわかります。

 そして、この棒は皆さんの思う武器の形状を模倣します」


 そういって僕は片方の棒をアマノハバギリに変え、もう一方を普通のレイピアに変えます。


「このように、自分の得意な得物に変えられますので、好きなだけ打ち合えます。ただし、ジョストと同じで3本勝負で、2本先取で勝敗を決することでよろしいですね?」


 あとは戦う場所として直径10m程の土俵めいたものを砂浜に設置します。


「この円形の場所からでたら、先に出た方の負けとします。あとは好きなように遊んでください。バトル以外の遊びがしたいかたはこちらで、ボール遊びとしましょう。勝負事が苦手な方はご自由に過ごしてくださって結構ですよ。釣りなんかも用具は貸し出しますので、『四季』スタッフにご連絡くださいね」


 そう言って、脳筋戦士組と一般人に分けて遊びを変えました。ちなみに、ボール遊びはビーチバレーです。これなら、みなさん参加できますからね。そうそう、ただ参加するだけじゃ興が乗りませんよね


「あと、チャンバラチームの上位2名と、バレーチームの優勝チーム6名には、『四季』のお得意様優待券を差し上げます。

 優待券所持者は、好きな日好きな時に、好きなものを1時間食べ放題ですので、こぞってご参加くださいね」


 言ったとたんピキンと空気が張り詰めます。おぉ、皆さん本気ですね。あ、でもチャンバラチームってエリーゼさんとヘルガさんにコリーヌさんだけじゃ、参加者に対して景品が多すぎますね……そう思った時が僕にもありました……


「ふむ、陸者(おかもの)と剣技を競うのも悪くあるまい」


「うふふふふ、アタシの槍が血を見たがってるよ~?」


「なぁなぁ、魔法使っちゃダメなのかい? 武器じゃこの二人に勝てないんだよなぁ」


 誰とは言いませんが、なぜいる人魚族? まあ、いいでしょう。チャンバラの方は人数が少ないので、飛び入りOKとしましょう。審判はユイとユーリアちゃんがやってくれるそうです。もちろん、報酬はイチゴショートを要求されましたが……

 チャンバラは総当たり戦、ビーチバレーはトーナメント方式で、3人か4人組でチームを組みます。とりあえず、昼食まで頑張ってもらいましょう。


*****


 お昼時には皆さんが集まりましたので、コテージの部屋割りをします。自分の荷物は自分のコテージに置いておきたいですしね。

 魔道具の使い方がわからない人がいると困るので、全てのコテージにはアレキサンドリアの人間が一人は必ず入るように設定して、4~5人で部屋分けをします。とはいえ、みなさん開放都市(チッタ・アペルタ)で生活しているので、全く分からない人はいないでしょうけど。アレキサンドリアに住んでる人は、魔道具なんて日常的ですしね。

 人数が不足したり、多すぎるグループは相部屋ですが、それはそれで楽しい時を過ごせますよね? いびき・歯ぎしりなどうるさい人がいても、ベッドに遮音フィールドが張れるのでゆっくり眠れるはずです。


 チャンバラとバレーの勝負は夕方まで続き、決勝は翌日行うことに決定します。ちなみにチャンバラの方の上位4名は、コリーヌさん、人魚族の剣士フランシスカさん、人魚族の槍士レナータさん、そしてヘルガさんの4人です。やはり、武術は修業した年数で、ある程度技量の差が出ますからね。エリーゼさんが他の人に負けるのは仕方ありません。他の人は年齢が多少上ゲフンゲフン……

 バレーの方は、『四季 本店』さんが、現在ぶっちぎりの一位です。コンビネーションが半端じゃありませんね~。二位はイリスさん率いる魔法医療術チームが検討しています。アレクシアさん、リリーさん、イェンさんのチームは早々に敗退していますね。ダメですよ、ボール割っちゃぁ……


 夕飯に提供するお酒は軽めのお酒で少量のみとします。水上コテージですからね。酔って海に落ちられたらたまりません。その代わり部屋の冷蔵魔道具にはお酒を入れてありますので、そこからは自己責任でお願いしています。

 数名の人魚族の方がお泊まりを希望しましたので、予備のコテージを2つ追加セットしましたが、問題はありません。

 むしろ問題なのは夕食後の宴会ですね。味をしめたアレクシアさん達に言われるままに、カラオケセットなどを用意しましたが、冒頭いきなり、僕とユイとイリスさんの熱唱動画とか、勘弁してください。

 この為に『思い出』スタッフを連れて来たんじゃないでしょうね? こうなったら、アレクシアさんの過去写真を流しましょうか? 思わず心の闇がうずく僕でした……


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